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ひたち小児オンライン医療サービス(日立市)
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ひたち小児オンライン医療サービス(日立市)

ひたち小児オンライン医療サービス(日立市)

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日立市が2025年4月に始めた、中学生までの子どもがいる世帯向けのオンライン医療。アプリ「LEBER」で24時間365日のチャット相談と夜間・休日のオンライン診療を実質無料で提供し、子育て世帯の不安軽減と小児救急の逼迫緩和を同時にめざす事例。

ひたち小児オンライン医療サービス(日立市)

概要

茨城県日立市は2025年4月1日、市内に住む中学3年生までの子どもがいる世帯を対象に「ひたち小児オンライン医療サービス」を開始した。スマートフォンやパソコンにオンライン医療アプリ「LEBER(リーバー)」を入れることで、24時間365日いつでも医師にチャットで相談でき、夜間・休日には自宅にいながらビデオ通話で小児科のオンライン診療を受けて薬の処方まで完結できる。

特徴は二つある。一つは、チャット相談が無料、オンライン診療も日立市独自の医療費助成「小児マル福」によって診療費が後日全額還付されるため、利用者の実質負担がほぼ通信料のみに抑えられている点。もう一つは、子育て世帯の「夜間・休日に子どもが急に体調を崩したらどうするか」という不安への対応と、市内の小児救急を実質的に一手に担う日立総合病院の救命救急センターの負担緩和を、同じ仕組みで同時にねらっている点である。本サービスは、日立市と株式会社日立製作所が進める「次世代未来都市(スマートシティ)共創プロジェクト」の「デジタル健康・医療・介護の推進」テーマに位置づけられた施策の一つでもある。 (参考:「ひたち小児オンライン医療サービス」をご利用ください(日立市公式)

背景・課題

日立市は日立製作所の企業城下町として発展した工業都市だが、近年は人口減少と高齢化が進み、医療従事者の確保が地域の課題となっている。とりわけ小児医療では、市内で夜間・休日に小児救急を受け入れられる医療機関が実質的に日立総合病院に限られており、同院の救命救急センターに患者が集中しやすい構造があった。子どもの発熱や咳といった比較的軽い症状でも、夜間や休日には受診先の選択肢が少なく、結果として救急に軽症患者が流れ込みやすい。これは、一刻を争う重症患者への対応に支障をきたしかねないという、現場が抱える切実な懸念につながっていた。 (参考:医療とデジタルの掛け合わせで地域の健康を守る(日立 Digital Evolution Headline)

一方、子育て世帯の側にも別の困りごとがある。近所の小児科が夜間・休日は閉まっており、代わりの医療機関が車で30分かかるような距離にあれば、「翌朝まで様子を見るべきか、いま受診すべきか」の判断を親が一人で抱え込むことになる。小さな子どもを夜間に連れ出す身体的・心理的な負担も大きい。市内の小児救急が逼迫しているという供給側の課題と、受診の判断や移動に不安を抱える子育て世帯の課題は、いわば同じ問題の表と裏の関係にあった。日立市はこの双方を、デジタル技術を使って同時に解こうとした。 (参考:ひたち小児オンライン医療サービス体験談(第1回)(日立市公式)医療とデジタルの掛け合わせで地域の健康を守る(日立 Digital Evolution Headline)

この取り組みの土台には、2023年12月に日立市と日立製作所が締結した、デジタルを活用した次世代未来都市づくりに関する包括連携協定がある。両者は「グリーン産業都市の構築」「デジタル健康・医療・介護の推進」「公共交通のスマート化」を重点テーマとする共創プロジェクトを進めており、小児オンライン医療はその「健康・医療・介護」領域で最も早く市民の手元に届いた具体策の一つとなった。 (参考:日立市×HITACHI 次世代未来都市共創プロジェクト(日立市公式)

