
つくばスーパーサイエンスシティ構想2.0/スーパーシティ型国家戦略特区
つくば市が2022年にスーパーシティ型国家戦略特区の指定を受け、産学官の協議会と都市OSを土台に、大胆な規制改革とともに先端技術を社会実装する大学・国研連携型の都市構想。2025年には「実証から実装へ」とフェーズアップした構想2.0を掲げる一方、看板事業だったインターネット投票が国の制度の壁で足踏みするなど、社会実装の難しさも浮き彫りにした事例。
つくばスーパーサイエンスシティ構想は、つくば市が「スーパーシティ型国家戦略特別区域(スーパーシティ特区)」の枠組みを使い、大胆な規制改革と先端技術の社会実装を一体で進めようとする都市構想である。2022年4月12日、市は大阪府・大阪市とともに全国で2地域のみのスーパーシティ特区に指定された。市長を本部長とする「つくば市スマートシティ推進本部」と、産学官の連携組織「つくばスマートシティ協議会」を推進エンジンとし、約150の研究機関と約2万3千人の研究従事者が集積する筑波研究学園都市という資源を生かして、自らを「大学・国研連携型スーパーシティ」と位置づける点に特色がある。掲げる理念は「科学で新たな選択肢を、人々に多様な幸せを」。SDGsの「誰一人取り残さない」精神のもと、行政・移動・物流・医療・防災・インフラといった分野で、住民参加を基盤に先端サービスを実装することを目指している。 (参考:つくばスーパーサイエンスシティ構想 - つくば市、スーパーシティ・デジタル田園健康特区について - 内閣府)
2025年、市は構想を「構想2.0」へとアップデートした。注目すべきは、これがまったく新しいビジョンの提示ではなく、取り組みの成熟段階を「実証中心」から「実装重点化」へと切り替える宣言だった点である。特区指定から約3年で社会実装に至るサービスが現れ始めた一方、看板事業と位置づけたインターネット投票は国の制度の壁に阻まれ、実証はうまくいくのに日常利用への移行でつまずく構造的な難しさも露わになった。本事例は、研究都市という稀有な素地を持つ都市が、規制改革を伴う先端技術の社会実装にどこまで踏み込めるのか、その到達点と限界の両面を示す事例である。 (参考:つくばスーパーサイエンスシティ構想2.0(自治体・公共Week2025)- 内閣府、つくば市選管「実施見送り」を最終決定 - NEWSつくば)
つくば市は、国策として計画的に整備された筑波研究学園都市を擁する。市の資料によれば、市内には約150の研究機関、約2万3千人の研究従事者、約8千5百人の博士号取得者が集積し、外国人住民は約1万4千人、大学生は約1万8千人を数える。人口は約26万人で、近年は全国の市部でも高い増加率を保つ。産業技術総合研究所(AIST)、物質・材料研究機構(NIMS)、高エネルギー加速器研究機構(KEK)、農研機構、国立環境研究所、そして筑波大学といった国の研究機関・大学が一つの都市に集まる構造は、国内では他に例がない。 (参考:つくばスーパーサイエンスシティ構想2.0 - 内閣府、筑波研究学園都市の概要 - 筑波研究学園都市交流協議会)
この素地は強みであると同時に、長年の課題でもあった。研究機関で生み出される先端的な技術や知見が、研究の現場にとどまり、市民の日常生活や地域課題の解決に十分つながってこなかったという問題意識である。つくば市は「モビリティロボット実験特区」など、以前から大学・研究機関と連携した実証フィールドの実績を積んできたが、実証実験は成功しても、法令・制度や事業採算の壁に阻まれ、市民が普段使いできる「社会実装」まで進めることに大きな困難を感じていたと自ら述べている。技術の社会実装を阻むものの正体が、技術そのものではなく制度や仕組みの側にあるという認識が、規制改革とセットで進める特区への挑戦につながった。 (参考:つくばスーパーサイエンスシティ構想2.0 - 内閣府)
