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沼津市地域公共交通利便増進実施計画(2025年改定)
沼津市地域公共交通利便増進実施計画(2025年改定)

沼津市地域公共交通利便増進実施計画(2025年改定)

沼津市地域公共交通利便増進実施計画(2025年改定)

静岡県
沼津市
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沼津市が路線バス再編・自動運転技術・観光MaaSを組み合わせ、持続可能な公共交通ネットワークの構築に取り組む事例。毎年度更新型のアクションプランとコンパクト・プラス・ネットワーク型まちづくりを連動させた実践的アプローチ。

沼津市地域公共交通利便増進実施計画(2025年改定)

概要

沼津市は2022年2月に「地域公共交通利便増進実施計画」を策定し、2025年2月に改定を行った。この計画は、バス路線の再編、自動運転技術の段階的導入、観光MaaSの構築といった複合的な施策を通じて、持続可能な公共交通ネットワークを構築するためのアクションプランである。 (参考:沼津市地域公共交通計画

計画の特徴は、毎年度更新方式を採用している点にある。社会情勢や利用実態の変化に応じて施策を柔軟に調整し、PDCAサイクルを回しながら計画を進化させている。国土交通省から47番目に認定された地域公共交通利便増進実施計画として、法的な裏付けのもとで事業を推進している。 (参考:認定を受けた地域公共交通利便増進実施計画

計画は立地適正化計画と連動しており、医療・福祉・商業等の都市機能を誘導する「都市機能誘導区域」と公共交通ネットワークを一体的に設計する「コンパクト・プラス・ネットワーク」型まちづくりの中核として位置づけられている。 (参考:沼津市地域公共交通計画

背景・課題

運転手不足とコロナ禍の影響

新型コロナウイルス感染症の拡大により、公共交通の利用者数は大幅に減少した。テレワークの普及と外出自粛によりバス事業者の収支は悪化し、路線維持が困難になる懸念が高まっていた。これに加え、全国的な運転手不足と高齢化、2024年問題と呼ばれる労働時間規制の厳格化により、採算性以前に運行そのものの継続が課題となっていた。 (参考:沼津市地域公共交通計画

まちづくり政策との連動

沼津市は2019年4月に立地適正化計画を策定し、2024年3月に改定を実施した。人口減少と高齢化が進む中で持続可能な都市を実現するため、沼津駅・沼津港周辺、大岡駅周辺、北西部地区を都市機能誘導区域に設定し、これらの拠点を公共交通で結ぶネットワーク形成を目指している。2024年の改定では、南海トラフ巨大地震の津波被害に備えた防災指針が新たに追加された。 (参考:沼津市立地適正化計画

観光地と中心市街地の分断

沼津港には年間約160万人の観光客が訪れるが、大半が自家用車を利用するため周辺道路の渋滞が発生している。一方、港の賑わいが沼津駅周辺の中心市街地へ波及しにくい構造的な課題も抱えていた。観光振興と生活交通の両立、そして港と駅の回遊性向上が求められていた。 (参考:交通DXと観光MaaSによる回遊性向上業務

取り組みのプロセス

計画策定と法的位置づけ

2020年3月に「沼津市地域公共交通網形成計画」を策定した後、同年11月の地域公共交通活性化再生法の改正を受けて「沼津市地域公共交通計画」に改定した。この上位計画のもと、2022年2月に具体的なアクションプランとして「地域公共交通利便増進実施計画」を策定し、国土交通省の認定を受けた。計画期間は2020年度から2025年度までの6年間で、毎年度更新を行っている。 (参考:沼津市地域公共交通計画

計画は6つのプロジェクトで構成されている。「公共交通軸形成」「公共交通セーフティネット構築」「わかりにくさ・使いにくさ解消」「楽しいおでかけ創出」「沼津駅-沼津港連携」「いつでも安心・安全」の各プロジェクトが相互に連携しながら推進されている。

協議体制の構築

計画の推進母体として「沼津市地域公共交通協議会」が設置されている。委員数は25名で、富士急シティバス、伊豆箱根バス、東海バスなどの交通事業者、商工・観光団体、学識経験者、市民代表、行政機関から構成される。年3〜4回の会議を開催し、対面会議と書面協議を組み合わせながら進捗管理と意思決定を行っている。会議は原則公開で、傍聴者を受け入れている。 (参考:沼津市地域公共交通協議会 会議録

路線バスの再編(2022年・2024年)

市西部地区のバス路線について、利用実績データを分析した上で2022年4月と2024年4月の2段階で再編を実施した。 (参考:市西部地区のバス路線

2024年4月の再編では、旧原団地線を廃止し「ららぽーと・原団地・原駅線」を循環から往復路線に転換した。これにより、ららぽーと沼津、市立病院、原駅が直結し、移動時間が短縮された。また、ミューバス原・浮島線も循環から往復路線へ転換し、バス停の通過頻度を安定化させた。廃止区間を補完するため「片浜・柳沢線」を新設している。

路線分断による不便を緩和するため、対象路線間で乗り継ぐ際に90円(小児・障害者は50円)を割引する「乗継割引制度」を導入した。運転手から割引券を受け取り、当日中に使用する仕組みである。なお、この制度は2026年4月1日で終了予定となっている。

自動運転技術の段階的実証

沼津駅から沼津港までの約2.2kmの区間「さんさん通り」で、自動運転技術の実証実験を継続的に実施している。 (参考:令和6年度 沼津駅-沼津港間 自動運転実証運行

2023年度は静岡県「しずおか自動運転ShowCASEプロジェクト」に協力する形で、グリーンスローモビリティ(定員6名、最高時速19km)を使用した実証実験を実施した。信号機と自動運転車両を連携させる「路車協調システム」の検証が主な目的であった。

