
大通公園大規模改修・パークPFI導入
札幌市が約30年ぶりに大通公園の大規模改修に着手。公募設置管理制度(パークPFI)を活用し、民間事業者による常設飲食店等の収益を設備更新の原資とする官民連携の取り組み。
札幌市は、都心部を東西に貫く大通公園において、1989年から1994年にかけて行われた「平成の再整備」以来、約30年ぶりとなる大規模改修に2025年度から着手する。本事業では、噴水やベンチなど老朽化した設備の更新に加え、公募設置管理制度(パークPFI)を活用して民間事業者による常設の飲食店等を誘致し、その収益の一部を公園整備の原資とする官民連携の手法を導入する。
大通公園は西1丁目から西12丁目まで約1.5km、面積約7.8haにわたる特殊公園で、約90種・4,700本以上の樹木と美しい花壇が整備された札幌のシンボル的存在である。さっぽろ雪まつりやYOSAKOIソーラン祭りなど、年間を通じて数百万人規模のイベントが開催される都市の顔でもある。札幌市は「大通公園の魅力と機能の向上」「いこいとにぎわいの両立」「沿道と連携したみどりの軸の強化」を戦略目標に掲げ、整備を進めている。 (参考:大通公園とは|札幌市公園緑化協会、大通公園・中島公園あり方検討|札幌市)
大通公園は1871年(明治4年)に市街地を南北に区分する防火帯として設けられた歴史を持つ。1909年(明治42年)には東京から招聘された造園家・長岡安平が設計を手がけ、本格的な公園整備が進められた。その後も札幌の発展とともに拡充されてきた。1988年の「第3次札幌市長期総合計画」に基づき、1989年から1994年にかけて「大通公園リフレッシュ事業」が実施され、公園全体を5つのゾーン(国際交流ゾーン、水と光のゾーン、遊び・イベントゾーン、歴史・文化ゾーン、サンクガーデンゾーン)に分けた再整備が完了した。 (参考:大通公園の歴史と植物|札幌市公園緑化協会)
平成の再整備から約30年が経過し、以下の課題が顕在化していた。
施設の老朽化:西3丁目の噴水は1962年(昭和37年)に北海道拓殖銀行が本店新築を記念して寄贈し、1991年(平成3年)に同行から新たな噴水が再寄贈されたが、設備全体の経年劣化が進んでいる。西4丁目、西11丁目の噴水も同様に更新が必要な状況にある。 (参考:オアシス(西3・4・5丁目)水と光のゾーン|札幌市公園緑化協会)
市民ニーズの多様化:イベント開催時には年間延べ1,000万人以上が来園する一方、日常的な「いこい」の場としての利用と「にぎわい」創出の両立が課題となっていた。イベント時に市民が公園を利用しにくいという声も上がっていた。
沿道との連携不足:公園と沿道施設の空間的一体感に欠け、利活用やにぎわいの連続性が不足していた。沿道には公園との親和性の高い商業施設が少なく、大通公園側に多くの駐車場出入口が面しているなど、回遊性の向上が求められていた。
財政的制約:公共施設の維持管理費が増大する中、民間資本を活用した新たな整備・運営手法の検討が必要となっていた。現在の公園内常設店舗は市公園緑化協会運営の売店2か所のみであった。 (参考:札幌クリップ)
札幌市建設局みどりの推進部は、大通公園と中島公園の将来像を検討するため、専門家や有識者で構成する「大通公園・中島公園あり方検討会」を設置した。約2年にわたり計6回の検討会を開催し、以下の3つの観点から議論を重ねた。
2025年1月27日の第6回検討会において「大通公園のあり方」が策定され、今後の整備方針が示された。 (参考:大通公園・中島公園あり方検討会の内容|札幌市)
2023年7月31日に「大通公園のあり方検討業務」の一般競争入札が公告され、株式会社日建設計が落札した。
2025年3月、「大通公園基本計画詳細検討ほか業務」に係る公募型企画競争(プロポーザル)が実施され、株式会社日建設計北海道オフィスが契約候補者として選定された。一次審査(書類審査:3月7日)と最終審査(ヒアリング:3月17日)を経て決定された。令和8年度(2026年度)に基本計画の策定を行う予定である。 (参考:大通公園基本計画詳細検討ほか業務に係る公募型企画競争|札幌市)
