
西南まちづくりラボ×姪浜商店街 M'sコミュニティ
福岡市西区の姪浜商店街で、西南学院大学の学生有志団体「西南まちづくりラボ」が商店会連合会・女将さんの会と共同運営する交流拠点M'sコミュニティ。空き店舗を活用した定例カフェや講座を通じ、学生と地域住民が日常的に交流する大学発の地域連携拠点。
福岡市西区の姪浜商店街(旧唐津街道沿い)で、西南学院大学経済学部の学生有志団体「西南まちづくりラボ」が空き店舗を活用し、交流拠点「M'sコミュニティ」を運営している。運営は西南まちづくりラボ、姪浜商店会連合会、商店街の女将さんでつくる「あこめっこ」の三者共同体制で行われ、毎週の定例カフェや多彩な講座、レンタルスペース提供を通じて、学生と地域住民が日常的に顔を合わせる場をつくっている。2019年の開設から現在まで運営が継続し、2022年度には大学の正規科目にも位置づけられるなど、大学と商店街が長期的に協働する地域連携モデルとして注目される。
福岡市西区の姪浜商店街は、旧唐津街道沿いに広がる歴史ある商店街である。近年は空き店舗の増加によってかつての賑わいが薄れており、商店街の女将さんたちでつくる「あこめっこ」を中心に、旧街道の活気を取り戻すための交流拠点整備が模索されていた。 (参考:M'sコミュニティとは - 姪浜商店街 あこめっこ)
こうした課題に対し、西南学院大学経済学部小出秀雄ゼミの学生たちが中心となり、2019年4月、「歩いて通える範囲での地域連携」を活動方針に掲げる団体「西南まちづくりラボ」として発足した。同時期には姪浜商店街の空き店舗を改装し、学生と地域が日常的に顔を合わせる交流拠点「M'sコミュニティ」の運営が始まっている。 (参考:福岡市 西南まちづくりラボ|ふくおか共創パートナー企業、姪浜の地域交流拠点「M'sコミュニティ」 - SAMURAI SQUARE)
1. 空き店舗を活用した交流拠点「M'sコミュニティ」の開設(2019年)
2019年2月時点で、姪浜商店街の空き店舗を活用した地域交流拠点として地域メディアに取り上げられており、同年4月には運営の中核を担う学生有志団体「西南まちづくりラボ」が西南学院大学経済学部小出秀雄ゼミを中心に正式発足した。運営体制は、学生団体である西南まちづくりラボ、姪浜商店会連合会、商店街の女将さんでつくる「あこめっこ」の三者共同運営という形をとっている。
(参考:福岡市 西南まちづくりラボ|ふくおか共創パートナー企業、M'sコミュニティとは - 姪浜商店街 あこめっこ、姪浜の地域交流拠点「M'sコミュニティ」 - SAMURAI SQUARE)
2. 定例カフェと多彩な講座による日常的な接点づくり
M'sコミュニティ(福岡市西区姪の浜)では、毎週火曜10時〜15時に「おしゃべりカフェ」(参加費300円、軽食(サンドイッチ・コーヒー等)を提供)、毎週金曜19時〜21時に「おしゃべり夜カフェ」(参加費2,000円)を定例開催している。加えて、オーラ写真、絵手紙教室、骨盤底筋講座、リラックスヨガ、手芸教室、料理教室など300円〜1,700円程度の各種講座を随時実施し、日中は1時間500円でレンタルスペースとしても開放している。
(参考:M'sコミュニティとは - 姪浜商店街 あこめっこ、お得情報 – 姪浜商店会連合会、M'sコミュニティ - めいのはまSTAY.com)
3. 活動拠点の拡大と大学間ネットワークの形成(2021〜2022年度)
2021年2月には、オンラインで「全国まちづくりカレッジ2021 in 福岡」を開催し、2日間の日程で11の大学・18団体からのべ134名が参加した。新型コロナウイルス感染拡大により地域イベントの中止が相次いだ時期にも、各チームは密を避けた少人数での活動を継続している。2022年度時点では、活動拠点はM'sコミュニティ・姪浜公民館(西区)、西新公民館(早良区)、西南学院大学キャンパスの3拠点に広がり、3つのチームがそれぞれの地域で活動する体制になっている。
(参考:福岡市 西南まちづくりラボ|ふくおか共創パートナー企業)
4. 大学の正規科目としての制度化(2022年度〜)
2022年度からは、これまでの地域連携活動を土台とした「まちづくり・ひとづくり実習」が西南学院大学の正規科目として開講されるようになった。ゼミ単位・サークル単位の課外活動から、大学のカリキュラムに位置づけられた教育プログラムへと発展している。
(参考:福岡市 西南まちづくりラボ|ふくおか共創パートナー企業)
1. 商店街側の担い手を含む三者共同運営体制
M'sコミュニティは大学側からの一方的な地域貢献活動ではなく、姪浜商店会連合会と「あこめっこ」という商店街側の恒常的な担い手が運営主体に加わる三者共同体制をとっている。学生は毎年入れ替わるが、商店街側の主体が運営の連続性を支える構造になっており、学生任せ・属人化しがちな大学発の地域連携が抱えやすい継続性の課題に対する一つの対応策となっている。
(参考:福岡市 西南まちづくりラボ|ふくおか共創パートナー企業、M'sコミュニティとは - 姪浜商店街 あこめっこ)
2. 交流機能と商業振興機能を一体化した拠点運営
