
神辺駅西口公園整備に向けた利活用実証実験
この記事は、my grooveを運営する株式会社Groove DesignsがAIを活用し独自に調査・作成したものです。
福山市神辺町の川南地区区画整理事業で、完成前の公園予定地やその周辺を使い、昼と夜で客層を変えた2回の利用実証実験を実施。住民参加の設計ワークショップや命名プロセスを経て2026年5月に「川南わくわく公園」として開園し、開園後は住民団体による自主的な活用も始まっている。
福山市神辺町の川南地区では、1975年度に始まった土地区画整理事業の一環として新しい公園の整備が進められてきた。完成を待たずに利用イメージを住民と共有するため、2025年3月には工事中の公園予定地で昼のマルシェ「神辺みんなの公園 にちようマルシェ」を、同年9月には夜の賑わいを想定した「神辺みんなの公園 きんよう夜市」を開催し、性格の異なる2つの実証実験を実施した。実証実験を経て2026年5月29日に公園が開園し、住民の意見を踏まえて「川南わくわく公園」と命名された。開園後は住民団体が自主的な活用イベントを始めており、計画段階から運用段階まで一貫して住民が関わる公園づくりのプロセスとなっている。(参考:福山市神辺の川南公園がオープン、福山市神辺の新公園名称は「川南わくわく公園」に)
川南地区は神辺駅の西側に位置し、正式には「備後圏都市計画事業川南土地区画整理事業」として1975年度に都市計画決定された、施行面積約10.6ヘクタールの区画整理事業である。計画から完成まで半世紀以上を要する長期事業で、2027年度の完了を目指し(換地処分は2029年予定)、道路・公園などの公共施設整備と宅地の造成が段階的に進められてきた。(参考:神辺町川南地区の区画整理大詰め、福山市神辺の川南地区、区画整理完了へ 計画から半世紀、川南地区まちづくりの状況)
事業は当初計画の見直しを経て2019年2月に「川南地区まちづくり新ビジョン」を策定し直し、区域内の土地利用を国道182号沿いの高度利用エリア、約3.8haの商業エリア(ショッピングモール計画地)、約5.3haの住宅エリアに区分するとともに、公園は新区域面積の3%相当を1箇所に集約整備する方針を定めた。(参考:川南地区まちづくり新ビジョン(2019年2月決定))
区画整理という長期の面整備事業では、公園や道路といった公共施設は事業の最終盤にならないと形が見えず、住民が「自分たちの公園」としてのイメージを持ちにくいという課題がある。神辺駅西側では2024年度に住民主体で将来像をまとめた「かんなべにぎわいビジョン2024」を策定し、2025年度からは継続的な話し合いの場「むすびの驛かんなべ会議」で具体的なアクションへの落とし込みを進めていた。整備中の公園を実際にどう使うかを住民自身が体感し、意見を出せる機会をつくることが、この文脈での課題だった。(参考:神辺駅周辺のにぎわい創出の取り組みについて)
1. 公園設計ワークショップ(2023年10月)
公園の具体的な設計に先立ち、2023年10月27日に地域自治会などから18人が参加する設計ワークショップを開催した。3グループに分かれ「どんな公園にしたいか」「公園をどう使いたいか」を議論し、それぞれがキャッチコピーを作成した。「中高生が過ごせる場所にしたい」「日陰があってのんびり過ごしたい」といった意見が出され、そこから抽出された「多様な過ごし方ができ、管理しやすく、みんなに優しい公園」という方針が、以降の設計・運営の基本方針となった。(参考:公園設計ワークショップを開催しました(川南土地区画整理事業))
2. 昼の利用シーンを試す「にちようマルシェ」(2025年3月)
2025年3月9日10時〜14時、工事中の公園予定地(神辺町川南672付近)で「神辺みんなの公園 にちようマルシェ」を開催した。飲食や体験を楽しめる複数のブースが設けられたほか、親子で椅子を手作りする企画や、公園の使い方を尋ねる意向調査も行われ、子育て世帯を中心とした昼間の公園利用イメージを具体的に検証した。(参考:公園の完成を先取りした実証実験、神辺みんなの公園にちようマルシェ)
3. 夜の利用シーンを試す「きんよう夜市」(2025年9月)
半年後の2025年9月26日17時30分〜21時には、JR神辺駅西側のサンシティ駐車場を会場に「神辺みんなの公園 きんよう夜市」を開催した。竹あかりランタンのワークショップなど大人が楽しめる内容を用意し、公共交通機関の利用促進も合わせて呼びかけた。昼のマルシェが子育て世帯を主な対象としたのに対し、夜市は大人の利用シーンを想定するなど、異なる客層・時間帯を意図的に使い分けて2回の実証実験を設計した点が特徴である。(参考:公園の完成を先取りした実証実験)
4. インフラ整備の完了と公園の開園(2026年3〜5月)
2026年3月27日には区画整理事業の骨格となる都市計画道路「神辺駅御幸線」(川南1号幹線)が開通した。同時期に公園の造成工事も大詰めを迎え、2026年5月29日に公園がオープンした。オープン時点では「川南公園(仮称)」と呼ばれていたが、5月28日に開かれた「むすびの驛かんなべ会議」に集まった住民や、維持管理を担う団体から寄せられた声を踏まえ、正式名称は「川南わくわく公園」に決定された。(参考:神辺町川南地区の区画整理大詰め、福山市神辺の川南公園がオープン、川南に新しい公園が完成しました、福山市神辺の新公園名称は「川南わくわく公園」に、「川南わくわく公園」が完成していました、「川南土地区画整理事業(仮称)川南公園整備工事」が行われていました)
