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まちリプ@福山(MACHI Re P、UR都市機構によるリノベーションまちづくり支援)
まちリプ@福山(MACHI Re P、UR都市機構によるリノベーションまちづくり支援)

まちリプ@福山(MACHI Re P、UR都市機構によるリノベーションまちづくり支援)

まちリプ@福山(MACHI Re P、UR都市機構によるリノベーションまちづくり支援)

この記事は、my grooveを運営する株式会社Groove DesignsがAIを活用し独自に調査・作成したものです。

広島県
福山市
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UR都市機構が2017年から福山市伏見町で展開する「MACHI Re P(まちリプ)」。都市再生推進法人・地元企業と組み、土地と建物の取得主体を分離した全国初とされるスキームで遊休不動産を再生した経緯を追う。

概要

UR都市機構は2017年、福山市からの要請を受けてJR福山駅前・伏見町地区のまちづくり支援に着手した。この支援の枠組みは「MACHI Re P(まちリプ、MACHI RENOVATION PLATFORM)」と呼ばれ、「魅力が小さくなってしまったまちを、再び人を惹きつける魅力あふれるまちへと変える仕組みづくり」と位置づけられている。大規模な再開発ではなく、遊休不動産を一つずつリノベーションして再生する手法が採られた点に特徴がある。 (参考:【URのまちづくり最前線 第14回】まちリプ@福山(UR都市機構)、福山駅前について(UR都市機構))

この取り組みの核心は、URが空き物件の土地(底地)を取得し、地元企業が建物を取得してリノベーション・運営を担うという役割分担にある。単独の民間事業者では取得・保有リスクが大きい低未利用不動産を、公的機関と民間が分担して引き受ける手法で、URとして全国初の方式とされる。地権者と事業者を仲介する地元の「家守会社」が公的な都市再生推進法人の指定を受けて動いた点も特徴で、2020年12月時点で伏見町における新規事業は累計約20件、リノベーションスクール受講生は延べ87名、地区の公示地価は9%上昇したと報告されている。 (参考:官民連携による福山市の取組み(都市再生有識者懇談会資料、内閣府)、「リノベーションまちづくり」(UR都市機構))

背景・課題

福山市は広島県内で広島市に次ぐ人口規模(2015年国勢調査で464,811人)を持ち、新幹線停車駅でもあるが、市街地の拡大とともに自動車利用のライフスタイルが定着し、消費の中心が郊外の大規模商業施設へ移った。この結果、福山駅前では大型商業施設の撤退が相次ぎ、空き店舗や青空駐車場が増える「都市のスポンジ化」が進行していた。 (参考:福山市伏見町のリノベーションによる街づくり(LIFULL HOME'S PRESS))

なかでも駅南口東側の伏見町地区は、1986年に市街地再開発準備組合が発足しながら30年間にわたり事業化に至らず、2016年3月の臨時総会で準備組合が解散するという経緯を抱えていた。大規模な一括再開発を前提とした従来型の手法では、この地区の停滞を打開できないことが明らかになっていた。 (参考:JR福山駅南口の再生、出直し 再開発準備組合が解散(日本経済新聞))

2016年9月に就任した枝廣直幹市長は駅前再生を市の重点政策に掲げ、市役所内に「福山駅前再生推進室」を設置。2017年3月には産業・学術・金融・行政・地元住民という多様な立場の代表者を集めた「福山駅前再生協議会」を発足させ、都市再生プロデューサーの清水義次氏を交えた議論を経て、同年12月にUR都市機構へ協力を要請した。この要請を受けてUR側が示したのが、既存ストックを活かした段階的な再生を軸とする「まちリプ」という支援の枠組みである。 (参考:福山市伏見町(UR都市機構)、【URのまちづくり最前線 第14回】まちリプ@福山(UR都市機構))

2018年3月には「福山駅前再生ビジョン」が策定され、伏見町における「リノベーションのまちづくり」が公式な方針として位置づけられた。ビジョンは同時に、行政と民間それぞれが担うべき責任の線引きを明確にする狙いも込められており、行政が旗を振るだけでなく、地元の民間主体が自ら不動産オーナーと事業オーナーを結びつける仕組みが必要とされていた。 (参考:都市再生推進法人 築切家守舎について(福山市))

