
沼津駅南口賑わい拠点開発(NUMAZU JAMS)
旧西武百貨店跡地を活用した官民連携による駅前再生プロジェクト。社会実験OPEN NUMAZUの知見を活かし、公共空間と商業施設が融合した新たな交流拠点を整備する。
沼津駅南口の旧西武百貨店本館跡地に、沼津市・UR都市機構・民間事業者4社による三者協働で「NUMAZU JAMS(ヌマヅ ジャムズ)」が整備される。施設名称は、即興演奏で音楽家が自由にセッションを行う「ジャム・セッション」から着想を得ており、多様な人々がこの場に集い、まちのにぎわいを協働で生み出していくという構想を表している。(参考:フィル・カンパニープレスリリース)
約830平方メートルの敷地に、2階建ての店舗部、公共トイレとまちづくり活動拠点を備えた地域貢献部、4つの性格の異なる広場からなる広場部が一体整備される。店舗部は民間事業者が2〜3億円で建設し、地域貢献部と広場部は沼津市が約1億円で整備を担う。2025年12月に着工し、2026年秋のオープンを目指している。(参考:日本経済新聞)
本プロジェクトは、2041年度完了予定の沼津駅鉄道高架化事業と連動する「沼津市中心市街地まちづくり戦略」の中核を成す取り組みであり、社会実験「OPEN NUMAZU」で得られた知見を実践に移す場として位置づけられている。(参考:沼津市公式サイト)
西武沼津店は1957年6月、西武百貨店として初めての地方進出店舗として開業した。東京の品揃えを地方で購入できることを売りにし、約56年間営業を続けた。1991年には売上のピークを迎えたが、その後は減少が続き、2009年以降は毎年1億円の赤字を計上。セブン&アイ・ホールディングスの撤退決定により2013年1月31日に閉店した。(参考:SUUMO)
閉店後、新館は2014年に複合商業施設「沼津RAKUUN」として再生されたが、本館は2013年に解体された。その後、UR都市機構が2018年に沼津市の要請を受けて跡地を取得し、アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」公式カフェが2024年2月まで営業していたものの、本格的な活用には至らなかった。駅前の一等地が10年以上にわたり未利用状態が続くことは、中心市街地にとって大きな課題であった。(参考:UR都市機構プレスリリース)
沼津市の人口は1995年の約21万8千人をピークに減少に転じ、2015年には1975年以来維持してきた20万人を割り込んだ。2030年には17万人を割り込むと予測されている。東日本大震災以降は沿岸部からの転出超過が続き、2013〜2014年には全国ワースト6〜7位の転出超過を記録した。(参考:沼津市人口ビジョン)
中心市街地では西武百貨店に加え、長崎屋、丸井、富士急百貨店といった大型店が相次いで撤退。近隣市町の大型商業施設との競合により商業求心力が低下し、地域経済の停滞が懸念されていた。
沼津駅付近鉄道高架事業は、JR東海道本線約3.7km、JR御殿場線約1.6kmを高架化し、13箇所の踏切を除却する総事業費約1,034億円の大規模事業である。2026年度に高架本体工事を開始し、2040年度の高架切替、2041年度の事業完了を目指している。高架化により南北市街地が一体化され、都市機能が大きく改善される見込みである。(参考:静岡県沼津土木事務所)
この機会を捉え、沼津市は2020年3月に「沼津市中心市街地まちづくり戦略」を策定。駅周辺を「ヒト中心の魅力ある場所」へ再生させることを目標に掲げ、旧西武百貨店跡地の活用を重点プロジェクトとして位置づけた。(参考:沼津市中心市街地まちづくり戦略)
沼津市は2018年からUR都市機構との連携を本格化させた。URは市の要請を受けて旧西武百貨店本館跡地を取得し、まちづくり戦略の計画策定を支援してきた。
2024年1月26日、両者は「沼津市中心市街地まちづくり戦略の推進に関する協定」を締結した。協定では、旧西武百貨店跡地の活用、駅前空間の再編整備、公共空間活用の推進、地域住民との協働による持続的なまちづくりを柱とする包括的な連携体制が構築された。(参考:UR都市機構プレスリリース)
本格的な拠点整備に先立ち、沼津市とUR都市機構は2022年から社会実験「OPEN NUMAZU」を実施した。沼津駅前の車道を一部規制し、滞留空間として活用する取り組みである。
2022年4月の3週間実施した第1回では、車線を減らしても周辺の交通流に顕著な支障が生じないことが検証され、実験前と比較して滞留者数はおよそ1.6倍となった。利用者アンケートでは7割超が居心地の良さを評価し、9割超がリピート意向を示した。出店事業者も8割以上が満足と回答している。(参考:UR都市機構)
2023年7月から12月までの約6ヶ月間実施した第2回では、沼津仲見世商店街に約1.8m×6.0mの芝生空間を常設し、月1度のイベントではなく日常的にまちなかで過ごす風景の創出を試みた。毎月第3週には「OPEN NUMAZU Weekend」としてテーマ性のある企画を展開し、7月は「ミュージック」、9月は「シネマ」、11月は「ブック」といった多様なイベントを実施した。(参考:沼津市、ソトノバ)
