
杉並区子どもの居場所づくり基本方針策定
児童館再編の検証を経て、子ども主体の政策へ転換した杉並区の取り組み。子どもワークショップや意見交換会を通じて当事者の声を丁寧に聴取し、2025年1月に基本方針を策定。
杉並区が2025年1月に策定した、0歳から18歳までの全ての子どもを対象とする居場所づくりの基本方針である。2014年から進められてきた児童館再編の検証を経て、施設中心の発想から子ども主体の政策へと転換した。策定プロセスでは、小学5年生から高校生世代を対象に全7回のワークショップを開催し、さらに区内11カ所でオープンハウス型意見交換会を実施するなど、当事者である子どもの声を丁寧に聴取したことが特徴である。 (参考:杉並区公式サイト)
杉並区は1970年代から児童館の設置を進め、小学校区内に1つ児童館を設置する全国的にも先進的な地域だった。しかし施設の老朽化による改修費負担が増加したため、区は2014年3月策定の「区立施設再編整備計画」において、41館あった児童館を段階的に廃止する方針を決定した。児童館を乳幼児向けの「子ども・子育てプラザ」や学童クラブ専用施設、コミュニティー施設に転換し、児童館の機能を分割して移転する計画だった。 (参考:東京新聞)
この計画に対して、一部の保護者からは廃止に反発する声が上がった。「異なる世代が交流する機会が減ってしまう」という懸念も示され、2022年6月の区長選挙では児童館再編が大きな争点となった。見直しを公約に掲げた岸本聡子候補が当選し、区政の転換が始まった。 (参考:東京新聞)
2023年4月にこども基本法が施行され、子どもに関する政策を決める際に当事者の意見を聴くことが国と地方自治体に義務付けられた。同年12月には「こどもの居場所づくりに関する指針」が閣議決定され、子どもの居場所づくりに関する国の方向性が示された。 (参考:こども家庭庁)
杉並区では岸本区長就任後、児童館再編を一時休止し検証作業を進めた。子ども自身がどのような居場所を求めているか、児童館や子ども食堂などを利用する小中学生らへのヒアリングやアンケート調査を実施し、政策の再検討を行った。 (参考:東京新聞)
2023年11月に「杉並区子どもの居場所づくり基本方針策定検討会」を設置し、計5回の会議を開催した。関係課が連携を図りながら、子どもの意見聴取の取り組みや今後の居場所のあり方について検討する庁内組織として活動した。 (参考:杉並区策定検討会)
杉並区では複数のシーズンにわたってワークショップを開催した。 (参考:杉並区・子どもから意見を聴く取組)
シーズン1(2023年11月〜2024年3月):「子どもの権利」と「あったらいい居場所」をテーマに全4回開催。小学4年生から高校生が参加した。
シーズン2(2024年3月〜8月):「子どもの権利を守るために必要なこと」「安心して過ごすことができる居場所」をテーマに全7回(発表1回含む)開催。小学5年生から高校生世代までの参加者が、居場所に関する考えを共有しながら議論を深めた。 (参考:杉並区子どもワークショップ)
シーズン3(2024年9月〜12月):「条例に込めたい思い」をテーマに全5回開催
これに加え、アンケートでは児童館・学童クラブ等で3,755件、区ホームページで177件、すぎなみフェスタ2023で383件、合計4,300件を超える意見が集まった。外国にルーツを持つ子どもや特別支援学校の生徒・保護者からも意見を聴取した。 (参考:杉並区公式サイト)
基本方針素案について意見を聴取するため、区内11カ所でオープンハウス型意見交換会を開催した。児童館、地域区民センター、子ども・子育てプラザなど多様な会場で実施し、施設利用者から直接意見を収集した。 (参考:杉並区オープンハウス型意見交換会)
開催会場:児童青少年センター(ゆう杉並)、堀ノ内東児童館、四宮森児童館、上荻児童館、方南児童館、高井戸児童館、阿佐谷地域区民センター、阿佐谷児童館、子ども・子育てプラザ下高井戸、西荻南児童館、子ども・子育てプラザ善福寺の11カ所
これらの意見聴取を経て、2025年1月に「杉並区子どもの居場所づくり基本方針」を策定した。区の基本構想で定める「すべての子どもが、自分らしく生きていくことができるまち」を実現していくため、子どもが成長段階に応じて安心して過ごせる多様な居場所づくりを進めていく方針を明確化した。 (参考:杉並区公式サイト)