取り組みのプロセス

1. 「家守会社」築切家守舎の設立と都市再生推進法人化

ビジョンが掲げた「民」の役割を担うため、福山市内の経営者4名が伏見町に「築切家守舎」を設立した。同社は不動産オーナーと事業オーナーを結びつける仲介役(家守)として機能し、2021年1月20日には都市再生特別措置法に基づく「都市再生推進法人」の指定を受けている。代表を務める藤本慎介氏は、伏見町で「まちやど」事業を営む地元企業フューレックの代表取締役社長も兼ねており、仲介者と自らリスクを取って建物を取得・運営する開発者の二役を、密接に連携する体制で担った点がこの事例の推進力になっている。 (参考:都市再生推進法人 築切家守舎について(福山市)、会社概要・沿革(株式会社フューレック))

2. リノベーションスクールによる担い手育成

2018年2月、実在する空き物件を題材に事業プランを練り上げる実践型スクール「リノベーションスクール@福山」(主催:福山市、企画運営:株式会社リノベリング)が第1回を迎えた。2018年に2回、2019年・2020年に各1回の計4回開催され、受講生は延べ87名にのぼった。スクール発の事業化第1号として、2018年12月に肉バル「IKEGUCHI MEAT PUBLIC HOUSE」が開業し、広島銀行の福山駅前再生ビジョン提携融資制度「にぎわい」を活用した。同店は新型コロナウイルスの影響を受け、2020年8月に精肉・弁当・惣菜のテイクアウト中心の「池口精肉店」へ業態転換している。 (参考:官民連携による福山市の取組み(内閣府資料))

3. 築切家守舎による建物単位のリノベーション(2018〜2019年)

築切家守舎は自らも複数の建物再生を手掛けた。空き家だった「土屋ビル」を所有者から借り受け、2018年12月の竣工で1〜2階を飲食店舗に、3〜5階を宿泊施設としてリノベーションし、まちやど事業を営むフューレックに提供した(女性専用ゲストハウスとして開業)。2019年8月には「旧橘高ビル」を、リノベーションに理解のある不動産会社・株式会社都市環境研究所に購入してもらったうえで1階を大規模改修し、酒場「Watering Hole」として4〜5店舗の出店を募った。同年6月には「旧中国バスビル」(9階建て)の空室フロアも同社の購入により大規模改修とテナント入替支援を行っている。 (参考:都市再生推進法人 築切家守舎について(福山市))

4. UR土地取得・民間建物取得の「全国初」スキーム(2019年)

伏見町内の「伏見ビル」(2〜4階が空室)では、UR都市機構が当該土地を、フューレックが当該建物をそれぞれ取得するという役割分担が実行され、築切家守舎が両者の橋渡し役を担った。2019年3月にURが土地を取得し、同年12月に建物2階のリノベーションが完了、個室6室の男性専用ゲストハウス「AREA INN FUSHIMICHO」2号店として開業した。前年に開業していた女性専用1号店に続くもので、フューレック専務の藤本勇次氏は「まち全体をひとつの『宿』に見立てた『まちやど』」というコンセプトを掲げている。単独の民間企業では取得リスクの大きい物件を、URが底地を保有することで再生可能にするこの手法は、UR自身が「全国で初めての方式」と位置づけている。 (参考:「リノベーションまちづくり」(UR都市機構)、【URのまちづくり最前線 第14回】まちリプ@福山(UR都市機構))

5. 道路空間の実証実験とエリアパーティ

2018年11月には道路空間(公共空間)や民間保有の空き地・青空駐車場を活用し、「居心地がよく歩きたくなるまちなか」を目指す実証実験が始まった。2019年10月5〜6日には「福山市伏見町実証実験&リノベーションスクール エリアパーティ」として、車両通行を一時的に制限して路上に椅子・テーブルを設置する社会実験(伏見路地構想)が行われ、翌11月にも第2回の実証実験が続いた。築切家守舎はこれと並行して、市が管理する伏見町内の路地を整備する「(仮称)伏見町フットパス事業」の着工も計画していた。 (参考:福山市伏見町(UR都市機構)、都市再生推進法人 築切家守舎について(福山市))

6. 撤退テナントの受け皿としてのネットワーク化

2019年11月18日、AREA INN FUSHIMICHOを会場に、駅前商業施設「エフピコRiM」から撤退予定のテナント(MILIMILI、ROSE CARAVAN、キロストアなど9名参加)を対象とした説明会が開かれた。行き場を失う既存店舗を伏見町の再生物件へ誘導する取り組みであり、この延長線上でリノベーションスクール受講生らを中心とする「中心市街地ネットワーク」が形成され、醸造所・酒屋、八百屋、シェアスペースなど伏見町以外の中心市街地への新規出店も生まれた。2021年には伏見町の地元店舗による「福山伏見町商店会」が正式に発足している。 (参考:都市再生推進法人 築切家守舎について(福山市)、官民連携による福山市の取組み(内閣府資料))

