
第2次札幌市立地適正化計画の策定
人口減少局面を迎えた札幌市が、コンパクト・プラス・ネットワークの都市構造を実現するため、居住誘導と都市機能誘導の方針を定めた第2次立地適正化計画の策定事例
札幌市は令和8年(2026年)3月、約10年ぶりとなる「第2次札幌市立地適正化計画」を策定した。本計画は、人口減少下においても医療・福祉・子育て支援・商業等の都市機能を拠点に誘導しつつ、その周辺や公共交通沿線に居住を誘導する「コンパクト・プラス・ネットワーク」の都市構造を目指すものである。「第3次札幌市都市計画マスタープラン」と一体的に策定され、居住誘導区域・都市機能誘導区域の設定や防災指針の強化など、変化する社会情勢に対応した都市づくりの方針を示している。 (参考:立地適正化計画/札幌市)
札幌市の人口は、長らく道内各地からの転入超過(社会増)により増加を続けてきた。しかし、少子高齢化の進展により死亡数が出生数を上回る「自然減」が拡大し、令和3年(2021年)以降は自然減が社会増を上回り、市として初めて人口減少局面に突入した。2040年には180万人台前半から後半と推計され、ピーク時(約197万人)から十数万人減少する見通しとなっている。 (参考:人口減少対策について/札幌市)
平成28年(2016年)の第1次計画策定から約10年が経過し、都市を取り巻く環境は大きく変化した。北海道新幹線の札幌延伸に向けた広域交通ネットワークの整備、脱炭素社会の実現に向けた機運の高まり、近年の自然災害リスクの増大など、新たな課題への対応が求められていた。 (参考:第2次都市計画マスタープラン・立地適正化計画の見直し/札幌市)
人口減少に伴い、地域によっては生活サービスの維持が困難になることが懸念されている。特に郊外住宅地では、人口密度の低下により商業施設や医療機関の撤退、公共交通の運行頻度低下といった生活利便性の低下が予想されていた。
計画の見直しにあたり、札幌市は都市づくりに関する専門的知見を有する学識経験者6名で構成する「札幌市都市計画マスタープラン等見直し検討部会」を設置した。委員には経済学、造園学、交通計画、法律、商工業、都市計画の各分野の専門家が名を連ねた。 (参考:第2次都市計画マスタープラン・立地適正化計画の見直し/札幌市)
令和6年(2024年)5月から令和8年(2026年)1月にかけて計9回の検討部会が開催された。第8回は書面審議、第9回は令和8年1月19日に札幌市民交流プラザで対面形式により行われ、計画案の最終確認が行われた。
計画策定にあたっては、多様な市民参加の機会が設けられた。18歳以上の市民を対象とした市民アンケート、市内小学校の児童を対象とした子どもアンケートが実施された。また、ワークショップ形式で市民がまちの魅力や課題、今後必要な取組について検討する場も設けられた。「これからの都市づくりを考えるパネル展」は市役所ロビーのほか各区役所・区民センターなど市内各所で開催された。 (参考:札幌市立地適正化計画(平成28年3月策定))
令和7年(2025年)11月10日から12月9日にかけて、計画案に対するパブリックコメントが実施された。寄せられた意見とそれに対する市の考え方は取りまとめられ、計画に反映された。 (参考:パブリックコメント(第2次札幌市立地適正化計画(案)))
札幌市は国の標準的な「居住誘導区域」とは異なる独自の区分を設定している。地下鉄沿線や環状通内側などの公共交通利便性の高い地域を「集合型居住誘導区域」として設定し、土地の高度利用を基本に集合型居住の集積を促進する。一方、郊外住宅地の一部は「持続可能な居住環境形成エリア」として、生活利便性・交通利便性を確保しつつ持続可能なコミュニティ形成を目指す区域に位置付けている。 (参考:立地適正化計画/札幌市)
都市機能誘導区域は、機能に応じて複数の拠点に分けて設定されている。札幌駅・大通・すすきの等を含む「都心部」には国際競争力向上に資する高次都市機能を誘導。主要な地下鉄駅・JR駅周辺の「地域交流拠点」には、区役所・図書館・体育館など多くの市民が利用する公共施設を誘導施設として位置付けている。さらに、産業・観光・文化芸術・スポーツなどの高次機能が集積する「高次機能交流拠点」も設定されている。 (参考:地域交流拠点等の開発誘導/札幌市)
令和3年(2021年)の都市再生特別措置法施行令改正を受け、土砂災害警戒区域・土砂災害特別警戒区域を集合型居住誘導区域から除外した。第2次計画では「防災指針」として災害リスク分析、取組方針、具体的な取組を体系的に整理し、安全で強靱な都市づくりの方向性を明確化している。 (参考:第3次札幌市都市計画マスタープラン(令和8年(2026年)3月策定))
第2次立地適正化計画は、第3次都市計画マスタープランと並行して策定された。両計画を一体的に見直すことで、都市の将来像から具体的な誘導施策まで一貫性のある計画体系を構築している。
計画の実効性を担保するため、届出制度が設けられている。具体的には、集合型居住誘導区域の外側で一定規模以上(3戸以上)の住宅開発を行う場合や、都市機能誘導区域外での誘導施設整備、区域内での誘導施設の事業休止・廃止を行う際には、事前に市への届出が求められる。 (参考:札幌市立地適正化計画に係る届出制度/札幌市)
令和8年(2026年)3月に第2次札幌市立地適正化計画が正式に策定された。第3次都市計画マスタープランとともに、今後の札幌市の都市づくりの基本方針が定められた。 (参考:立地適正化計画/札幌市)
計画期間中は、人口規模に応じた市街地の範囲の変更を行わないことを基本方針として決定した。2040年の将来人口推計ではピーク時から十数万人減少する見込みであるものの、世帯数は今後数年増加する見込みであること、全市的に低未利用地が減少傾向にあることなどを踏まえた判断である。
地域交流拠点等における開発誘導として、容積率の最高限度の割増や緩和型土地利用計画制度等の運用が継続されている。オープンスペースガイドラインにより、快適な歩行空間やにぎわい・交流が生まれる滞留空間などの整備基準も示されている。 (参考:地域交流拠点等の開発誘導/札幌市)
札幌市の事例は、人口増加から減少へと局面が転換した大都市が、どのように都市計画を見直すべきかの参考となる。単に計画を縮小するのではなく、既存の都市基盤を活かしながら機能の集約を図る方向性が示されている。
国の標準的な居住誘導区域にとらわれず、地域特性に応じた独自の区分(集合型居住誘導区域、持続可能な居住環境形成エリア)を設定した点は、他自治体にとっても参考になる。画一的な誘導ではなく、地域の実情に応じたきめ細かな対応が可能となる。
世帯数の動向や低未利用地の状況など複数の指標を考慮し、計画期間中は市街地範囲を維持するという判断は、拙速な縮小を避けつつ将来に備える姿勢として参考になる。
小学生を対象としたアンケートやキッズコメントの実施は、将来の都市の担い手となる世代の意見を計画に反映する取組として注目される。計画の長期的な視点と、当事者意識の醸成に寄与する手法である。
2026年4月時点の調査内容に基づいて作成
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