M'sコミュニティは、おしゃべりカフェや講座による住民交流の場である一方、時間貸しのレンタルスペースとしても機能し、「めいのはまプレミアム商品券」の販売会場など商店街の商業振興施策の実施拠点にもなっている。福祉的な居場所機能と商業振興機能を一つの空間に持たせている点は、単一目的の交流サロンにとどまらない拠点運営のあり方を示している。
(参考:めいのはまプレミアム商品券 販売会案内 - めいのはまSTAY.com)
3. 教育課程への正規化による活動の制度的な位置づけ
2022年度の「まちづくり・ひとづくり実習」正規科目化により、地域連携活動は担当教員の異動やゼミの熱意に左右されにくい、大学教育の一部として位置づけられた。ボランティア・サークル活動としての大学地域連携が多い中、正課授業として単位認定される仕組みまで発展させている点は特徴的である。
(参考:福岡市 西南まちづくりラボ|ふくおか共創パートナー企業)
4. 単一大学に閉じない広がり
活動は西南学院大学の学生有志団体が中核を担いながらも、「全国まちづくりカレッジ」のような全国規模の大学間交流イベントを主催し、他大学の学生の参加も生んでいる。単一大学・単一ゼミの内向きな活動にとどまらず、大学間ネットワークの形成に発展している。
(参考:福岡市 西南まちづくりラボ|ふくおか共創パートナー企業)
拠点の継続運営
M'sコミュニティは2019年の開設から現在まで運営が継続しており、2024年11月には「めいのはまプレミアム商品券」の販売会場として使用されるなど、商店街の商業振興イベントの実施拠点としても機能している。
(参考:めいのはまプレミアム商品券 販売会案内 - めいのはまSTAY.com)
大学間交流イベントの実績
2021年2月開催の「全国まちづくりカレッジ2021 in 福岡」では、2日間の日程で11の大学・18団体からのべ134名が参加した。単一大学の学生活動にとどまらず、全国の大学関係者を巻き込む交流イベントを運営できる規模にまで活動が発展したことを示す実績である。
(参考:福岡市 西南まちづくりラボ|ふくおか共創パートナー企業)
活動拠点の拡大
発足当初は姪浜商店街の1拠点での活動だったが、2022年度時点では西区(M'sコミュニティ・姪浜公民館)、早良区(西新公民館)、西南学院大学キャンパスの3拠点・3チーム体制に拡大している。
(参考:福岡市 西南まちづくりラボ|ふくおか共創パートナー企業)
教育プログラムとしての制度化
2022年度から「まちづくり・ひとづくり実習」が正規科目として開講され、地域連携活動が課外活動から大学の教育課程の一部へと位置づけられた。
(参考:福岡市 西南まちづくりラボ|ふくおか共創パートナー企業)
1. 学生の代替わりに耐える運営の複線化
学生団体は毎年メンバーが入れ替わるため、学生個人の熱意のみに依存した運営は数年で形骸化しやすい。姪浜の事例では、商店会連合会と女将さんの会という地域側の恒常的な担い手が運営主体に加わることで、学生の入れ替わりを吸収する仕組みができている。他地域で大学発の地域拠点を立ち上げる場合も、地域側に運営の一部を担う恒常的な主体を明確に位置づけることが持続可能性を左右する。
(参考:福岡市 西南まちづくりラボ|ふくおか共創パートナー企業、M'sコミュニティとは - 姪浜商店街 あこめっこ)
2. 大学カリキュラムへの組み込みによる継続性の確保
課外活動やゼミ単位の取り組みは、担当教員の異動や熱意の変化によって継続が左右されやすい。姪浜の事例が2022年度に正規科目化した経緯は、地域連携活動を大学の教育課程に位置づけることで、属人性を減らし制度として継続させる一つのモデルを示している。他地域の大学・自治体・商店街が連携する際も、活動を単発の課外プロジェクトで終わらせず、正課授業や単位認定の仕組みへ発展させられないか検討する価値がある。
(参考:福岡市 西南まちづくりラボ|ふくおか共創パートナー企業)
3. 交流拠点に複数の機能を持たせ、存続基盤を分散させる
M'sコミュニティは住民交流の場であると同時に、レンタルスペースや商店街の商品券販売会場としても活用されている。交流拠点の機能をサロン機能のみに限定すると、担い手や資金の負担が特定の主体に偏りやすい。交流・福祉・商業振興など複数の用途・受益者を持たせることで拠点の存続基盤を分散させるという設計思想は、他地域の空き店舗活用型拠点にも応用できる。
(参考:めいのはまプレミアム商品券 販売会案内 - めいのはまSTAY.com)
4. 大学単独ではなく大学間ネットワークとして活動を広げる
姪浜の事例は、単一大学・単一ゼミの活動にとどまらず「全国まちづくりカレッジ」のような大学間交流イベントを主催することで、他大学の学生との接点を広げている。地域連携活動を一つの大学・団体だけで完結させず、同様の活動に取り組む他地域・他大学との情報交換の場を積極的に設けることは、単独では得にくい知見の蓄積やモチベーションの維持につながる。
(参考:福岡市 西南まちづくりラボ|ふくおか共創パートナー企業)
2026年8月時点の調査内容に基づいて作成
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