
札幌市 新MICE施設整備基本方針策定
札幌市が2025年9月に策定した新MICE施設整備基本方針。中島公園駅周辺に単館3,000〜5,000人規模の施設を整備し、2033年度開業を目指す。年間経済波及効果約492億円を見込む計画。
札幌市は2025年9月、中島公園駅周辺に大規模なMICE施設を整備する「新MICE施設整備基本方針」を策定した。建設予定地は2027年2月末に閉館する札幌パークホテルの北側敷地(現駐車場)で、収容人数は単独施設で3,000〜5,000人程度、近隣宿泊施設との協力体制により5,000人を超える規模の国際学会にも対応可能な設計となっている。施設総面積は約38,400平方メートル、総事業費は約592億円を見込み、2031年度着工、2033年度以降の開業を予定している。年間経済波及効果は約492億円と試算されており、10年間で約5,000億円の経済効果が期待されている。 (参考:新MICE施設整備/札幌市、リアルエコノミー)
札幌市は2015年に観光庁から「グローバルMICE強化都市」に選定され、国際会議やコンベンションの誘致に取り組んできた。2024年には443件の会議イベントが開催され、参加者総数は89,211人、うち国際参加者は3,509人を記録。ICCA(国際会議協会)基準の国際会議は24件で、アジア太平洋地域21位に位置している。 (参考:MICEについて/札幌市)
しかし、既存の札幌コンベンションセンターには複数の課題があった。大規模な国際会議等の誘致において、展示スペースの欠如、市中心部からのアクセス距離、周辺の宿泊インフラ不足といった構造的な課題が指摘されていた。また、かつて大規模国際会議の一部機能を担っていた「さっぽろ芸術文化の館」が2018年に閉館したことで、施設面の不足がより顕著となっていた。 (参考:札幌市経済観光局観光・MICE推進部資料)
札幌市は2018年5月に「(仮称)新MICE施設整備基本計画」を策定し、2026年度の開業を見込んでいた。当初の計画では延べ面積約32,400平方メートル、事業費約280億円とされ、札幌パークホテルとの一体的な再開発事業として進められる予定だった。その後2019年には事業費が約341億円に修正された。 (参考:新MICE施設整備/札幌市)
ところが、新型コロナウイルス感染症の世界的流行により、2020年3月に事業実施を延期。当初は2023年3月までの再検討期間を設けたが、感染症の長期化により2024年3月まで延長された。この間、建設費の高騰も重なり、当初計画の見直しが必要となった。 (参考:MICE TIMES ONLINE、新MICE施設整備/札幌市)
コロナ禍を経て、市と民間事業者の役割分担も変更された。当初は再開発事業手法により、新MICE施設と新ホテルを一体整備する計画だったが、事業環境の変化を踏まえ、市と事業者(グランビスタホテル&リゾート、サンケイビル)がそれぞれ独立して建設し、運営面で連携する方式へと転換した。 (参考:リアルエコノミー)
2018年5月に初期の基本計画を策定したものの、コロナ禍により計画は大幅に遅延した。2024年に入り、MICE市場の回復傾向が見られたことから、市は改めて計画の見直しに着手。建設費高騰の影響を加味しながら、2025年9月に新たな「新MICE施設整備基本方針」を策定した。 (参考:新MICE施設整備/札幌市)
基本方針では、以下のスケジュールが示されている。
なお、隣接地では札幌パークホテルが2027年2月28日に閉館し、その後解体。跡地にはヒルトン系列の高級ホテルが2030年頃に開業する予定となっており、MICE施設との一体的な利用が想定されている。 (参考:札幌パークホテル プレスリリース、日本経済新聞)
新MICE施設の最大の特徴は、その立地にある。中島公園駅に隣接し、新千歳空港から地下鉄を乗り継いで屋外移動なしでアクセスできる。すすきのの宿泊施設群も徒歩圏内にあり、参加者の利便性が高い。既存の札幌コンベンションセンターが都心から離れた白石区に立地しているのとは対照的である。 (参考:MICE TIMES ONLINE)
中島公園には、国指定重要文化財の豊平館や八窓庵、札幌コンサートホールKitara、子ども人形劇場こぐま座などの文化施設が集積している。基本方針では、これらの周辺資源を活用した「札幌ならではのユニークなMICE誘致提案」を可能にすることが強調されている。国際会議のレセプションを豊平館で開催したり、Kitaraでのコンサートを組み込んだりするなど、他都市にはない付加価値の提供が期待されている。 (参考:健美家、中島公園 未来への魅力継承プラン)
