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芸術未来研究場・藝大部屋(東京藝術大学の地域連携拠点)2025年度展開
芸術未来研究場・藝大部屋(東京藝術大学の地域連携拠点)2025年度展開

芸術未来研究場・藝大部屋(東京藝術大学の地域連携拠点)2025年度展開

芸術未来研究場・藝大部屋(東京藝術大学の地域連携拠点)2025年度展開

この記事は、my grooveを運営する株式会社Groove DesignsがAIを活用し独自に調査・作成したものです。

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東京藝術大学が2023年に創設した「芸術未来研究場」が2024年に谷中・上野桜木へ開設した地域拠点「藝大部屋」。2025年度は東京大学との連携協定のもとベンチプロジェクトの舞台となり、継続的な対話イベントと研究場展を通じて地域との双方向窓口を運営している。

芸術未来研究場・藝大部屋(東京藝術大学の地域連携拠点)2025年度展開

概要

東京藝術大学は2023年4月、「人が生きる力であるアートを根幹に据え、人類と地球のあるべき姿を探求する」ことを掲げた全学横断組織「芸術未来研究場」を創設した。翌2024年、その実践拠点としてキャンパスの外、台東区上野桜木の「上野桜木地域連携棟」に設けられたのが「藝大部屋」である。谷中エリアに位置し、「藝大と地域の双方向からの窓口」として運営されている。

(参考:芸術未来研究場|東京藝術大学、藝大部屋|芸術未来研究場展2025)

2025年度、藝大部屋は複数の取り組みの舞台となった。4月24日には対話イベント「アートとプロジェクトの記録と記憶を語る茶話会 vol.5」を開催し、5月には東京大学との包括連携協定を契機に「藝大×東大ベンチプロジェクト」が始動、谷根千エリアを舞台に両大学の学生と地域住民が場づくりを実践した。11月21日〜30日には、研究場発足から3年目の活動を発信する「芸術未来研究場展2025」が大学美術館・本部棟・藝大部屋の複数会場で開催され、これらの活動成果が展示された。

(参考:アートとプロジェクトの記録と記憶を語る茶話会 vol.5、藝大×東大ベンチプロジェクト|芸術未来研究場展2025、東京藝術大学「芸術未来研究場展」の開催について)

背景・課題

芸術未来研究場を率いる日比野克彦学長は、東京藝術大学を「伝統の継承と新しい表現の創造のための教育研究機関であると同時に、アートの未来を常に考え、様々なステークホルダーと共に社会を形づくる主体」と位置づけている。研究場という名称にも、閉鎖的な組織を思わせる「研究所」ではなく、多様な立場の人が出会い関わり合いながら、社会に開かれた形でアートに取り組む場でありたいという意図が込められている。ケア・コミュニケーション、アートDX、クリエイティヴアーカイヴ、キュレーション、芸術教育・リベラルアーツ、アート×ビジネスの6領域を横断し、企業・官公庁・他の教育研究機関との連携強化を目指す組織として設計されている。

(参考:芸術未来研究場|東京藝術大学、「芸術未来研究場展」レポート|美術手帖)

この理念を大学構内だけで実践するには限界がある。地域に根差した取組を掲げる以上、活動の拠点自体を地域の生活圏に置く必要があった。藝大部屋が「キャンパスから一歩外に踏み出して」谷中の町中に設けられた背景には、研究場が目指す社会連携を、大学から地域への一方向の発信ではなく、地域からの声を受け取れる双方向の窓口として具体化する狙いがある。

(参考:藝大部屋|芸術未来研究場展2025)

2025年度はこの拠点づくりに、大学間連携という新たな軸が加わった。東京藝術大学と東京大学は2025年5月8日、教職員交流・学生交流・共同研究・地域社会への貢献など7つの柱からなる包括連携協定を締結した。文部科学省・日本学術振興会による「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」への採択を契機とした連携強化の一環で、この協定のもとで谷根千地域を舞台にした共同の地域貢献事業が構想された。単独の大学だけでは動かしにくい地域連携の体制を、大学間の制度的枠組みによって後押しする狙いがあったと整理できる。

(参考:東大と藝大が包括提携。共同プロジェクトや施設の相互利用も|美術手帖)

取り組みのプロセス

1. 2023年4月、全学横断組織「芸術未来研究場」を創設

東京藝術大学は2023年4月、日比野克彦学長をリーダーとする「芸術未来研究場」を立ち上げた。同年11月には東京藝術大学大学美術館でコンセプトを発表する「芸術未来研究場展」の第1回を開催し、6領域にまたがる教育研究の枠組みを社会に示した。

(参考:芸術未来研究場|東京藝術大学)

2. 2024年、谷中・上野桜木に「藝大部屋」を開設

研究場の活動を大学構内から地域へ広げる拠点として、2024年に台東区上野桜木の地域連携棟内に「藝大部屋」が開設された。同年11月27日〜12月3日には「芸術未来研究場展2024」が開催され、藝大部屋を含む活動が紹介された。

