
第2回成城まちキャンイベント「駅周辺のまちづくりを考える」(成城学園前駅南口小広場)
東京都世田谷区の「成城まちキャン」が2025年12月20日に成城学園前駅南口小広場で開いた第2回イベント。壁面後退と商店の連続性という2つの区画道路ルールを道路別のシール投票にかけ、歩行者だけでなく商店テナントや地権者の視点も収集。結果は翌月の道路別ルール検討へ直結した。
第2回成城まちキャンイベント「駅周辺のまちづくりを考える」は、東京都世田谷区の成城学園前駅南口小広場で2025年(令和7年)12月20日に開催された、まちづくりルール見直しのための住民参加イベントである。主催は、決定から20年以上が経った地区のまちづくりルールを住民主体で見直す検討会「成城駅前未来まちづくりキャンバス(成城まちキャン)」で、区(砧総合支所 街づくり課)が事務局を務める。当日は400名を超える来場があり、なりきり駅長体験や太陽光で動く鉄道模型など子どもも楽しめる体験ブースを入口としつつ、中心的な活動として「①壁面の位置の制限(壁面後退)」「②建築物の用途制限(商店の連続性)」という2つの区画道路ルールについて、駅周辺の道路ごとにシール投票で賛否を集めた。(参考:第2回成城まちキャンイベント開催結果報告(my groove)、街づくりNEWS 第8号(PDF・世田谷区))
投票では、壁面後退は道路によって賛否が割れ、商店の連続性は「1階に店舗が入ってほしい道路」と「そうでなくてもよい道路」に評価が分かれた。歩行者・来街者だけでなく、規制の影響を直接受ける商店(テナント)や土地建物所有者の視点も併せて集めた点が特徴で、この結果は翌2026年1月26日の第4回成城まちキャン会議に持ち込まれ、道路①〜⑥ごとにルールの要否を絞り込む材料として使われた。(参考:第2回成城まちキャンイベント開催結果報告(my groove)、街づくりNEWS 第8号(PDF・世田谷区))
成城学園前駅周辺地区には、建物の用途や壁面の位置などを定めるまちづくりのルールが2層で存在する。世田谷区街づくり条例に基づく「地区街づくり計画」(2001年決定)と、都市計画法に基づく「地区計画」(2003年決定)である。いずれも決定から20年以上が経過し、その間に小田急線の地下化やマンションの増加などでまちの姿は変化した。住民組織である成城地区まちづくり協議会が「商店の連続性」「まちの活性化」といった課題を提起したことを起点に、区がルール見直しに着手し、2024年度から住民参加のプロセスを重ねてきた。(参考:成城学園前駅周辺地区の街づくり(世田谷区))
見直しの進め方は、駅周辺関係者による会議「成城まちキャン」、スマホから参加できるオンライン基盤「成城学園前駅まちウェブプラザ」、駅前の大型イベントの3つを往還させる「検討サイクル」として設計されている。2025年度は会議を計4回開き、まちの将来像から建物の形態・意匠・色彩、高さ、そして区画道路の設定(壁面の位置・用途)へと論点を順に深めていった。9月21日の第1回イベントは「建物の形態・意匠や高さ」を、12月20日の本イベント(第2回)は「区画道路の設定」を扱うというように、イベントは会議の議題進行に合わせてテーマを切り替える役割を担った。(参考:街づくりNEWS 第8号(PDF・世田谷区)、街づくりNEWS 第7号(PDF・世田谷区))
課題は、区画道路の2つのルールが、いずれも土地建物所有者や店舗の利害に直接関わる「規制」だという点にある。壁面後退(区画道路に面する建物の1・2階部分を道路から1m以上離す)は歩行者空間や緑を生む一方で店舗等の床面積を小さくし、用途制限(1階部分の間口の半分以上を住宅等にすることの禁止)は商店の連続性=賑わいを守る一方で地権者の土地利用を縛る。効果と負担が表裏一体で、しかも道路ごとに交通量や沿道の使われ方が異なる。会議の場に出にくい住民や、賛否だけでは見えにくい事業者・地権者の本音をどう引き出し、道路別の判断材料に変えるかが、このイベントの実務的な問いであった。(参考:街づくりNEWS 第7号(PDF・世田谷区)、街づくりNEWS 第8号(PDF・世田谷区))
