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茶沢通り社会実験『SANCHA STREET TERRACE』・三茶ストリートファニチャーデザインコンペ
茶沢通り社会実験『SANCHA STREET TERRACE』・三茶ストリートファニチャーデザインコンペ

茶沢通り社会実験『SANCHA STREET TERRACE』・三茶ストリートファニチャーデザインコンペ

茶沢通り社会実験『SANCHA STREET TERRACE』・三茶ストリートファニチャーデザインコンペ

東京都
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東京都世田谷区の三軒茶屋で、区・地元事業者・商店街・大学が連携し、茶沢通りの道路空間に滞留空間をつくる社会実験『SANCHA STREET TERRACE』を反復実施。滞留家具を公募デザインコンペで市民参加型に集め、入賞作品をまちに実装したウォーカブルなまちづくりの事例。

概要

東京都世田谷区の三軒茶屋で、区・地元事業者・商店街・大学が連携し、茶沢通りの道路空間を使って「座ってくつろげる場所」をつくる社会実験『SANCHA STREET TERRACE』が反復的に実施されている。歩行者天国となる日曜・休日の午後に、道路上へ人工芝やイスを置いて一時的に滞留空間を生み出す取り組みで、令和4年度(2022年度)から続けられてきた。

この蓄積を踏まえ、令和6年度には滞留に使う家具そのものを公募する『三茶ストリートファニチャーデザインコンペ』を開催。全国から集まった33作品の中から入賞した4作品を実際に製作し、令和7年(2025年)6月29日と11月23日の社会実験で、地域のマーケットと連動させながらまちにデビューさせた。仮設のイスから公募デザインの本設家具へと段階的に実装を進める、「試しながら育てる」型のウォーカブルなまちづくりである。 (参考:社会実験「SANCHA STREET TERRACE」を実施します(世田谷区)三茶ストリートファニチャーデザインコンペ(世田谷区)茶沢通りで社会実験を実施しました(令和7年6月29日)(世田谷区)

背景・課題

茶沢通りは、三軒茶屋と下北沢を結ぶ世田谷区道の通称である。沿道には個人経営の飲食店やカフェ、昔ながらの商店が軒を連ね、2024年にはシティガイド「Time Out」の世界調査「世界で最もクールな30のストリート」で日本から唯一、第9位に選ばれた。繁華街のにぎわいと閑静な住宅地の空気が同居している点や、毎週日曜午後に車を止めて歩きやすくなる点が評価されている。一方で、通り自体は幅員や歩道が狭く、自動車交通・駐輪・バス停による混雑など、歩行者がゆったり過ごしにくい構造的な課題を抱えていた。 (参考:2024年、世界で最もクールな30のストリート(Time Out Tokyo)往来の多様性を取り戻す。三軒茶屋まちづくりにみる茶沢通りのウォーカビリティの未来(ソトノバ)

三軒茶屋駅周辺に共通する課題として、区は「座ってくつろげるような場所(滞留空間)が少ない」ことを挙げている。買い物や飲食で人は集まるものの、来街者が腰を下ろして滞在する余白が乏しく、まちに長く留まりにくい。この「滞留」を道路空間の使い方で増やせないか、という問いが取り組みの出発点になっている。 (参考:茶沢通りで社会実験を実施しました(令和6年4月28・29日)(世田谷区)茶沢通りで社会実験を実施しました(令和7年11月23日)(世田谷区)

こうした個別の実験の土台には、区が令和4年3月に策定した「三茶のミライ(三軒茶屋駅周辺まちづくり基本計画)」がある。三軒茶屋交差点を中心としたエリアを対象に、「進化し続ける交流のまち『三茶Crossing』」を将来像に掲げ、地域に関わる住民や事業者、町会、商店街、大学、行政などが担い手として手を携え、ソフト施策とハード整備を切り離さず一体的に進めるまちづくりの方針を示したものだ。SANCHA STREET TERRACEは、この計画が描くビジョンを実際の道路空間で試す「実装の場」に位置づけられる。 (参考:三茶のミライ(三軒茶屋駅周辺まちづくり基本計画)(世田谷区)

取り組みのプロセス

まちづくり会議とワークショップ(2023年頃)

