
杉並区総合計画・実行計画
東京都杉並区が令和4年から推進する総合計画。参加型予算制度や気候区民会議など区民参画を重視した計画体系により、「みどり豊かな住まいのみやこ」の実現を目指す
杉並区は令和3年10月に策定した基本構想「みどり豊かな 住まいのみやこ」を実現するため、令和4年1月に総合計画を策定し、同年4月から推進を開始した。計画は9年間(令和4〜12年度)を対象とし、8つの分野で29の施策を展開する。令和6年1月には社会経済環境の変化に対応するため、予定を1年前倒しして実行計画第2次を策定。総合計画、実行計画、区政経営改革推進計画、協働推進計画、デジタル化推進計画、区立施設マネジメント計画の6計画が相互に連携しながら区政全体を推進する体系を構築している。 (参考:杉並区総合計画、杉並区基本構想)
杉並区は東京23区で7番目の人口規模を持ち、約57万人が暮らす住宅都市である。急速な社会経済環境の変化のなか、従来の行政主導型の計画では区民ニーズへの迅速な対応が困難になっていた。
令和4年7月に就任した岸本聡子区長は、選挙公約「さとこビジョン」に基づき、区民との対話や参加を重視した区政運営への転換を掲げた。情報公開の徹底、区民参加型の政策形成、気候変動への対応強化など、従来の行政計画の枠組みを超えた取り組みが求められた。 (参考:区長プロフィール、「さとこビジョン」の実現に向けた取り組み)
また、当初は実行計画を3年ごとに定期改定する予定であったが、変化への機動的な対応と区長公約の実現を加速させるため、予定を1年前倒しして令和6年1月に第2次計画を策定した。計画は必要に応じて毎年度修正する運用を採用している。 (参考:実行計画(第2次))
令和3年10月に策定された基本構想は、互いを認め支え合う社会、つながりで築く安全・安心なまち、次世代への継承という3つの基本理念を掲げる。この構想を実現するため、令和4年1月に6つの計画を統合的に策定した。
計画は8つの分野(防災・防犯、まちづくり・地域産業、環境・みどり、健康・医療、福祉・地域共生、子ども、学び、文化・スポーツ)に29の施策を配置し、「区政経営改革」「協働」「デジタル化」の3つの推進を横断的な方針として位置づけている。 (参考:杉並区基本構想)
令和5年度から「皆さんとつくる予算」と名付けた参加型予算制度を都内市区町村で初めて導入した。住民が予算の使い道を提案し、投票によって実施事業を決定する仕組みである。
初年度は防災・減災をテーマに森林環境譲与税基金を財源として実施し、区民から57件の提案を受け付けた。令和5年10月の投票では6,991票が投じられ、上位3事業が採択された。区内6か所の公園に木製ベンチ15基、(仮称)下高井戸四丁目第二公園(現・下高井戸みんなの公園)には木製遊具3基と木製ベンチ3基が設置された。 (参考:参加型予算制度、令和6年度投票結果)
2年目の令和6年度実施では、提案数は83件に増加し、投票期間も延長された結果、投票数は8,749票、投票者数は3,322人に達した。採択された3事業には井草森公園へのソーラー園灯設置、駅前広場へのソーラー街路灯設置、桃井原っぱ公園でのグリーンインフラを活用した水害対策ワークショップが含まれる。 (参考:令和7年度投票結果)
令和3年11月の「2050年ゼロカーボンシティ」宣言を受け、令和6年3月から8月にかけて全6回の気候区民会議を開催した。16歳から70代までの区民77人が無作為抽出で選ばれ参加し、専門家の説明を聞きながら気候変動対策について話し合った。
会議では「ゼロカーボンシティ杉並の実現に向けた意見提案」として33項目が取りまとめられ、区に提出された。令和7年3月にはシンポジウムを開催し、提案に対する区の対応方針として緑化促進策などが示された。 (参考:杉並区気候区民会議の概要、ゼロカーボンシティ宣言)