イベントは2025年12月20日(土)10時〜15時、成城学園前駅南口小広場で開かれた。申込不要・参加費無料で、なりきり駅長体験、まちへの想いを書き込む「まちづくりメッセージボード」、都立総合工科高校が制作した太陽光で動く鉄道模型(自然エネルギー体験)、成城の歴史や地理を問う「成城検定」、商店街マップのPR、輪投げコーナーなど、子ども連れでも立ち寄りやすい体験型のコーナーを並べた。景品やひと息つけるスペースも用意し、まず気軽に足を止めてもらう入口をつくった上で、まちづくりの検討状況を伝える設計である。(参考:第2回イベント開催のお知らせ(my groove)、街づくりNEWS 第7号(PDF・世田谷区)、街づくりNEWS 第8号(PDF・世田谷区))
意見収集の中心はシール投票だった。成城まちキャンの検討状況を踏まえ、「①壁面の位置の制限(壁面後退)」と「②建築物の用途制限(商店の連続性)」の2ルールについて、賛否や意見をシールで示してもらった。ポイントは、地区全体への一括投票ではなく、駅周辺の区画道路①〜⑥という具体的な単位で問うたことである。用途制限については、すでにルールが適用されている道路③・④を投票の対象から外し、残る道路について「1階に店舗が入ってほしいか」を尋ねた。壁面後退・用途制限それぞれで「効果(歩行者空間・緑・賑わい)」と「影響(店舗面積の縮小・空テナント化)」をパネルで対比して示し、来場者が具体的なトレードオフを踏まえて選べるようにした。(参考:第2回成城まちキャンイベント開催結果報告(my groove)、街づくりNEWS 第7号(PDF・世田谷区))
投票の結果、壁面後退については意見が割れた道路があり、道路が広がる利点を評価しつつ、店舗の営業継続を案じる声が寄せられた。商店の連続性については、「1階に店舗が入ってほしい道路」と「店舗にならなくてもよい道路」に評価が分かれた。主催者は、まちを歩く人や来街者の受け止めに加え、規制の影響を直接受ける店舗事業者や土地の所有者の声まで幅広く拾えた点を成果として挙げている。(参考:第2回成城まちキャンイベント開催結果報告(my groove))
集めた声は、その後の会議に直接引き継がれた。2026年1月26日の第4回成城まちキャンでは、イベントで得た意見と道路①〜⑥の通行量などを共有し、2つのルールを道路ごとに検討した。その結果、壁面の位置制限は歩道が整備済みの道路④・⑥を検討対象から外し、道路①・②・③・⑤は壁面後退部分を滞留空間や緑化に活かす視点、あるいは規制ではなくスタイルブック(好事例を紹介する誘導用の冊子)で誘導する手法も含めて継続検討する方向とした。用途制限(商店の連続性)は、沿道に駐輪場やバックヤードが多い道路⑥を対象から外し、現状の賑わいを維持するため道路①・②・⑤で導入する方向で今後検討することとした。イベントは、単なる周知・集客ではなく、道路別の意思決定に接続する情報収集の場として機能した。(参考:街づくりNEWS 第8号(PDF・世田谷区))
1. 抽象的な「規制」を、道路別の「具体的な選択」に翻訳した
壁面後退や用途制限は、住民にとって身近に感じにくく、賛否も答えにくい専門的なルールである。本イベントは、これを「地区にかけるか否か」ではなく「この道路にかけるか否か」という具体的な問いに分解し、シールを貼るだけで意思表示できる形に落とし込んだ。効果と影響(道が広がる/店舗面積が減る、賑わいが続く/空テナント化)をセットで示すことで、単純な賛否ではなく、トレードオフを踏まえた判断を引き出している。(参考:街づくりNEWS 第7号(PDF・世田谷区)、街づくりNEWS 第8号(PDF・世田谷区))
2. 「規制を課される側」の声を意図的に集めた
壁面後退や用途制限で最も影響を受けるのは、店舗を営むテナントや土地建物所有者である。主催者は、歩行者・来街者だけでなく、こうした事業者・地権者の視点を明示的に集めた。道路の拡幅を望みつつも営業の継続を不安視する声や、1階が住まいばかりでは活気が乏しくなる一方でそもそも出店を望むテナントが本当にいるのかを問う声など、賛否だけでは見えない具体的な懸念が拾われ、道路ごとの判断に反映された。規制の受益者と負担者の双方を同じテーブルに乗せる設計は、合意形成の難所に正面から向き合うものである。(参考:第2回成城まちキャンイベント開催結果報告(my groove)、街づくりNEWS 第8号(PDF・世田谷区))
3. イベントの結果が、次の会議の決定に直結する
このイベントは、会議・オンライン・イベントを往還する「検討サイクル」の一部として設計されており、12月20日の投票結果は、約1か月後の第4回会議で道路①〜⑥ごとにルールの要否を絞り込む材料として実際に使われた。イベント → 会議 → 方向性決定という流れが街づくりNEWS上でも追える形で可視化されており、参加が「集めて終わり」にならない構造になっている。(参考:街づくりNEWS 第8号(PDF・世田谷区))