取り組みのプロセス

サービスの中核は、株式会社リーバー(つくば市)が提供するオンライン医療アプリ「LEBER」の活用である。利用したい世帯は、スマートフォンやパソコンに専用アプリをダウンロードし、子どもや同居家族の基本情報を登録する。体験談によれば、この初回登録から実際の診療開始までは15〜20分程度で完了したという。市の無料サービスとして提供されるため、利用者が個別に医師を選ぶ仕組みではなく、対応可能な医師が自動的に割り当てられる。

提供されるのは、性格の異なる二つの機能である。一つ目は24時間365日いつでも使えるチャット形式の「医療相談」で、症状の写真や動画を送ると、おおむね数分で医師から返信があり、対応の目安や受診すべき診療科のアドバイスが得られる。対象は中学3年生までの子どもとその同居家族で、1世帯あたり5人まで登録できる。二つ目は「オンライン診療」で、ビデオ通話による診察と薬の処方までを行う。対象は中学3年生までの子ども本人で、提供時間は平日・土曜が18〜22時、日曜・祝日が9〜13時と14〜22時と、まさに通常の医療機関が手薄になる夜間・休日に重ねて設定されている。 (参考:「ひたち小児オンライン医療サービス」をご利用ください(日立市公式)ひたち小児オンライン医療サービス体験談(第1回)(日立市公式)

費用面では、チャット相談は無料、オンライン診療は利用時にいったんクレジットカードで診療費を支払うが、日立市独自の医療費助成制度「小児マル福」によって後日全額が還付される。これにより、子育て世帯は費用を気にせず夜間・休日に医師へアクセスできる。市は公式サイトで利用者の体験談を継続的に発信し、どのような場面でどう使えるのかを具体的に伝えることで、登録と実利用の拡大を図っている。 (参考:「ひたち小児オンライン医療サービス」をご利用ください(日立市公式)

この事例の特徴

第一の特徴は、「子育て支援」と「救急医療の負担軽減」という、別々に語られがちな二つの目的を一つの仕組みで結びつけている点である。多くの自治体の子育て支援策は受益者である家庭の利便性向上に主眼を置くが、本サービスは夜間・休日の軽症患者がオンラインで解決することで、結果的に救命救急センターに重症対応の余力を残すという供給側の効果まで設計に織り込んでいる。家庭の不安解消と地域医療資源の最適配分が同じ施策で両立する構造になっている。 (参考:医療とデジタルの掛け合わせで地域の健康を守る(日立 Digital Evolution Headline)

第二の特徴は、利用のハードルを徹底的に下げている点である。チャット相談は無料、診療も小児マル福で実質無料、提供時間は医療機関が手薄になる夜間・休日に集中させ、相談から数分で医師が応答する。「お金がかかるかもしれない」「この程度で受診してよいのか」という、子育て世帯が受診をためらう典型的な要因を取り除く設計になっている。費用の壁と心理的な壁の双方を下げることで、軽症のうちに専門家へ相談する行動を後押ししている。 (参考:ひたち小児オンライン医療サービス体験談(第2回)(日立市公式)

第三の特徴は、自治体・大企業・専門事業者の三者が役割を分担している点である。日立市が制度設計と医療費助成(小児マル福)を担い、共創プロジェクトの枠組みを日立製作所と築き、実際のオンライン医療プラットフォームは医療アプリの専門事業者であるリーバーが提供する。自治体が遠隔医療システムを自前で構築するのではなく、既存の民間サービスを地域の助成制度と組み合わせて「実質無料化」する設計は、導入のスピードと運用負担の両面で現実的な選択といえる。 (参考:日立市×HITACHI 次世代未来都市共創プロジェクト(日立市公式)

調査時点の成果

利用の広がりとしては、2026年1月時点で約4,100人が登録し、これは対象となる年代層の約15%にあたると報告されている。サービス開始から1年弱で対象世帯の一定割合に浸透しており、休日や夜間の相談を中心に活用が進んでいる。また、日立総合病院側では、サービス開始後に夜間・休日の小児軽症患者が減少傾向にあるとされ、救命救急センターが重症患者対応に集中できる環境づくりに寄与しているとの認識が示されている。 (参考:医療とデジタルの掛け合わせで地域の健康を守る(日立 Digital Evolution Headline)