2024年度は沼津市が主体となり、国土交通省の「走行空間実証実験」として静岡県内で唯一採択された。使用車両はBYD-J6型小型電気バス(着席15名、立席4名)で、前年から大幅に拡大した。最高速度も時速19kmから40kmに引き上げられ、実用的なバス運行に近い条件での検証が可能となった。

車両にはライダーセンサー8箇所、カメラ10箇所を搭載し、道路上の車両・歩行者・信号の色を認識する。自動運転レベルは2で、システムが加速・操舵・制動を行い、運転手は監視と必要時の介入を担う。2024年12月7日・8日、13日〜15日の計5日間、予約不要・先着順で一般市民が乗車できる形で実施された。 (参考:沼津経済新聞東京新聞

走行ルート全線には破線状のグリーンラインと「自動運転車」の路面表示を施し、走行空間整備による路上駐車軽減効果などを検証した。交差点にはセンサーを設置し、歩行者と対向車を検知してバスと制御センターに伝える路車協調システムを運用した。

観光MaaSの構築

2024年度に「交通DXと観光MaaSによる回遊性向上業務」を公募型プロポーザル方式で実施した。沼津港周辺の駐車場満空情報をリアルタイムで可視化し、駐車場から路線バスへの移動手段を統一的なユーザーインターフェースで提供するシステムの構築を目指している。 (参考:交通DXと観光MaaSによる回遊性向上業務

利用促進施策

ターゲットを細分化した利用促進施策を展開している。

小学生向けには、静岡県「ハッピーライドin静岡プロジェクト」の一環として「小学生バス無料デー」を実施した。2024年12月7日・8日に県内全ての小学生を対象に路線バスを無料開放するもので、全県規模での実施は全国初とされる。学校配布のリーフレット提示で乗車可能で、子どもや家族にバスを身近に感じてもらう機会を創出した。 (参考:県内小学生を対象に、バス無料デーを実施します

高齢者向けには、65歳以上で運転免許を自主返納した市民に対し、バス・タクシー共通利用券5,000円分(100円券50枚)を交付する支援事業を実施している。免許返納後6ヶ月以内に申請が必要で、沼津警察署で免許返納と申請を同時に行うことも可能である。 (参考:高齢者運転免許証自主返納支援事業

この事例の特徴

毎年度更新型アクションプラン

計画を固定的なものとせず、毎年度更新する方式を採用している。利用実績データの分析結果、社会情勢の変化、新技術の動向を反映しながら施策を調整できる体制を構築している。2025年度には第2次地域公共交通計画の策定に向けた議論も開始されており、計画の継続性が確保されている。

まちづくり政策との一体設計

公共交通計画を単独で策定するのではなく、立地適正化計画と連動させている。都市機能誘導区域への施設集約と、それらを結ぶ公共交通網の形成を一体的に推進することで、「コンパクト・プラス・ネットワーク」型まちづくりを実現している。

技術導入の段階的アプローチ

自動運転技術について、県の事業への協力段階から市主体の国事業実施へと、計画的に関与度を高めている。車両サイズの拡大(6名→19名)、速度の向上(時速19km→40km)、走行空間整備の導入と、段階的に実用化条件に近づけながら技術的知見を蓄積している。2027年度の通年運行を目標に掲げている。

観光と生活交通の統合

沼津港(観光地)と沼津駅周辺(生活圏・商業地)を結ぶ公共交通を強化し、観光振興と市民生活支援を同時に達成する設計となっている。自動運転バスの実証区間も、まさにこの2拠点を結ぶルートに設定されている。

調査時点の成果

路線再編による利便性向上

2024年4月の路線再編により、ららぽーと沼津から原駅への直通アクセスが実現した。循環路線の往復化によりバス停の通過頻度が安定し、利用者が待ち時間を予測しやすくなった。乗継割引制度により、複数路線利用時の経済的負担が軽減されている。

自動運転実証の進展

2年連続の実証実験により、レベル2からレベル4への段階的移行に向けた技術的知見が蓄積されている。2024年度は車両の大型化、速度向上、走行空間整備など、実用化に向けた条件が大幅に改善された。実証運行結果は沼津市公式サイトで公開されている。ただし、路上駐車など障害物への対応には課題が残り、運転手による手動介入が必要な場面もあったことが報告されている。

協働体制の定着

地域公共交通協議会を中心とした多様な主体の協働体制が定着している。年複数回の会議で進捗共有と意思決定が継続的に行われ、2025年度には第2次計画策定に向けた議論が開始されている。

他地域への示唆

データに基づく路線再編

利用実績データを精緻に分析し、利用の少ない区間を整理する一方、削減した資源を需要の高い区間や新設ルートに再配分する手法は、他地域でも応用可能である。乗継割引制度により路線分断の不便を補完する設計も参考になる。

計画の柔軟性確保

毎年度更新方式により、固定的な長期計画では対応できない環境変化に迅速対応できる仕組みは、不確実性の高い時代において有効なアプローチである。

先進技術導入の段階的戦略

自動運転技術の導入において、県事業への協力から市主体の国事業実施へと段階的に関与度を高める戦略は、技術的リスクと財政的リスクを抑制しながら実装に向かう現実的な道筋として参考になる。

まちづくり政策との統合

立地適正化計画と公共交通計画を一体的に運用することで、都市機能と交通網の相乗効果を生み出す設計は、持続可能なまちづくりの基本として他地域でも重要な視点となる。

参照元


2026年3月時点の調査内容に基づいて作成

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この記事は公開情報に基づき、AIを用いた詳細調査により作成されました。記事内容への修正依頼、お問合せ等は以下までお寄せください。

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