4. 体験型の入口と、既存の地域資源の総動員
なりきり駅長や鉄道模型といった子ども向け体験を入口に、規制の議論へと自然に誘導する導線は、9月の第1回イベントから引き継がれた設計である。鉄道模型を制作した都立総合工科高校のように、地域の学校などが体験ブースの制作・出展に加わり、単発の行政イベントではなく地域に開かれた取り組みとして運営された。(参考:街づくりNEWS 第7号(PDF・世田谷区))
確認できる成果は、ルール改定そのものではなく、「道路別の判断材料の獲得」と「合意形成プロセスの前進」である。
(参考:第2回成城まちキャンイベント開催結果報告(my groove)、街づくりNEWS 第8号(PDF・世田谷区))
一方で、これはあくまで見直しプロセスの一段階であり、ルールの最終決定は令和8年度以降の区の説明会や都市計画等の手続きに委ねられている。道路①・②・⑤への用途制限導入や、壁面後退を「規制」で行うか「スタイルブック」で誘導するかも、今後の継続検討事項である。イベントの役割は、道路別の判断に必要な生の声を、負担者を含めて集めた点にあると客観的に押さえておく必要がある。(参考:街づくりNEWS 第8号(PDF・世田谷区))
「地区一律」ではなく「道路単位」で問う粒度
壁面後退や用途制限のような規制を地区全体に一律でかけると、実態に合わない場所で反発や不都合が生じやすい。成城の事例は、投票の段階から「道路ごとの賛否」を問い、交通量や沿道利用の違いを踏まえて要否を切り分けた。商業と住環境が混在する駅前でルールを設計する際、判断の粒度を道路単位まで下げる発想は、多くの地区で応用できる。
負担者を投票に含める設計
規制の議論では、便益を受ける歩行者・来街者の声は集まりやすい一方、負担を負うテナントや地権者の声は抜け落ちがちである。本イベントは、効果と影響をセットで示し、事業者・地権者の視点を意図的に集めた。合意形成の実務では、賛成しやすい層だけでなく「課される側」の懸念を早期に可視化することが、後の紛糾を避ける鍵になる。この視点の置き方は、地域固有の資源に依存せず持ち出しやすい。
シール投票を「意思決定に接続する」こと
好きな場所にシールを貼る手法自体は各地で使われているが、成城の特徴は、抽象的な規制の賛否をシールで問い、その結果を次の会議での道路別の方向性決定に直結させた点にある。イベントを盛り上がりで終わらせず、「どの声が、どの決定に、どう反映されたか」を街づくりNEWSで追える形にすることで、参加の納得感と継続性を担保している。
留意点
成城には、成城憲章という自主ルールと成城自治会・まちづくり協議会という自治基盤、さらに高校や商店街といった協力主体も関わっている。この土壌はそのまま横展開できるものではない。ただし、「規制を道路単位の具体的な選択に翻訳する」「負担者を含めて声を集める」「投票結果を意思決定に接続し可視化する」という型は、土壌の弱い地域でも抽出して応用できる。
2026年7月時点の調査内容に基づいて作成
この記事は公開情報に基づき、AIを用いた詳細調査により作成されました。記事内容への修正依頼、お問合せ等は以下までお寄せください。
問い合わせ:support@groove-designs.com
よくあるご質問(FAQ)もあわせてご確認ください。
#
総合計画
#
まちづくり指針
#
エリアビジョン
#
景観計画
#
緑の基本計画
#
公共空間活用
#
ウォーカブル
#
公園活用
#
防災・減災
#
空き家活用
#
エリアプラットフォーム
#
公民連携プラットフォーム
#
公民連携
#
地域コミュニティ
#
地域交流拠点
#
多文化共生
#
子育て支援
#
文化芸術
#
自動運転バス
#
モビリティマネジメント
#
モビリティハブ
#
関係人口
#
移住促進
#
探究学習
#
グリーンインフラ
#
生物多様性
#
参加型予算
#
都市整備
#
まちなか
#
駅前広場
#
協働のまちづくり
#
リノベーションまちづくり
#
フューチャーセンター
#
スマートシティ
#
AI
#
リビングラボ
#
空きスペース活用
#
居場所づくり
#
子ども食堂
#
沿線まちづくり
#
健康
#
社会教育
#
持続可能な都市
#
計画策定
#
まちづくり
#
コミュニティ形成
#
ワークショップ
#
社会実験
#
市民参加
#
子ども・若者
#
子育て世代
#
シニア