この事例の特徴

土地と建物の取得主体を分離したリスク分担スキーム

この事例の核心は、UR都市機構が土地(底地)を、地元企業が建物をそれぞれ取得するという「土地建物分離型」の再生スキームにある。低未利用不動産の再生では、土地・建物一体での取得・保有リスクの重さが民間参入の障壁になりやすいが、公的機関と地元事業者がリスクを分担することで、単独では成立しなかった案件を動かせるようにした。UR自身が「全国初」と位置づけるこの手法は、特定の資産家や大企業の資金力に依存せず、公的な仕組みとして制度化されている点に特色がある。

仲介者と開発者を兼ねる家守会社の存在

築切家守舎は、地権者と事業者を結ぶ「仲介者」としての家守機能と、自ら建物を取得・運営する主体(フューレック)を率いる「開発者」としての機能を、同一の代表者のもとで一体的に担った。都市再生推進法人という公的な位置づけを得たうえで、単なる相談窓口にとどまらず自らリスクを取って複数の建物再生を手掛けたことが、初期段階での事業化スピードを支えた。

単発の目玉施設ではなく複数物件の面的な積み重ね

まちリプは象徴的な大型施設を1つ整備するのではなく、土屋ビル・旧橘高ビル・伏見ビル・旧中国バスビルといった複数の空きビルを個別にリノベーションし、それらを飲食店・ゲストハウス・シェアスペースとして少しずつ積み重ねる手法をとった。さらに、閉店が相次いだエフピコRiMからの撤退テナントを伏見町の再生物件へ誘導するなど、単一エリアの再生にとどまらず中心市街地全体で店舗の需給を調整する視点を持っていた点も特徴といえる。

調査時点の成果

定量的な実績(2020年12月時点)

リノベーションスクールは2018〜2020年に計4回開催され、受講生は延べ87名。伏見町における新規事業は累計約20件(うちスクール関連7件)、まちづくり会社の新設は3件にのぼり、地区の公示地価は2018年の485千円/㎡から2020年には530千円/㎡へと9%上昇した。UR都市機構の広報記事では、伏見町での新規出店が10店舗を超えたと報告されている。 (参考:官民連携による福山市の取組み(内閣府資料)、【URのまちづくり最前線 第14回】まちリプ@福山(UR都市機構))

にぎわいの体感的な回復

フューレック専務の藤本勇次氏は、UR都市機構の取材に対し「夜6時以降はほとんど人が歩いていなかった伏見町ににぎわいが戻ってきた。確実に動き出している実感があります」と述べている。老舗の茶舗や和菓子店にも若い客層が波及するなど、新規出店だけでなく既存事業者側の変化も確認されている。 (参考:【URのまちづくり最前線 第14回】まちリプ@福山(UR都市機構)、福山市伏見町のリノベーションによる街づくり(LIFULL HOME'S PRESS))

大型民間投資を呼び込む土壌としての機能

小規模なリノベーションの積み重ねと2021年の商店会発足を経て、伏見町では2026年時点で200室規模のビジネスホテル建設計画が具体化するなど、より大規模な民間投資の動きも生まれている。ただし、この大型投資は調査時点(2026年9月)で未着工であり、まちリプ単独の成果というより、その後の商店会活動や地価上昇など複数の要因が積み重なった結果として位置づけるのが妥当である。 (参考:福山市伏見町に200室規模のホテル建設計画、2028年秋の完成へ(中国新聞デジタル))

他地域への示唆

土地と建物の取得主体を公的機関と民間で分離するリスク分担の発想は、老朽化した空きビルを多数抱えながら単独の民間投資では動かせない地方都市の駅前地区に応用しやすい。UR都市機構のような公的不動産保有主体がなくても、自治体が土地信託や第三セクターを活用するなど、同様のリスク分担構造を組む余地はある。

一方で、この事例の推進力となった築切家守舎とフューレックは、同一の代表者が仲介と開発の両方を率いる体制であり、初期段階の機動力の源泉であると同時に、特定の個人・企業グループへの依存度が高い体制でもある。他地域で再現する際には、家守役を担う人材や組織を複数育成し、特定の担い手が離脱しても事業が継続できる体制を並行して整えることが課題になりうる。

また、リノベーションスクールという人材育成の場と、既存の商業施設からの撤退テナントの受け皿という機能を組み合わせたことで、単一エリアの再生にとどまらない「中心市街地ネットワーク」が生まれた点は示唆に富む。空き店舗対策を個別の物件単位ではなく、エリア内の店舗の入れ替わり全体を調整する視点で設計することは、駅前再生の再現性を高める要素として他地域でも参考にできる。

参照元

2026年9月時点の調査内容に基づいて作成

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