隣接する新ホテル(ヒルトン系列)との連携も特徴的である。施設面での物理的な接続に加え、飲食サービス、コンシェルジュサービスなどホテル品質のサービス提供が計画されている。周辺の複数のホテルと連携することで、5,000人を超える大規模学会の開催も可能となる。 (参考:リアルエコノミー)
施設構成は、メインホール(約2,000平方メートル)、多目的ホール(約3,200平方メートル)、会議室15室(約3,400平方メートル)で構成され、合計約8,600平方メートルの機能面積を確保する。会議と展示を同時開催できる設計となっており、既存の札幌コンベンションセンターの課題であった「展示場併設なし」という弱点を補完する。 (参考:UHBニュース)
基本方針では、以下の効果が試算されている。
運営収支については、年間収入(利用料金、備品使用料、駐車場収入)約10億6,000万円、年間支出(人件費、物件費等)約8億3,000万円で、年間約2億2,000万円の黒字を見込んでいる。施設使用年数を80年と想定した場合、土地取得費や既存施設(札幌コンベンションセンター)の減収分を差し引いても、ライフサイクル収支で約30億円のプラスと試算されている。 (参考:リアルエコノミー、日本経済新聞)
総事業費は約592億円(建物整備費約487億円、土地取得費約105億円)となっている。2018年の当初計画時の約280億円から2019年には約341億円に修正され、さらに現在の約592億円へと大幅に増加しており、建設資材費の高騰が主な要因とされている。この事業費増大に対しては、市議会において「妥当性の検証が必要」との指摘も出されている。 (参考:北海道新聞、UHBニュース)
中島公園周辺では、アクサ生命による複合ビル「ライラックスクエア」(ホテル・オフィス・商業、約250億円投資)が開業予定となっており、2030年頃には都心リゾートとして大きく変貌することが見込まれている。 (参考:健美家)
札幌の計画は、MICE施設単体ではなく、周辺の文化施設、公園、ホテル群との連携を前提としている点が特徴的である。国際会議の誘致において、施設のスペックだけでなく、その都市ならではの体験を提供できるかが重要な差別化要因となる。文化資源や自然環境に恵まれた地方都市にとって、参考となるアプローチといえる。
コロナ禍や建設費高騰といった外部環境の変化に対し、札幌市は計画を複数回にわたり見直してきた。当初の「一体整備」から「独立建設・一体活用」への方針転換は、事業環境の変化に柔軟に対応した例といえる。大規模公共施設の整備においては、社会情勢の変化を踏まえた計画の見直しが不可欠であることを示している。
札幌市は、白石区の札幌コンベンションセンターを維持しながら、新施設を都心部に整備する方針をとっている。新施設は大規模国際会議を主なターゲットとし、既存施設との役割分担を図る計画である。複数のMICE施設を持つ都市において、それぞれの強みを活かした機能分担の参考事例となりうる。
当初計画から倍以上に膨らんだ事業費は、市民への説明責任という課題を浮き彫りにしている。経済波及効果の試算だけでなく、長期的な収支見通しの妥当性について、慎重な検証と丁寧な説明が求められる。公共施設整備における合意形成プロセスとして、他の自治体にとっても教訓となる。
2026年4月時点の調査内容に基づいて作成
この記事は公開情報に基づき、AIを用いた詳細調査により作成されました。記事内容への修正依頼、お問合せ等は以下までお寄せください。
#
総合計画
#
まちづくり指針
#
エリアビジョン
#
景観計画
#
緑の基本計画
#
公共空間活用
#
ウォーカブル
#
公園活用
#
防災・減災
#
空き家活用
#
エリアプラットフォーム
#
公民連携プラットフォーム
#
公民連携
#
地域コミュニティ
#
地域交流拠点
#
多文化共生
#
子育て支援
#
文化芸術
#
自動運転バス
#
モビリティマネジメント
#
モビリティハブ
#
関係人口
#
移住促進
#
探究学習
#
グリーンインフラ
#
生物多様性
#
参加型予算
#
都市整備
#
まちなか
#
駅前広場
#
協働のまちづくり
#
リノベーションまちづくり
#
フューチャーセンター
#
スマートシティ
#
AI
#
リビングラボ
#
空きスペース活用
#
居場所づくり
#
子ども食堂
#
沿線まちづくり
#
健康
#
社会教育
#
持続可能な都市
#
計画策定
#
まちづくり
#
コミュニティ形成
#
ワークショップ
#
社会実験
#
市民参加
#
子ども・若者
#
子育て世代
#
シニア