
Well-Moving City SAPPORO 2045 ビジョン策定
札幌市が2026年3月に策定した独自のウォーカブルビジョン。市民参加型の実証実験やシンポジウムを経て、都心・地域交流拠点・住宅市街地それぞれの目指す姿と産学官民連携の推進体制を整理した。
札幌市は2026年3月、「居心地が良く歩きたくなるまち(ウォーカブルシティ)」の実現に向けた独自のビジョン「Well-Moving City SAPPORO 2045」を策定した。「いつでもどこでも誰もが心地よく、心も一緒に動くまち」をコンセプトに掲げ、都心・地域交流拠点・住宅市街地それぞれにおける目指す姿を示すとともに、産学官民が連携する推進体制の構築を打ち出している。 (参考:ウォーカブルシティの推進/札幌市)
ビジョン策定にあたっては、2024年6月から約2年にわたり、学識経験者による検討委員会での議論、市民ワークショップやシンポジウムの開催、3地区での公募型実証実験など、多様な主体が参加するプロセスを経た。積雪寒冷地である札幌ならではの「冬のウォーカブル」への対応も特徴となっている。
札幌市は2023年10月に「第2次札幌市まちづくり戦略ビジョン(戦略編)」を策定し、「ウェルネス(健康)」を3つの重要概念の1つに位置づけた。この戦略に基づき、身体的な健康を促進するハード面の施策として「居心地が良く歩きたくなる空間の形成」が掲げられた。 (参考:第2次札幌市まちづくり戦略ビジョン/札幌市)
また、2045年までの20年間を対象とする第3次都市計画マスタープランにおいても、都心および市内17カ所の地域交流拠点の将来像として「歩きやすいまち」の観点が盛り込まれている。人口減少局面においても市街地を縮小せず、都市機能を集約しながら歩いて暮らせるまちづくりを進める「札幌型コンパクトシティ」の一環として位置づけられている。 (参考:北海道新聞デジタル)
近年、全国的に車中心から人中心のまちづくりへの転換が進められているが、札幌市では特有の課題として「冬のウォーカブル」がある。積雪により屋外の歩行環境が大きく変化する中、年間を通じて快適に歩けるまちをどう実現するかが検討の焦点となった。また、約197万人の人口を抱える広域都市において、都心部だけでなく郊外の住宅市街地までウォーカブルの考え方をどう展開するかも課題であった。
2024年6月14日、天野副市長を本部長とする「札幌市ウォーカブル推進本部」が設置され、庁内横断的な推進体制が構築された。同月には、学識経験者や関係団体で構成される「札幌市ウォーカブルビジョン策定検討委員会」も発足し、2026年2月まで計5回の会議が開催された。委員には室蘭工業大学の有村幹治教授、日本大学の泉山塁威准教授らが名を連ねた。 (参考:ウォーカブルシティの推進/札幌市、ソトノバ)
検討段階から幅広い市民参加の機会を設けるため、「サッポロウォーカブルプロジェクト」と題した一連の取り組みが展開された。
シンポジウムの開催
2024年6月2日には、北海道大学FMI国際拠点で「サッポロウォーカブルシンポジウム」が開催された。「健康」「安全・安心」「交流・賑わい」の3テーマでパネルディスカッションが行われ、会場参加とYouTube配信の同時開催となった。 (参考:ソトノバ)
2025年7月29日には「サッポロウォーカブルシンポジウム2025」が開催され、会場のエア・ウォーターの森には135名が参加。ビジョン案の説明に加え、市内でまちづくりに取り組む団体による発表やトークセッションが行われた。 (参考:ウォーカブルシティの推進/札幌市)
公募型実証実験
地域住民・団体・企業が主体となってパブリックスペースの新たな活用にチャレンジする公募型実証実験を実施し、3団体が採択された。
2024年11月17日には、さっぽろテレビ塔で成果報告会が開催され、30名以上が参加。各団体からの発表に加え、「ウォーカブルの取組を継続するためのアイディア」や「冬のウォーカブル」をテーマにワークショップが行われた。 (参考:ウォーカブルシティの推進/札幌市)