加えて、研究都市ならではの地域課題もあった。市域は研究学園都市の中心市街地と周辺の郊外・農村部に分かれ、自家用車に頼らざるを得ない移動の不便さや、都市と郊外の二極化が懸念されてきた。外国人住民の多さは多文化共生の課題を伴い、超高齢社会のなかで健康な自立をどう支えるかという論点も共通する。スーパーシティ構想は、こうした「移動の自由と健康な自立」「人生の各段階を支える行政サービスと多文化共生」「安全で持続可能な都市空間」という三つの目標に、先端技術と規制改革で応えようとする試みとして組み立てられた。 (参考:つくば市提案書概要 - つくば市)
推進の母体づくりは特区制度の本格運用に先行した。市は2019年6月、茨城県とともに産学官連携の任意団体「つくばスマートシティ協議会」を設立し、大井川和彦県知事と五十嵐立青市長を共同会長とする体制を整えた。協議会には筑波大学や産総研、JAXA筑波宇宙センター、防災科学技術研究所、農研機構などの研究機関に加え、民間企業や経済団体が参加し、ピーク時で70機関を超える規模に育っていった。先端技術の社会実装には、行政・研究機関・企業がデータと知見を持ち寄る常設の協議の場が不可欠だという発想が、この組織設計の出発点にある。 (参考:つくばスマートシティ協議会 - つくば市、つくば市提案書概要 - つくば市)
国のスーパーシティ特区への応募は平坦ではなかった。市は2021年4月に内閣府へ構想を提案したが、同年夏、政府は全国の応募自治体に対し「大胆な規制改革の提案が乏しい」として再提案を求めた。当初31の提案のうち28自治体が再提案に応じ、つくば市もこれに加わった。再提案の過程では、現行法でも実施可能と指摘された一部の事業を取り下げ、外国人起業家の活動支援や国立大学の土地貸付特例などを新たに盛り込むなど、構想の練り直しが行われた。指定の時期は当初想定から後ろ倒しになったが、この再提案要請が、規制改革を構想の中心に据え直す契機にもなった。 (参考:つくば市、スーパーシティ特区に指定へ 内閣府専門調査会が原案了承 - NEWSつくば、4地区対象、社会実装に16事業 つくば市がスーパーシティ基本方針案 - NEWSつくば)
指定は段階を踏んで決まった。2022年3月4日、内閣府の専門調査会がつくば市と大阪府・大阪市の構想を了承。3月10日の国家戦略特区諮問会議で指定が決定し、4月12日の政令改正で正式にスーパーシティ型国家戦略特別区域となった。スーパーシティとして指定されたのは全国でつくば市と大阪府・大阪市の2地域のみ(別枠の「デジタル田園健康特区」として石川県加賀市・長野県茅野市・岡山県吉備中央町の3地域が同時に指定)。同じスーパーシティでも、大阪が万博を見据えた都市型の健康・医療サービスに重心を置いたのに対し、つくばは研究成果の社会実装を軸とする大学・国研連携型として方向性を分けた。 (参考:第3回 区域指定に関する専門調査会 - 内閣府、諮問会議でつくば市をスーパーシティとして指定することが決定 - つくば市、茨城・つくば市、スーパーシティに正式決定 - 日本経済新聞)
指定後、市は市長を本部長とする全庁横断の「スマートシティ推進本部」を意思決定機関に据え、構想全体の技術的な舵取り役(アーキテクト)に筑波大学の鈴木健嗣教授を充てた。市長による政策決定、アーキテクトによる技術統括、協議会による産学官連携という三者が役割を分担する体制である。2024年4月には、それまで任意団体だったつくばスマートシティ協議会を「一般社団法人つくばスマートシティ協議会」へと法人化し、データ連携基盤の運営などを継続的に担える主体へと組織を強化した。 (参考:つくばスマートシティ協議会 - つくば市、つくば市スーパーシティ型国家戦略特別区域会議 - 内閣府)
技術面の土台が、分野をまたいでデータをやり取りする「データ連携基盤(都市OS)」である。行政データ・民間データ・センシングデータ・パーソナルデータを扱い、データの仲介機能や、個人認証・同意制御・ID連携を担うトラストサービスを備える設計とされた。市民が各種サービスを使う際の共通的な認証は、マイナンバーカードの公的個人認証を基盤とする仕組みで設計されている。一方で、市は当初の基盤ではオープンデータを中心に扱い、医療・健康情報のような機微な個人情報は別の基盤で慎重に分離して取り扱う方針をとった。技術的に「つなげられる」ことと、住民が安心して「つないでよい」と思えることは別だという認識から、市は全22項目・64問でリスクを4段階評価するプライバシー影響評価(PIA)制度なども整えている。 (参考:スーパーシティ・デジタル田園健康特区について(特区WG提出資料)- 内閣府)
