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杉並区の公園ボランティア制度と三井の森公園クラブ
杉並区の公園ボランティア制度と三井の森公園クラブ

杉並区の公園ボランティア制度と三井の森公園クラブ

杉並区の公園ボランティア制度と三井の森公園クラブ

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杉並区は公園・みどりのボランティアを「入門編」「団体活動」「認定団体」の階層で制度化し、2025年4月時点で192団体2,092人が活動する。三井の森公園クラブの現場では入門者と自立団体が同じ活動日に交わり、担い手が育つ回路が動いている。

杉並区の公園ボランティア制度と三井の森公園クラブ

概要

東京都杉並区は、区立公園やみどりの維持管理に区民が関わるための制度を4つ並べて運用している。花壇づくりを担う「花咲かせ隊」(2000年4月本格導入)、清掃や樹木の手入れを担う「すぎなみみどり育て組」(2004年6月本格導入、公園等里親制度)、個人で登録できる入門編の「みどりのボランティア杉並」(2002年発足)、そして自立した保全団体を区が認定する「認定みどりのボランティア杉並」(2007年発足)である。いずれも区が用具や資材を支給・貸与し、ボランティア保険に加入する。 (参考:公園でのボランティア活動|杉並区公式ホームページ[杉並区]花咲かせ隊(食品容器環境美化協会 アダプト・プログラム事例)[杉並区]すぎなみ公園育て組(同)杉並区みどりの基本計画 資料編

令和8年(2026年)5月に策定された「杉並区みどりの基本計画」によれば、2025年4月1日現在でこの4制度に属する人数は合計192団体・2,092人にのぼる。内訳は花咲かせ隊136団体1,099人、すぎなみみどり育て組43団体648人、みどりのボランティア杉並1団体56人、杉並区認定みどりのボランティア団体12団体289人である。 (参考:杉並区みどりの基本計画 第2章

本記事では、この制度群が実際の現場でどう機能しているかを、高井戸東にある区立三井の森公園で活動する「三井の森公園クラブ」(2015年設立、会員約20名)を通して見る。同クラブはすぎなみみどり育て組として活動しながら、月2回の活動日のうち1回を入門制度「みどりのボランティア杉並」の定例活動日として開いている。制度の入口と現場が同じ場所で接続している点が、この事例の中心にある。 (参考:自然の森を守り優しい循環をつくる(三井の森公園)|みんなの公園愛護会

背景・課題

杉並区内のみどりは、およそ7割が屋敷林や農地といった民有地によって支えられている。だが宅地化の波を受け、その面積は毎年おおむね1haのペースで縮小を続けており、屋敷林は平成19年(2007年)の31.42haから令和4年(2022年)の16.01haへと15.41ha減少、農地は平成17年(2005年)の53.80haから令和5年(2023年)の37.40haへと16.40ha減少している。 (参考:杉並区みどりの基本計画 第2章

同計画は課題の一つとして、みどりの維持には人手不足や費用負担があり、「所有者や管理者だけに負担を負わせるのではなく、民有地のみどりの維持・管理を支える担い手として、区民一人ひとりの関心と行動が不可欠であり、ボランティア活動等の仕組みづくりが必要」と整理している。ボランティア制度は美化活動ではなく、失われつつあるみどりを支える担い手政策として位置づけられている。 (参考:杉並区みどりの基本計画 第2章

制度は一度に整えられたものではない。区の年表を追うと、1973年に旧みどりの条例を制定、1999年にみどりの基本計画を策定、2000年に花咲かせ隊、2002年にみどりのボランティア杉並とみどりの基金、2004年にみどりのリサイクル計画(2005年策定)に連なる動きと公園育て組、2006年に現行の杉並区みどりの条例(旧条例の全部改定)、2007年に認定制度と、20年以上かけて段階的に積み上がっている。 (参考:杉並区みどりの基本計画 資料編

一方、三井の森公園そのものにも固有の経緯がある。この土地には1933年頃から三井グループの福利厚生施設「三井グラウンド」があり、陸上トラックや野球場、テニスコートを備えていたが2005年に閉鎖。グラウンド部分は大規模マンションとして開発され、隣接する自然林が2010年4月1日に区立三井の森公園(面積17,350.45平方メートル)として開園した。人為的な手入れをほとんど受けずに残った貴重な樹林であり、今の都市部では珍しくなった野生ランの仲間や草木、トンボ類、甲虫類などの姿を園内で確かめることができる。ただし公園化以前は、地域の人にとって「薄暗くて怖い場所」でもあった。 (参考:施設案内 三井の森公園|杉並区公式ホームページみんなの公園愛護会