2023年2月には、国士舘大学理工学部・西村亮彦研究室が関わるまちづくり会議のワークショップが開かれ、市民・行政・専門家がグループで実際にまちを歩きながら改善アイデアを出し合った。専門家の知見と現場の観察を組み合わせ、道路空間の使い方を具体的に検討する場となった。 (参考:ソトノバ

社会実験『SANCHA STREET TERRACE』の反復実施(令和4年度〜)

令和4年度から、歩行者天国となる日曜・休日午後の茶沢通りや三軒茶屋ふれあい広場周辺を使い、道路上に人工芝やイスを設置して滞留空間を試す社会実験が繰り返されてきた。初期には段ボール製の低コストな仮設家具や、独立した自転車走行レーンの試行なども行われている。令和5年・令和6年と季節を変えて複数回実施し、その都度まちの反応を確かめながら改善を重ねる進め方をとった。 (参考:社会実験「SANCHA STREET TERRACE」を実施します(世田谷区)ソトノバ

『三茶ストリートファニチャーデザインコンペ』(令和6年度)

仮設家具での検証を踏まえ、令和6年度には「人とまちとミライをつなぐストリートファニチャー」をテーマに、茶沢通りに置くベンチ・テーブル・屋台などのデザインを公募した。応募資格は高校生以上の個人・団体で、令和6年8月19日から11月11日までの募集期間に33作品が集まった。非公開の1次審査で7作品を選び、12月21日の公開審査会でプレゼンテーション審査を経て入賞作品を決定。審査にはデザイナーの南雲勝志氏、都市デザインを専門とする西村亮彦氏、三軒茶屋銀座商店街振興組合の飯島祥夫理事長、建築家の杉浦久子氏ら、デザイン・建築・商業振興・行政の専門家が参加した。 (参考:三茶ストリートファニチャーデザインコンペ(世田谷区)世田谷区で「三茶ストリートファニチャーデザインコンペ」(三軒茶屋経済新聞)

入賞したのは、最優秀賞「さんちゃ道GOOD箱」(杉本萌・藤澤茜里)、優秀賞「AAファニチャー」(黒瀬直也)と「20mからはじまるファニチャー」(梁イェリム・片山豪)、そして三軒茶屋銀座商店街による商店街特別賞「JELLY SANCHA 三茶を彩るゼリーのようなファニチャーズ」(太田裕通ほか)の4作品。いずれも令和7年度から実際に製作され、まちで使われることになった。 (参考:三茶ストリートファニチャーデザインコンペ(世田谷区)

入賞作品のまちなか実装(令和7年度)

令和7年(2025年)6月29日と11月23日の社会実験では、入賞した4作品が茶沢通り・三軒茶屋ふれあい広場周辺に設置され、来街者に利用された。いずれも地域のマーケットと同日開催で、6月の「have a goood market」は三茶ワークカンパニー株式会社、11月の「三茶ふれあいマルシェ」は三軒茶屋銀座商店街振興組合が主催し、区が後援・協力する形をとった。マーケットの人流とコンペから生まれた滞留家具を同日に組み合わせることで、歩く・買う・休むが一連の動線として成立している。 (参考:茶沢通りで社会実験を実施しました(令和7年6月29日)(世田谷区)茶沢通りで社会実験を実施しました(令和7年11月23日)(世田谷区)

この事例の特徴

第一に、社会実験を単発のイベントで終わらせず、令和4年度から数年にわたって反復した点にある。同じ場所で季節や条件を変えながら繰り返すことで、一度きりでは分からない使われ方や課題を確かめ、次の設計に反映させる「検証のサイクル」を回している。

第二に、仮設から本設へ段階的に移行する実装プロセスである。まずは人工芝や段ボール家具といった低コスト・撤去可能な設えで道路空間の可能性を試し、手応えを確かめたうえで、公募デザインの本格的なストリートファニチャーへと格上げしている。いきなり恒久整備に踏み込まず、リスクと合意形成の負担を抑えながら質を高める進め方だ。