構想は、このデータ連携基盤の上に、複数分野の先端サービス群を載せる構造で描かれた。市の公式整理では、移動・物流、行政、医療、防災・インフラ・防犯、デジタルツイン・まちづくり、そして産学官の共創を促す「オープンハブ」という分野立てになっている。それぞれに「つくばモビリティ」「つくばトラスト(行政)」「つくばヘルスケア」「つくばレジリエンス(防災・インフラ)」といった名称が与えられ、自動運転やオンデマンド交通、行政手続のデジタル化、健康データの連携、デジタルツインを使ったインフラ管理などが束ねられている。 (参考:スーパーシティの取り組み - つくば市、つくば市提案書概要 - つくば市)
指定後の数年間は、各分野で実証が積み重ねられた時期である。移動分野では、AIが配車を最適化するオンデマンド乗合タクシーや、筑波大学循環ルートでの自動運転バス、パーソナルモビリティのシェアリング、医療・こどもの送迎を支えるMaaSなどが順次試された。物流分野では、2023年に内閣府の実証として、ドローンと自動配送ロボットを連携させ、地域スーパーの商品や検体を住宅地へ届ける配送が行われ、ドローンの飛行経路(「空の道」)をXRで可視化する取り組みも実施された。これら個々のサービスは、自動運転バス・MaaS・デジタルツイン(PLATEAU)など、それぞれが独立した取り組みとしても展開している。 (参考:つくば市でレベル4飛行を想定したドローン・ロボット配送 - KDDI、スーパーシティの取り組み - つくば市)
行政分野で構想の象徴とされたのが、インターネット投票である。市は2019年からマイナンバーカードとブロックチェーンを組み合わせた実証を重ね、2024年11月には市長の行政運営を問う模擬投票を実施した(投票総数1,048人)。続く2025年2〜3月には、スーパーシティで「最も実現してほしいサービス」を選ぶネット投票を行い、合計1,418票を集めた。行政分野では、このインターネット投票そのものが「最も実現してほしいサービス」の1位(282票、約50%)に挙がるなど、市民の関心の高さも確認された。これらの市民参加型の投票実証は、それ自体が独立した取り組みとしても展開されている。 (参考:スーパーシティ・デジタル田園健康特区について - 内閣府、「次の市長選、市議選は必ずインターネット投票を」- NEWSつくば)
特区の本来の狙いである規制改革でも、実証を制度改正につなげた成果が出始めた。投票所以外の場所で投票できる「移動期日前投票所」に関する柔軟な告示の取り扱いは2023年9月に全国措置化され、小児のオンライン診療を評価する診療報酬上の施設基準(時間外対応加算2)は2024年4月に全国措置化された。後者は、2024年度の「つくば休日夜間小児デジタル急患センター」として市内で実装されている。一つの自治体の実証が、全国共通の制度を動かす起点になり得ることを示した点で、これらは特区の成果として位置づけられる。 (参考:スーパーシティ・デジタル田園健康特区について - 内閣府、つくばスーパーサイエンスシティ構想2.0 - 内閣府)
2025年、市は構想を「2.0」へと更新した。2025年5月に国の特区ワーキンググループへ提出した資料と、同年7月の「自治体・公共Week2025」で公表したプレゼン資料で、その内容が示されている。ここで強調されたのは、新しい理念ではなく取り組みの「ステージのフェーズアップ」だった。市は構想の成長段階を、課題解決に向けて多様な実証を重ねる「シード・アーリーステージ(2022年〜)」、先行事業を実装し新たな実証を連鎖させる「ミドルステージ(2025年〜)」、まちの未来像を世界に示す「レイターステージ(2028年〜)」と整理し、構想2.0はこのうち実証から実装へと軸足を移す「ミドルステージ」への移行を意味するとした。キャッチコピー「科学で新たな選択肢を、人々に多様な幸せを」は初代から変わっていない。 (参考:つくばスーパーサイエンスシティ構想2.0 - 内閣府)