基本計画の策定に向けて「大通公園アドバイザリーボード」が設置され、有識者から専門的な意見を聴取しながら計画を具体化している。
策定された「大通公園のあり方」では、以下のエリア別整備方針が示された。
札幌市は、大通公園へのパークPFI導入に先立ち、市内の百合が原公園で制度を試行的に導入した。2025年10月25日にオープンした交流施設「LiLiLi(リリリ)」は、札幌市初のPark-PFI事業として、特別目的会社「YURIGAHARA PARK FUTURE LAB」が設置・運営している。事業期間は20年間で、約280㎡の施設内にカフェ「LiLiLi Café」と学習支援スペース「学びのかまくら」を併設している。丸美珈琲、どんぐりホールディングスなど地元企業が参画し、事業収益の一定割合を公園維持管理の財源として活用する仕組みを構築した。 (参考:百合が原公園交流施設「LiLiLi」オープンへ|リアルエコノミー)
また、道内では恵庭市の「花の拠点はなふる」が2021年にパークPFIを活用してスターバックスを誘致し、2022年にはマリオット系列のホテル「フェアフィールド・バイ・マリオット・北海道恵庭」が開業している。これらの先行事例を検証しながら、大通公園への適用を検討している。
大通公園の改修は、隣接する大通西4南地区の大規模再開発と連動して進められる。同地区では、平和不動産や北洋銀行などが参画する再開発事業が進行中で、地上36階・高さ約185mの複合施設が2028年度に竣工予定である。設計監修は隈研吾建築都市設計事務所が担当し、高層部には「パーク ハイアット 札幌」(157室)が2029年に開業予定である。
この再開発では、公共貢献の一環として大通公園西4丁目の魅力向上のための公園整備が行われる計画で、建物外装や屋内アトリウムは緑あふれる空間としてデザインされる。大通公園と再開発ビルの商業施設が一体となったにぎわい創出が期待されている。 (参考:大通西4南地区第一種市街地再開発事業|リアルエコノミー、札幌市)
大通公園の整備では、名古屋市の久屋大通公園「Hisaya-odori Park」の事例が参考とされている。2020年9月にオープンした同施設は、三井不動産が事業者として南北約1kmにわたる公園を再整備し、24棟の商業施設(全35店舗)を設置した日本最大級のPark-PFI事業である。公園と商業施設が一体となった「RAYARD」ブランドとして展開され、にぎわい創出に成功している。 (参考:日本最大級のPark-PFI事業「Hisaya-odori Park」|三井不動産)
札幌市初のPark-PFI事業「LiLiLi」が2025年10月に開業し、以下の実績を積み上げている。
大通公園の事例は、年間数百万人が訪れる大規模イベント会場としての機能と、日常的な市民の憩いの場としての機能を両立させながら、パークPFI導入を進めるプロセスを示している。約2年をかけた有識者検討会、先行事例としての市内他公園での試行、周辺再開発との連動など、段階的かつ慎重なアプローチが参考になる。
「街区」「道路(地下空間を含む)」「公園」の3つを一体的に捉え、沿道民有地との緑地化やにぎわいの連続性を確保する考え方は、都心部の線状公園を持つ他都市においても応用可能である。
百合が原公園でのPark-PFI事業を試行的に実施し、その成果を検証しながら大規模公園へ展開するアプローチは、リスクを抑えながら新制度を導入するモデルケースとなりうる。
年間を通じて大規模イベントが開催される公園において、「いこい」と「にぎわい」をどう両立させるかという課題への取り組みは、全国の都市公園管理者にとって示唆に富む。エリア別のゾーニングによる機能分化は一つの解決策を示している。
2026年4月時点の調査内容に基づいて作成
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