こども基本法が求める「子どもの意見を聴く」ことを、形式的ではなく実質的に実践した点が特徴的である。4,300件を超える意見収集、3シーズンにわたるワークショップ、11カ所でのオープンハウス型意見交換会など、多様な手法を組み合わせて子どもの声を丁寧に聴取した。外国にルーツを持つ子どもや特別支援学校の生徒など、多様な背景を持つ子どもの意見も収集している。 (参考:杉並区公式サイト)
前区政での児童館全廃計画に対する住民の反対を受け、一度立ち止まって検証を行い、施設中心の発想から子ども中心の政策へと転換した。2024年9月には、現存する25カ所の児童館を存続・機能強化し、児童館が無い7つの中学校区には新設を検討する方針を発表した。区長はこの方針について、少子化が進む現代においてこそ地域への投資が重要であり、住民とともに子どもを支える環境整備を進める考えを示した。 (参考:東京新聞)
基本方針の策定と並行して、「杉並区子どもの権利に関する条例」を制定し、2025年4月1日に施行した。子どもの権利条約とこども基本法の趣旨を踏まえ、権利侵害への対応や相談を担う第三者機関の設置を盛り込んでいる。2025年9月には「子どもの権利相談・救済窓口」を開設し、弁護士や社会福祉士、公認心理師などの有資格者が子どもに寄り添い支援する体制を整えた。 (参考:杉並区・子どもの権利、日本経済新聞)
小学校施設を活用して児童館の機能を提供する「放課後等居場所事業」は、2024年度までに17校で実施されてきた。室内では卓上ゲームや伝承遊び、読書などができ、季節ごとのイベントや屋外での運動プログラムも用意されている。2024年12月16日からは入退出管理システムの運用を開始し、保護者のメールアドレスへ入退室通知を配信する体制を整えた。 (参考:杉並区放課後等居場所事業)
2025年度には杉並第三、桃井第一、沓掛の3校を新たに追加して計20校となる。2026年度に10校、2027年度に9校を追加し、全40小学校での実施を目指している。 (参考:東京新聞)
現存する25カ所の児童館を存続・機能強化する方針が決定した。また、児童館が無い7つの中学校区については、他の区立施設との併設や複合化を前提に新設を検討していく方針が示された。 (参考:東京新聞)
基本方針策定後も、子どもの意見を聴く取り組みは継続されている。条例制定に向けたワークショップなど、子どもが政策形成に参画する機会が定着しつつある。 (参考:杉並区公式サイト)
こども基本法第11条では、子どもに関する政策を決める際に当事者の意見を聴くことを国と地方自治体に義務付けている。杉並区の取り組みは、この義務をどのように具体化するかを示す実践例となっている。単発のアンケートではなく、ワークショップの複数回開催、多様な会場での意見交換会、オンラインと紙媒体の併用など、多様な手法を組み合わせることで、より多くの子どもの声を収集できる可能性を示した。
一度決定した政策であっても、住民の声に耳を傾け、検証を行い、必要に応じて方針を転換することの重要性を示している。児童館再編計画を一時休止し、子どもや保護者の声を改めて聴取した上で新たな方針を策定したプロセスは、他の自治体にとっても参考になりうる。
居場所づくりの基本方針と子どもの権利条例を同時期に策定することで、政策の一貫性を確保している。権利保障の理念と具体的な居場所整備を結びつけることで、より実効性のある取り組みとなることが期待される。
2026年3月時点の調査内容に基づいて作成
この記事は公開情報に基づき、AIを用いた詳細調査により作成されました。記事内容への修正依頼、お問合せ等は以下までお寄せください。
#
総合計画
#
まちづくり指針
#
エリアビジョン
#
景観計画
#
緑の基本計画
#
公共空間活用
#
ウォーカブル
#
公園活用
#
防災・減災
#
空き家活用
#
エリアプラットフォーム
#
公民連携プラットフォーム
#
公民連携
#
地域コミュニティ
#
地域交流拠点
#
多文化共生
#
子育て支援
#
文化芸術
#
自動運転バス
#
モビリティマネジメント
#
モビリティハブ
#
関係人口
#
移住促進
#
探究学習
#
グリーンインフラ
#
生物多様性
#
参加型予算
#
都市整備
#
まちなか
#
駅前広場
#
協働のまちづくり
#
リノベーションまちづくり
#
フューチャーセンター
#
スマートシティ
#
AI
#
リビングラボ
#
空きスペース活用
#
居場所づくり
#
子ども食堂
#
沿線まちづくり
#
健康
#
社会教育
#
持続可能な都市
#
計画策定
#
まちづくり
#
コミュニティ形成
#
ワークショップ
#
社会実験
#
市民参加
#
子ども・若者
#
子育て世代
#
シニア