5. 開園後の住民主体運営(2026年6月〜)
開園から間もない2026年6月14日には、住民団体「まちのたね かんなべ」が公園を拠点とした初のイベントを実施した。ごみ拾いをしたあと、コーヒーを片手に町内外の参加者同士が語り合う内容で、代表を務める住民は「住みたい、住んで良かったと思える地域になるよう、まちを耕したい」と活動の狙いを語っている。行政主導の実証実験から、住民主体の継続的な利用へと引き継がれた形である。(参考:福山市神辺の住民団体、「川南わくわく公園」整備を機に親睦の場づくり)
時間帯・客層を変えた2段階の実証実験
同一の公園整備事業に対して、昼(子育て世帯向け)と夜(大人向け)という異なる時間帯・客層を想定した2回の実証実験を、半年の間隔を空けて実施した点は本事例の特徴の一つである。単発のイベントで終わらせず、異なる利用シーンを段階的に検証することで、多世代が使う公園という設計方針の妥当性を実地で確かめる設計になっている。
「工事中の未完成地」を会場に使う先取り体験
完成後の公園ではなく、工事中の公園予定地や隣接するサンシティ駐車場など、暫定的な会場を活用してイベントを開催した点も特徴である。公園という公共施設は完成してからでないと使い勝手を確認できないのが通常だが、整備中の段階から「先取り体験」の場を設けることで、開園後に住民が違和感なく公園を使い始められる土壌をつくっている。
設計から命名、運営まで一貫した住民参加
2023年の設計ワークショップに始まり、2025年の2回の実証実験、2026年5月の開園時の名称決定、開園後の住民団体による自主イベントまで、複数年にわたり一貫して住民が関与するプロセスが設計されている。行政が一時的なイベントを実施して終わるのではなく、「むすびの驛かんなべ会議」という継続的な話し合いの場を並走させることで、公園という単体施設の整備を超えて地域運営の担い手づくりにつなげている点が特徴といえる。
公園の開園と当初想定通りの完成
区画整理事業の一部として計画されていた公園は、2026年5月29日に「川南わくわく公園」として開園した。開園初日には親子連れや小学生が新しい遊具でさっそく遊ぶ様子が伝えられており、事前の実証実験で検証した子育て世帯の需要が実際の利用にもつながっていることがうかがえる。(参考:福山市神辺の川南公園がオープン)
住民意見を反映した名称決定
公園の名称は行政による一方的な命名ではなく、「むすびの驛かんなべ会議」に参加した住民や維持管理団体の声を踏まえて「川南わくわく公園」に決定された。設計段階から利用イメージの検証、命名まで一貫して住民の声を取り入れるプロセスが機能したことが確認できる。(参考:川南に新しい公園が完成しました)
開園後の自主的な活用の広がり
開園から2週間ほどで、住民団体「まちのたね かんなべ」が公園を拠点としたごみ拾い・交流イベントを開始した。行政主導の実証実験が、開園後には住民主体の継続的な活動へと引き継がれている点は、実証実験の狙いであった「利活用イメージの共有」が実際の行動につながった成果として評価できる。(参考:福山市神辺の住民団体、「川南わくわく公園」整備を機に親睦の場づくり)
周辺インフラとの連動
公園の開園と前後して、幹線道路「神辺駅御幸線」の開通(2026年3月)、神辺駅西口広場の整備完了(2026年7月時点で確認)、西口を発着点とする北部循環バスの実証運行開始(2026年8月〜12月)が相次いでおり、公園単体ではなく駅周辺一帯の面的な整備・利活用が同時並行で進んでいることが確認できる。(参考:「神辺駅西口広場」で行われていた工事が完了していました、北部エリアを循環する路線バスの実証事業を実施します)
なお、実証実験の参加人数やアンケートの具体的な集計結果は、調査時点で確認できる公開資料には記載がなかった。
「時間帯・客層別」の実証実験設計は他の公園整備にも応用可能
昼と夜、子育て世帯と大人というように利用シーンを意図的に分けて複数回の実証実験を行う手法は、単一の属性・時間帯に偏った公園整備を避けるための検証法として、区画整理や公園再整備を進める他の自治体でも再現しやすい。1回のイベントで終わらせず、想定する利用者像ごとに会場・時間帯を変えて複数回実施する設計は、特定の地域資源や個人に依存せず横展開が可能である。
未完成の公共空間を「先取り体験」の場として使う発想
公園や広場などの公共施設整備では、完成発表まで住民が使い方を試す機会がないことが多い。工事中の予定地や隣接地を暫定的に使い、完成前から利用シーンを共有する手法は、長期にわたる区画整理事業やインフラ整備一般に応用できる。住民の期待値を事前に形成し、開園後の利用定着をスムーズにする効果が期待できる。
運営の担い手づくりを整備プロセスに組み込む
この事例が示唆に富むのは、公園という「モノ」の整備だけでなく、開園後にそれを使い続ける住民団体という「担い手」が、設計ワークショップや実証実験と並走する話し合いの場(むすびの驛かんなべ会議)から生まれた点である。ハード整備とソフトの担い手育成を別々に進めるのではなく、同じプロセスの中で並行して育てる設計は、公共施設整備が完了後に使われなくなるという他地域でしばしば見られる課題への一つの回答となりうる。
2026年9月時点の調査内容に基づいて作成
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