構想2.0では、行政サービス、モビリティ、医療・福祉介護、インフラ・都市デザインの4分野を重点に据え、抽象的な目標値ではなく年度ごとのロードマップで実装時期を区切った。行政手続のデジタル化は2025年度末の新システム運用開始を、スマートモビリティ(MaaS)は2027年度の事業開始を、自動運転バスは2027年度までのレベル4定常運行をそれぞれ目標に掲げる。AIオンデマンドタクシーは実証を経て「つくタク」として2025年度から市内全域で実装され、多言語ポータルアプリ「つくスマ」も実装済みのサービスとして整理された。実証の成果を選別し、実装に進めるものとなお検討を要するものを仕分けながら前進させる段階に入ったことが、ロードマップから読み取れる。 (参考:つくばスーパーサイエンスシティ構想2.0 - 内閣府、スーパーシティ・デジタル田園健康特区について - 内閣府)
構想2.0でもう一つ明示されたのが、住民の声を継続的に政策へ取り込む仕組みである。市の資料では、生成AIを活用したデータ分析基盤と並んで「住民の意見集約プラットフォーム」が、継続的に住民意向を把握・活用する手段として位置づけられた。インターネット投票の実証で市民の優先順位を可視化してきた延長線上に、住民参加を一過性のイベントではなく常時稼働する仕組みへと組み込もうとする方向性がうかがえる。 (参考:スーパーシティ・デジタル田園健康特区について - 内閣府)
第一の特徴は、規制改革を構想の中心に据えた点である。多くのスマートシティが先端技術の導入や実証に主眼を置くのに対し、つくばは「技術はあるのに社会実装できない」障壁の正体を制度の側に見定め、特区という規制を動かす仕組みを取りに行った。インターネット投票(公職選挙法)、搬送ロボットやパーソナルモビリティの歩行者扱い・速度上限の設定(道路交通法など)、自動運転の運転免許要件、健康データの利活用(個人情報・番号法関連)など、求めた特例措置はいずれも個別の法令に踏み込むものだった。実際に移動期日前投票所の告示や小児オンライン診療の診療報酬が全国措置化されたことは、自治体の実証が国の制度を動かし得ることを実証した成果といえる。 (参考:スーパーシティ・デジタル田園健康特区について - 内閣府、つくば市提案書概要 - つくば市)
第二に、約150の研究機関と約2万3千人の研究従事者という、他都市が容易に真似できない資源を「大学・国研連携型」として構想の核に据えた点である。アーキテクトに筑波大学教授、分野ごとの統括に産総研などの研究者を配し、研究機関の成果を実証フィールド(市域)で社会実装するエコシステムを描いた。これは強力な独自性である反面、後述するように、この素地があってもなお社会実装には別の壁が立ちはだかることを示してもいる。 (参考:つくばスーパーサイエンスシティ構想 - つくば市、筑波研究学園都市の概要 - 筑波研究学園都市交流協議会)
第三に、構想2.0で「ビジョンの刷新」ではなく「ステージのフェーズアップ」を打ち出した点である。多くの自治体構想が改訂のたびに新しい理念やキャッチコピーを掲げがちななかで、つくばは理念を据え置いたまま、シード・アーリー→ミドル→レイターという成熟段階の言葉で「いまどこにいて、次に何をするか」を整理した。実証の数を競う段階から、実装に進めるものを選別する段階へと自らを位置づけ直す枠組みは、長期にわたる取り組みの現在地を関係者と共有する手法として注目に値する。 (参考:つくばスーパーサイエンスシティ構想2.0 - 内閣府)