第三に、まちの家具のデザインを公募コンペという市民参加型の仕組みで集めたことである。行政が仕様を決めて発注するのではなく、高校生以上の誰もが応募できる開かれた入り口を用意し、学生・デザイナー・商店街を巻き込んだ。33作品の応募と公開審査という手続きを経て入賞作品を選定し、家具づくりのプロセスに多様な担い手が関わる形をつくっている。

第四に、行政・地元事業者・商店街・大学が役割を分担する公民連携の構図が明快な点だ。滞留空間づくりという「場の仕掛け」を区と大学が担い、集客の核となるマーケットを地元の三茶ワークカンパニーや商店街が担う。それぞれが得意な機能を持ち寄ることで、賑わいと滞留を同時に成立させている。

調査時点の成果

  • 公募から実装までの一貫した実現:デザインコンペには33作品が集まり、そこから選ばれた入賞4作品が実際に製作され、令和7年の社会実験でまちにデビューした。アイデア募集で終わらず、市民の提案を公共空間に「実装」まで結びつけている。(参考:三茶ストリートファニチャーデザインコンペ(世田谷区)
  • 反復実施の定着:令和4年度から令和7年度まで、実施主体・商店街・大学が入れ替わりなく協働し、社会実験を継続できていること自体が、公民連携の体制が地域に根づいた成果といえる。(参考:社会実験「SANCHA STREET TERRACE」を実施します(世田谷区)
  • 外部からの評価:茶沢通りは2024年のTime Out「世界で最もクールな30のストリート」で日本唯一の第9位に選ばれており、こうした滞留・歩行環境づくりの積み重ねが、通りの魅力に対する外部評価とも重なっている。(参考:Time Out Tokyo

一方で、成果の受け止めには留意も必要である。各回の社会実験について区は「多くの方にご利用いただいた」としているが、来場者数・歩行者数・滞留時間といった定量的な効果測定データは公表されていない。研究室が歩行者や自転車の往来を記録していたとの記述はあるものの、公開された数値は確認できなかった。また、まちづくり会議の参加者に若い世代が少ないという世代構成の偏りも、初期段階の課題として指摘されている。 (参考:ソトノバ茶沢通りで社会実験を実施しました(令和7年11月23日)(世田谷区)

他地域への示唆

  • 「試して育てる」段階的実装:低コストの仮設で社会実験を反復し、手応えを確かめてから公募デザインの本設家具へ移行する流れは、恒久整備の前に合意形成とリスク管理を丁寧に進めたい地域にとって再現性が高い。最初から完成形を目指さず、暫定的な設えで小さく始める発想は、権限や予算が限られる現場でも取り入れやすい。
  • 賑わいの装置と滞留空間の組み合わせ:滞留家具を置くだけでは人は集まりにくい。集客力のあるマーケットやマルシェと同日開催することで滞留の「需要」を生み出し、空間の効果を可視化している。空間整備と集客イベントをセットで設計する視点は、他地域の公共空間活用にも応用できる。
  • 公募コンペによる担い手の拡張:まちの家具を公募し、市民・学生・デザイナー・商店街を巻き込むことで、行政発注では得にくい多様な発想と当事者意識を引き出している。デザインの「質」だけでなく、まちに関わる人の「層」を広げる手段としてコンペを使える点は示唆に富む。
  • 既存の地域資源の再活用:茶沢通りには昭和46年(1971年)に商店街の呼びかけで3000人を超える地域住民が署名して実現した歩行者天国という歴史的資産がある。新たに交通規制を調整するのではなく、既存の歩行者天国の時間・空間を土台に使うことで、実験のハードルを下げている。地域に眠る既存の仕組みを起点にする発想は、多くのまちに当てはまる。(参考:ソトノバ
  • 測定と多世代参加を初期から組み込む:本事例が抱える「定量データの不足」と「若年層の参加不足」は、裏を返せば、効果測定の設計と幅広い世代の巻き込みを初期段階から仕込んでおくことの重要性を示している。滞留時間や歩行者数の記録・公開、若者や子育て世代の参加導線を最初に設計しておくことが、取り組みの説得力と持続性を高める。

参照元


2026年7月時点の調査内容に基づいて作成

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この記事は公開情報に基づき、AIを用いた詳細調査により作成されました。記事内容への修正依頼、お問合せ等は以下までお寄せください。

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