当初、URは2024年度末までに暫定的な低層建物と広場を整備する計画だったが、2024年5月締切の民間事業者公募では応募がゼロという結果に終わった。借地期間は15年間で、この期間内に整備費を回収するには店舗賃料を周辺相場より高く設定する必要があり、資材高騰も相まって採算性がハードルとなった。(参考:静岡新聞)
しかし、URと沼津市は諦めず、事業者へのヒアリングを重ねて条件を見直し、2025年3月に再募集を実施した。その結果、空中店舗「フィル・パーク」で知られる株式会社フィル・カンパニーを代表とする企業グループが応募。2025年6月25日に「沼津駅周辺のまちづくり推進に関する事業パートナー協定」の締結に至った。
本プロジェクトは、行政・公的機関・民間企業の三者による協議会方式で運営される。2025年度中に6者で協議会を立ち上げ、事業期間は20年を見込んでいる。
沼津市:地域貢献部と広場部の整備(約1億円)、地域との調整、政策的支援を担当
UR都市機構:土地所有者として事業全体のコーディネート、まちづくり戦略との連携を担当
民間事業パートナー4社:
2025年11月27日、着工前トークイベントで施設名称「NUMAZU JAMS」が発表された。頼重秀一市長は「高架化やヒト中心のまちづくりが進むなか、その先導役となる施設になればいい」と述べた。2025年12月に着工し、2026年秋のオープンを予定している。(参考:日本経済新聞)
本プロジェクトの特徴は、商業施設でありながら公共空間が全体設計の中心に据えられている点である。広場部は4つの異なる性格を持つ空間で構成される。
広場設計を担当するブルースタジオは、ホシノタニ団地で貸し菜園、ドッグラン、芝生広場といった多様な居場所づくりを実現した実績を持つ。同社が得意とする「敷地を街に開放する」手法が、駅前という都市空間にどう展開されるかが注目される。
OPEN NUMAZUという社会実験で得られた知見を本格整備に活かす段階的アプローチが特徴的である。一過性のイベントではなく、2023年には半年間の常設芝生空間により日常的な公共空間利用を検証した。このプロセスにより、車線削減が交通に大きな影響を与えないこと、公共空間への潜在的ニーズが高いこと、地域事業者の参画意欲があることが確認された。
最初の公募で応募ゼロという厳しい結果に直面しながら、事業者ヒアリングを重ねて条件を見直し、再募集で事業化を実現した過程は、地方都市の駅前再生における粘り強い取り組みの事例となっている。
13年間にわたり空白地となっていた駅前の一等地について、ようやく本格的な活用の見通しが立った。当初の公募で応募がなかった状況から、条件見直しと事業者ヒアリングを経て事業パートナーの選定に成功し、2025年12月に着工した。
沼津市、UR都市機構、民間4社による三者協働の枠組みが構築され、20年間にわたる長期的なパートナーシップが形成された。計画段階から運営まで一貫した協働体制を構築し、単なる発注者・受注者の関係を超えた連携モデルとなっている。
OPEN NUMAZU 2022では滞留者数が約1.6倍に増加し、利用者の70%以上が「快適」と評価。OPEN NUMAZU 2023では半年間の常設により、日常的な公共空間利用の風景を実現した。これらの実験で得られた「人々がどのように公共空間を使いたいか」という知見がNUMAZU JAMSの設計に反映されている。
いきなり大規模投資を行うのではなく、社会実験で検証してから本格整備に移行するアプローチは、リスクを軽減しながら地域ニーズに合った施設を実現する有効な手法である。特に、OPEN NUMAZUのように一過性ではなく半年間の常設により日常的な利用を検証した点は、より精度の高い計画づくりに寄与している。
UR都市機構という公的機関が自治体の要請を受けて土地を取得し、計画策定支援から事業コーディネートまで一貫して担う体制は、民間だけでは実現困難な駅前再生を可能にする仕組みである。長期的な視点で持続的なまちづくりを志向する際に参考となる。
最初の公募で応募がなかった場合でも、事業者へのヒアリングを重ねて条件を見直し、再募集で事業化を実現した過程は、困難に直面した際の柔軟な対応の重要性を示している。採算性の課題を正面から受け止め、現実的な条件設定を模索する姿勢が成功につながった。
空中店舗のノウハウを持つフィル・カンパニー、公共空間デザインに強いブルースタジオ、地域に根ざした加和太建設という、それぞれ異なる強みを持つ企業が連携する体制は、多角的な視点からのまちづくりを可能にしている。地方都市の駅前再生において、単独企業ではなく補完的な強みを持つ企業連合が有効であることを示す事例である。
2026年3月時点の調査内容に基づいて作成
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