令和5年10月から区立小中学校の給食費無償化を開始し、約2万9,500人が対象となった。令和6年4月からは国立・私立等に通う児童生徒約6,500人にも対象を拡大し、区内全小中学生約3万6千人の給食費が実質無償化された。国立・私立等に通う児童生徒には、月額6,000円(8月を除く11カ月分)が給付金として支給される。 (参考:学校給食費無償化)
当初3年ごとの改定予定を1年前倒しで実施し、さらに毎年度必要に応じて修正を行う運用は、従来の硬直的な行政計画とは異なるアプローチである。令和7年1月にも子ども居場所づくり基本方針の新規策定など新たな政策課題に対応するための修正が実施されている。 (参考:実行計画(第2次))
参加型予算、気候区民会議、基本構想審議会への区民代表参加、7地域での対話型説明会、パブリックコメント、「ちょこっトーク」と呼ばれる少人数対話の場など、区民が政策形成に関与できる多様な機会を整備している。単なる意見聴取ではなく、具体的な予算配分権限を住民に委ねた点が画期的である。 (参考:「さとこビジョン」の実現に向けた取り組み)
令和6年5月に熊本県立大学「流域治水を核とした復興を起点とする持続社会」地域共創拠点と連携協定を締結した。島谷幸宏特別教授は善福寺川流域でグリーンインフラの研究を実施しており、熊本県球磨川流域での知見を都市部に応用する取り組みが進められている。 (参考:グリーンインフラ連携協定)
令和2年8月に施行した杉並区公契約条例に基づき、区との契約事業に従事する労働者の労働報酬下限額を毎年設定している。令和6年度の下限額は時給1,231円で、前年度の1,138円から8.17%の引き上げとなった。図書館やスポーツ施設など39の指定管理施設が対象となり、非正規労働者の処遇改善につながっている。 (参考:杉並区公契約条例)
参加型予算は初年度6,991票から2年目8,749票へと投票数が増加し、提案数も57件から83件に拡大した。投票結果が確実に予算に反映され、公園にかまどベンチやソーラー園灯が設置されるという「見える成果」が、制度への信頼と参加意欲の向上につながっている。
「全国自治体DX推進度ランキング2023」において、杉並区は全国約1,800の基礎自治体中10位を獲得した。総務省「地方公共団体における行政情報化の推進状況調査」を基に、DXの推進体制、行政サービスの向上、情報セキュリティ対策、デジタルデバイド対策、マイナンバーカードの交付状況の5つの観点から評価されたものである。 (参考:全国自治体DX推進度ランキング)
区内5大学(明治大学、東京女子大学、女子美術大学、高千穂大学、東京立正短期大学)と平成31年4月に包括連携協定を締結し、生涯学習支援や地域活性化に取り組んでいる。「すぎ・キャン!」という情報誌の発行や、社会教育実習の受け入れなどの事業を展開している。 (参考:大学連携)
参加型予算制度は、森林環境譲与税基金という既存の財源を活用し、年齢制限を設けずインターネットまたは郵送で投票できる開かれた設計とした。テーマを防災・減災に絞ることで提案の焦点を明確にしつつ、採択された事業が実際に形になる「見える化」を重視している。投票結果を確実に予算に反映させる仕組みが、参加者の信頼確保に寄与している。
3年ごとの定期改定に加え、必要に応じて毎年度修正を行う運用は、急速に変化する社会環境に対応する一つのモデルとなりうる。「計画は守るもの」から「計画は現実に合わせて進化させるもの」への発想転換が、硬直化しがちな行政計画に新たな可能性を示している。
地理的に離れた熊本県立大学との連携は、専門知識が地域を超えて共有できることを示す。流域治水やグリーンインフラの知見を持つ研究者と連携することで、自治体単独では実現困難な専門性を補完している。
無作為抽出により年齢・性別・居住エリアが区全体の縮図となるよう参加者を選出し、有識者からの情報提供と参加者同士の議論を組み合わせる手法は、住民の当事者意識を高めながら具体的な提案を引き出すモデルとなっている。
2026年3月時点の調査内容に基づいて作成
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