(参考:藝大部屋|芸術未来研究場展2025、芸術未来研究場展 2024 ARCHIVE)

3. 2024年度から、対話イベント「茶話会」を継続開催

藝大部屋を舞台に、時間軸を伴うアート表現の「記録」と「記憶」をテーマにした対話イベント「アートとプロジェクトの記録と記憶を語る茶話会」が2024年度から継続的に開かれている。2025年度は4月24日にデザイナーの川村格夫氏を招いたvol.5を、10月22日にvol.6を予定するなど、単発の企画にとどまらず定期的な対話の場として運営されている。参加は無料で、途中の入退出も自由な開かれた形式が取られている。

(参考:アートとプロジェクトの記録と記憶を語る茶話会、アートとプロジェクトの記録と記憶を語る茶話会 vol.5)

4. 2025年5月、東京大学との協定を機に「藝大×東大ベンチプロジェクト」始動

東京大学との包括連携協定締結と時期を合わせ、「地域における『場』の創出-藝大×東大ベンチプロジェクト-」が立ち上がった。東京藝術大学・東京大学それぞれの学生が地域住民とともに「ベンチ」をキーワードに場づくりを思考・実践する企画で、単にベンチを製作・設置するのではなく、ベンチを中心に生まれる「場」そのものを探究の対象とする位置づけが、プロジェクト説明会でも明確に示されている。

(参考:藝大×東大ベンチプロジェクト|芸術未来研究場展2025、ベンチプロジェクト|note)

5. 6月〜11月、谷根千エリアでのレクチャー・ワークショップ

プロジェクトは6月から11月末まで、谷中・上野桜木・根津・本郷の谷根千エリアを中心に、オープンレクチャーやワークショップを重ねる形で展開された。9月には藝大部屋と東京大学芸術創造連携研究機構の共催で、カンボジアの現代詩人・文化リーダーを招き、アートを通じた社会的包摂のあり方を話し合う特別企画も実施されている。本事業は令和7年度「東京都と大学との共同事業」にも応募18事業中3事業の一つとして採択され、令和8年3月末までを実施期間とする位置づけが与えられた。

(参考:藝大×東大ベンチプロジェクト特別企画|東京大学、東京都「地域における『場』の創出-藝大×東大ベンチプロジェクト-」、東京都「東京都と大学との共同事業 実施事業を決定」)

6. 11月21日〜30日、「芸術未来研究場展2025」で成果を発信

研究場発足から3年目となる2025年度の活動をまとめる「芸術未来研究場展2025」が、大学美術館本館・本部棟1F・藝大部屋・大学会館前広場の複数会場で開催された。会期中無休、観覧無料で公開され、ベンチプロジェクトの活動記録や茶話会の蓄積を含む、藝大部屋発の取り組みが研究場全体の成果の一部として展示・発信された。

(参考:東京藝術大学「芸術未来研究場展」の開催について、東京藝術大学「芸術未来研究場展」の開催について|PR TIMES)

この事例の特徴

1. 「施設」ではなく「部屋」という小さな単位で地域に踏み出す

大学の地域連携拠点というと、複合施設やサテライトキャンパスのような大規模な箱を想起しがちだが、藝大部屋は地域連携棟内の一室という小さな単位で運営されている。展示会場としての性格も持ちながら、名称に「部屋」という生活に近い言葉を選んでいること自体が、地域住民にとっての心理的な距離を縮める工夫になっていると考えられる。

(参考:藝大部屋|芸術未来研究場展2025)

2. 大学単独ではなく、複数の制度的枠組みを重ねて資源を調達する

2025年度の藝大部屋の活動は、東京藝術大学単独の地域貢献活動ではない。東京大学との包括連携協定という大学間の枠組みと、東京都「大学との共同事業」という自治体の助成枠組みの両方を重ねることで、一つの拠点に複数の主体の資源を投入する体制を組んでいる。単一の予算・体制に依存せず、既存の連携制度に相乗りする形で地域連携の規模を広げている点に特徴がある。

(参考:東大と藝大が包括提携。共同プロジェクトや施設の相互利用も|美術手帖、東京都「東京都と大学との共同事業 実施事業を決定」)

3. 単発企画でなく、回を重ねる対話の場を運営している

茶話会は2024年度の開始以降、2025年度もvol.5・vol.6と定期的に開催が続いている。1回限りのシンポジウムやワークショップで終わらせず、テーマを変えながら継続的に人が集まる場を維持していることが、地域との関係を積み重ねる基盤になっている。

(参考:アートとプロジェクトの記録と記憶を語る茶話会)

4. 「もの」の製作を目的化せず、「場」の生成過程そのものを研究対象とする

ベンチプロジェクトは、ベンチという工作物の設置を最終目標にしていない。プロジェクト説明会では「いわゆる『ベンチ』を工作して置くプロジェクトではない」という位置づけが示され、レクチャーやワークショップを通じて「場」が生まれる過程そのものを学生の探究対象としている。完成物の有無で成果を測るのではなく、住民と学生が対話し関係を築くプロセス自体を実践研究として扱う点が、このプロジェクトの特徴である。