一方で、最大の論点は「実証はうまくいくが社会実装に至らない」壁の存在であり、それを最も象徴するのが看板事業のインターネット投票だった。五十嵐市長は2021年の段階で「次の市長選・市議選では必ずネット投票を導入したい」と表明していたが、公職選挙法を所管する総務省は選挙の公正確保の観点から特例を認めなかった。市はネット投票実現までの前段として「オンデマンド型移動期日前投票所」の導入を模索したが、市選挙管理委員会は2024年9月、選挙事務の正確性確保などを理由にこれを全会一致で見送ると最終決定し、市長と選管が対立する形となった。直前の実証では約3千人を対象に参加者は35人にとどまる一方、その参加者の9割超が本番での利用を望んでいたという結果も残った。看板事業は、自治体の意欲だけでは越えられない国の制度の壁に阻まれ、調査時点でも公職選挙での実現の見通しは立っていない。 (参考:「次の市長選、市議選は必ずインターネット投票を」- NEWSつくば、つくば市選管「実施見送り」を最終決定 - NEWSつくば)
なお、構想の評価は一様ではない。指定にあたっては、内閣府の専門調査会の委員から、つくば・大阪両提案に対し「総花的」「無難」で、世界に示す未来都市像としては物足りないとの厳しい指摘も出ていた。先端技術を広く並べる構想ほど、「結局どこが新しいのか」が問われやすいことを示す論点である。また、実証フィールドの中核として整備が想定される駅近くの「70街区」(国家公務員宿舎跡地)の開発は、2021年の市場調査の段階で採算性を懸念する声が出ており、市は2025年7月に開発事業者の公募を開始した段階にある。 (参考:スーパーシティは「無難な都市」に落ち着くのか - 日経クロステック、スーパーシティ実証街区へ 開発事業者を公募 - NEWSつくば)
規制改革を起点に置く構想は、成果が「制度の更新」という形で他地域へ波及する。 つくばの取り組みで再現性が高いのは、特定の技術そのものよりも、「実証で得た知見を国の制度改正につなげる」という回路である。移動期日前投票所の告示や小児オンライン診療の診療報酬が全国措置化されたように、一自治体の実証が全国共通のルールを動かせば、その恩恵は実証地以外にも及ぶ。技術導入を急ぐ前に、自地域の課題が現行制度のどこで止まっているかを特定し、制度改正の提案として組み立てる発想は、研究都市でなくても応用できる。 (参考:スーパーシティ・デジタル田園健康特区について - 内閣府)
「実証から実装へ」のフェーズを言語化することが、長期構想の現在地を共有する助けになる。 つくばが構想2.0で示した、シード・アーリー→ミドル→レイターという成熟段階の整理は、理念を据え置いたまま「いま実証段階なのか、実装段階なのか」を関係者で共有する枠組みとして有効である。実証の件数を成果として誇る段階にとどまらず、どの事業を実装に進め、どれをまだ検討に置くかを仕分けて示すことは、ともすれば「やりっぱなし」に見えがちな先端実証の説明責任を果たすうえで参考になる。 (参考:つくばスーパーサイエンスシティ構想2.0 - 内閣府)
看板事業を「国の制度に依存する領域」に置くと、自治体の努力だけでは完結しないリスクを抱える。 インターネット投票は市民の関心も高く、構想の象徴でもあったが、公職選挙法という国の制度の壁に阻まれ、市の意欲とは別の次元で足踏みした。先端的な取り組みを掲げる自治体は、その成否がどこまで自らの裁量で制御でき、どこからが国の制度改正待ちになるのかをあらかじめ見極め、制御できない領域への期待値を関係者と共有しておく必要がある。実現時期を断定的に約束することは、達成できなかったときの信頼の損失にもつながりかねない。 (参考:つくば市選管「実施見送り」を最終決定 - NEWSつくば)
先端技術の社会実装は、データの取り扱いと住民の納得を両輪で設計する必要がある。 つくばは、技術的に連携可能なデータをすべて即座につなぐのではなく、機微な個人情報を別基盤で分離し、プライバシー影響評価などのガバナンスを整えながら段階的に進める道を選んだ。あわせて、生成AIによる分析基盤や住民の意見集約の仕組みを通じて住民意向を継続的に取り込もうとしている。技術が「できること」と住民が「任せてよいと思えること」の間の距離を、評価制度と参加の仕組みで埋めていく姿勢は、データ利活用を伴うまちづくりに取り組む自治体にとって示唆に富む。 (参考:スーパーシティ・デジタル田園健康特区について - 内閣府)
2026年6月時点の調査内容に基づいて作成
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