利用者の実感としては、体験談に具体的な場面が記録されている。日曜夕方に小学生の子の咳が悪化し、近所の小児科が閉まっていた家庭では、オンライン診療を受けて痰切りの薬を処方してもらい、夜間でも薬を処方してもらえる点を高く評価した。別の共働き家庭では、下の子に胃腸炎のような症状が出た際、眠っている子を起こさずチャットで医師に相談でき、症状の写真や動画を送ることで対面受診の要否を判断できた点に価値を見いだしている。健康なきょうだいを医療機関に連れて行かずに済み、感染リスクを避けられる点も利点として挙げられた。 (参考:ひたち小児オンライン医療サービス体験談(第1回)(日立市公式)ひたち小児オンライン医療サービス体験談(第2回)(日立市公式)

なお、こうしたオンライン診療の広がりは日立市単独の現象ではなく、地域的な潮流とも重なっている。関東・山梨地域でオンライン診療を実施する医療機関の増加率は茨城県が最も高く、2023年比で106%増(173カ所、2025年時点の集計)と報じられており、休日夜間の小児科を中心にオンライン診療が広がっている。日立市の取り組みは、この流れのなかで子育て世帯支援に焦点を当てた先行例として位置づけられる。一方で、夜間・休日の軽症患者数の変化などについて公表された定量データはまだ限られており、救急逼迫の緩和効果がどの程度に及ぶかの検証は、今後の継続的な観察を要する段階にある。 (参考:オンライン診療機関、茨城で増加率高く 子育て世帯をサポート(日本経済新聞)

他地域への示唆

第一の示唆は、子育て支援と救急医療の負担軽減を「一つの施策で両取りする」という発想である。小児救急の逼迫は、医師確保が難しい地方都市の多くが抱える共通課題だが、その解決を医療機関の体制強化だけに求めるのではなく、軽症段階で家庭が専門家に相談できる入口を整えることで救急への流入そのものを抑える、という回路を設計した点に再現性がある。受益者支援と地域資源の最適化を同じ仕組みに重ねる考え方は、医療に限らず応用の余地が広い。

第二の示唆は、民間サービスと自治体の助成制度を組み合わせて「実質無料」を作り出す手法である。本事例は遠隔医療システムを自前開発せず、既存の医療アプリを採用したうえで、自治体が持つ医療費助成制度を還付の仕組みとして接続することで利用者負担をほぼゼロにした。同種の医療費助成制度を持つ自治体であれば、システム開発の負担を負わずに比較的短期間で同様の枠組みを構築できる可能性がある。ゼロから仕組みを作るのではなく、既にある制度と民間サービスを「つなぐ」発想は、財政や人員に制約のある自治体にとって現実的な選択肢となる。

第三の示唆は、サービスの価値を抽象的な広報ではなく、具体的な利用シーンで伝えていることである。日立市は「日曜夕方の咳」「眠っている子を起こさずに相談」といった等身大のエピソードを体験談として継続発信している。新しい行政サービスは、制度を説明するだけでは利用行動に結びつきにくい。どんな場面で誰がどう使ったのかを見せることが、登録から実利用への転換を促すうえで有効だと考えられる。一方で、提携薬局の少なさや薬の受け取り・配送への要望も利用者から挙がっており、オンラインで診療が完結しても薬の受け取りで対面が必要になるという「最後の一歩」をどう埋めるかは、他地域が同様の仕組みを設計する際にもあらかじめ検討すべき論点といえる。 (参考:ひたち小児オンライン医療サービス体験談(第1回)(日立市公式)

参照元


2026年6月時点の調査内容に基づいて作成

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この記事は公開情報に基づき、AIを用いた詳細調査により作成されました。記事内容への修正依頼、お問合せ等は以下までお寄せください。

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