(参考:ベンチプロジェクト|note)

調査時点の成果

1. 芸術未来研究場展が3年連続で開催され、複数会場構成が定着している

2023年度の第1回開催から、2024年度、2025年度と3年連続で「芸術未来研究場展」が開催されている。2025年度展では大学美術館・本部棟に加えて藝大部屋も正式な会場として位置づけられ、学内での成果発表と地域拠点での活動発信を一体化した展示構成が定着した。

(参考:東京藝術大学「芸術未来研究場展」の開催について、芸術未来研究場展 2024 ARCHIVE)

2. 茶話会が2年目に入り、継続的な対話の実績を積んでいる

「アートとプロジェクトの記録と記憶を語る茶話会」は2024年度の開始から2025年度まで継続し、確認できる範囲だけでもvol.5(2025年4月)、vol.6(2025年10月予定)と回を重ねている。単年度の試行に終わらず、複数年度にわたって定期開催される対話の場として実績を積んでいる。

(参考:アートとプロジェクトの記録と記憶を語る茶話会、アートとプロジェクトの記録と記憶を語る茶話会 vol.5)

3. ベンチプロジェクトが東京都の大学連携事業として正式に採択された

「地域における『場』の創出-藝大×東大ベンチプロジェクト-」は、令和7年度「東京都と大学との共同事業」に応募のあった18事業の中から決定された3事業の一つに選ばれた。大学独自の企画にとどまらず、東京都の審査を経た事業として公的な位置づけを得ている。

(参考:東京都「東京都と大学との共同事業 実施事業を決定」)

4. 東京大学との包括連携協定という大学間の制度的基盤が構築された

2025年5月8日の東京大学・東京藝術大学の包括連携協定締結により、教職員交流・学生交流・共同研究・地域社会への貢献・施設の相互利用を含む7つの柱からなる連携基盤が整った。ベンチプロジェクトはこの協定に基づく最初の具体的な地域連携事業の一つとして位置づけられており、単発の協働にとどまらない継続的な連携の土台ができたことが確認できる。

(参考:東大と藝大が包括提携。共同プロジェクトや施設の相互利用も|美術手帖)

なお、ここで挙げた成果はいずれも東京藝術大学・東京大学・東京都の公式発表に基づく制度面・体制面での実績であり、藝大部屋の活動が地域住民にどのような影響を与えたか(参加人数、住民の反応、地域社会への具体的な変化等)を示す一次情報は、公開されている範囲では確認できなかった。

他地域への示唆

1. 大学の地域拠点は、大規模施設でなく「部屋」規模から始められる

大学が地域に拠点を持つ際、複合施設やサテライトキャンパスのような大規模投資を前提にする必要はない。藝大部屋のように、地域連携棟の一室という小さな単位から始め、対話イベントの継続によって存在感を積み上げていくアプローチは、予算規模の小さい大学・自治体でも再現しやすい。

(参考:藝大部屋|芸術未来研究場展2025)

2. 大学間協定と自治体事業を組み合わせ、単独機関の限界を補う

一つの大学だけで地域連携の体制・予算を維持し続けるのは容易ではない。ベンチプロジェクトのように、近隣大学との包括連携協定と自治体の助成事業という複数の制度的枠組みを組み合わせることで、単独機関では続けにくい活動を体制・財源の両面で下支えできる。他地域で大学と連携したまちづくりを構想する際も、既存の大学間連携協定や自治体の大学連携助成制度の有無を確認し、複数の枠組みに相乗りする設計が有効な選択肢になる。

(参考:東大と藝大が包括提携。共同プロジェクトや施設の相互利用も|美術手帖、東京都「東京都と大学との共同事業 実施事業を決定」)

3. 単発の交流イベントでなく、継続的な対話シリーズとして設計する

茶話会のように、テーマを変えながら定期的に開催される対話の場を持つことは、一度きりのシンポジウムやワークショップに比べて、地域との関係構築に時間をかけられるという利点がある。大学や専門機関が地域との対話を企画する際、単発の告知イベントとしてではなく、回を重ねるシリーズとして設計することが、継続的な信頼関係の構築につながる。

(参考:アートとプロジェクトの記録と記憶を語る茶話会)

4. 「成果物」でなく「プロセス」を学生の実践対象に据える

ベンチプロジェクトが示すように、地域連携型の教育プログラムは、必ずしも具体的な工作物や施設の完成を目標にする必要はない。住民との対話やワークショップを重ねる過程そのものを学生の探究対象とする設計は、特定の技能(建築・デザイン等)を持つ大学に限らず、人文・社会科学系の学部を含む幅広い教育機関で応用できる、再現性の高いアプローチである。

(参考:ベンチプロジェクト|note)

参照元


2026年9月時点の調査内容に基づいて作成

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