冬のウォーカブル実証実験
札幌固有の課題である「冬のウォーカブル」を検証するため、新さっぽろ駅周辺地区で実証実験が行われた。2025年2月24日には、科学館公園(札幌市青少年科学館前)で屋内・屋外イベントの効果比較検証として、短編映画の屋外上映、キッチンカー、ホットスポット、ウォークラリーなどが実施された。 (参考:ウォーカブルシティの推進/札幌市)
2026年1月9日から2月9日にかけてパブリックコメントが実施され、市民から広く意見が募集された。寄せられた意見の概要と札幌市の考え方が公表されている。 (参考:ウォーカブルシティの推進/札幌市)
札幌市は単なる「歩きやすさ」ではなく、「Well-Moving City~いつでもどこでも誰もが心地よく、心も一緒に動くまち~」というコンセプトを掲げた。「春夏秋冬、地上も地下も、市民も来訪者も」を対象とし、物理的な移動だけでなく心理的な豊かさも含めたウォーカブルの概念を打ち出している。北海道弁で「自然とそうなってしまう」ことを意味する「〜さる」を用いた「歩かさる」という表現も使われ、無理なく自然と歩きたくなるまちを目指している。 (参考:ウォーカブルシティの推進/札幌市)
多くのウォーカブル施策が中心市街地に限定されるなか、札幌市のビジョンは都心・地域交流拠点(17カ所)・住宅市街地のすべてを対象としている。公募型実証実験でも平岸、宮の沢、真駒内という郊外の地域交流拠点が選定され、都心以外でのウォーカブル推進の可能性が検証された。
積雪寒冷地特有の課題として「冬のウォーカブル」を正面から取り上げ、実証実験を通じて屋内・屋外での活動のあり方を検証した。地下空間も含めた「地上も地下も」というコンセプトは、冬季の歩行環境を考慮したものといえる。
ビジョンの実現に向けては、行政単独ではなく産学官民の強みを活かし合う「共創(Co-Creation)」を重視している。今後、産学官民が連携する「Well-Moving Network」の設立が予定されている。2024年5月には「札幌市官民連携指針」が策定され、7月には「札幌市官民連携窓口(SAPPORO CO-CREATION GATE)」が開設されるなど、官民共創の基盤整備も進められている。 (参考:ウォーカブルシティの推進/札幌市)
2026年3月にビジョンが正式に策定された。主な成果は以下のとおり。
今後は「Well-Moving推進プログラム」の策定と「Well-Moving Network」の設立により、具体的な施策展開が進められる予定である。 (参考:ウォーカブルシティの推進/札幌市)
札幌市の取り組みは、積雪寒冷地においてもウォーカブルなまちづくりが可能であることを示している。「冬のウォーカブル」という課題を正面から捉え、実証実験を通じて検証した点は、同様の気候条件を持つ他都市にとって参考になる。地下空間の活用や、冬季に適した屋外イベントの企画など、季節に応じた工夫が求められる。
人口約197万人を抱える広域都市において、都心だけでなく17の地域交流拠点と住宅市街地を対象としたビジョン策定は、ウォーカブルの考え方を都市全体に展開する先例となる。公募型実証実験で郊外3地区を選定したことで、地域の特性や担い手の状況に応じた多様なアプローチの可能性が示された。
ビジョン策定の検討段階から市民ワークショップ、シンポジウム、公募型実証実験を組み合わせた参加プロセスは、市民の当事者意識を醸成しながら計画を策定する手法として参考になる。特に実証実験の成果報告会でワークショップを行い、継続のアイディアを議論した点は、策定後の実行段階を見据えた取り組みといえる。
副市長を本部長とする「ウォーカブル推進本部」の設置により、局横断的な推進体制を構築した点は、分野横断的な施策を進める際の参考になる。ウォーカブルは道路、公園、交通、健康、経済など複数の分野にまたがるテーマであり、縦割りを超えた連携が不可欠である。
2026年4月時点の調査内容に基づいて作成
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