取り組みのプロセス

1. 「5人集まれば始められる」という入口設計

花咲かせ隊とすぎなみみどり育て組は、いずれも「継続して活動できる区内在住又は在勤の構成員5人以上からなる団体」であれば結成できる。区と協定を結んで活動場所と活動内容を取り決め、区からは、花咲かせ隊であれば花苗や肥料、園芸道具と腕章一式が、育て組であれば清掃道具や園芸道具、ベストと腕章一式が、それぞれ支給または貸出される。区への取材記事によれば、実際に登録しているのは町会だけでなく、近所の友人グループ、ラジオ体操仲間、商店会、家族単位など多様である。 (参考:公園でのボランティア活動|杉並区公式ホームページ公園花壇の写真集をつくり、ボランティアに配付(杉並区)|みんなの公園愛護会

2. 花壇は「原則4平方メートルまで」という上限

花咲かせ隊に割り当てられる花壇の広さは、公園の規模を問わず一律おおむね4平方メートルが上限とされる。花苗は年3回、1平方メートルにつき25株の割合で配られるため、一花壇当たりの上限はおよそ100株となる。メンバーが増えて10人になれば2グループに分かれ、それぞれが4平方メートルを持つという広がり方をする団体もある。同じ面積・同じ花苗リストからの選択でも、組み合わせとデザインによって花壇の表情は団体ごとに変わる。この花苗リストは2000年の制度開始以来20年以上の要望を取り入れて更新され、花の色や高さ、日向・日陰への耐性、病害虫情報に加え、「主役・準主役・脇役」といった使い方のポイントまで写真付きでまとめられている。 (参考:みんなの公園愛護会(杉並区インタビュー)公園でのボランティア活動|杉並区公式ホームページ

3. 個人で入れる入門編と、期限付きの登録

みどりのボランティア杉並は、杉並区みどりの条例の考えに立つ区民ボランティアの登録組織で、公園ボランティアの入門編と位置づけられている。特定の公園に紐づかず、公園や緑地、いこいの森といった様々な場所を舞台に、花壇の手入れや野草園の管理、枝の剪定、草取りなどのメニューを、月に4回ほど都合の良い回だけ選んで参加できる。区が作成するプログラムに沿って動くため、参加者はさまざまな現場を体験しながら自分に合う活動を探せる。登録の有効期限は2年間で更新は1回のみ。区への取材によれば、これは「その後はひとり立ちして活動してほしい」という考えによるもので、最大でも4年間に制限されている。毎月15日には活動日程を載せた「みどりのボランティアニュース」が発行される。 (参考:公園でのボランティア活動|杉並区公式ホームページみんなの公園愛護会(杉並区インタビュー)

4. 自立団体を認定する出口

認定みどりのボランティア杉並は、杉並区みどりの条例第3条の趣旨に基づき、地域のみどりの保全・育成を自主的・継続的に行う団体を区が認定する制度である。個人で参加するみどりのボランティア杉並と異なり、団体として自立した保全活動を行っていることが認定の前提となる。認定要件は区内に活動拠点があること、区内のみどりの保全・育成に貢献する内容であること、継続した活動実績があり組織として確立されていること、政治的・宗教的活動を含まないことの4点。区は活動をボランティアニュースやホームページ、SNSで周知し、区外での活動についても広報する。認定の有効期間は2年度である。 (参考:公園でのボランティア活動|杉並区公式ホームページ杉並区みどりの基本計画 資料編

5. 三井の森公園クラブ——制度が現場で交差する

三井の森公園クラブは2015年に設立され、会員数は約20名、活動日は毎月2回(第1木曜・第3火曜の13時から15時)で、毎回10〜20名ほどが参加する。活動内容はごみ拾い、除草、落ち葉かき、低木や花壇の管理、落ち葉と雑草の堆肥化、施設破損の連絡、利用者へのマナー喚起、公園再整備に関する活動、地域の学校と連携した環境学習にわたる。同クラブはすぎなみみどり育て組として活動する一方、月2回のうち1回はみどりのボランティア杉並の定例活動日にもなっており、入門制度の参加者が自立した団体の現場に合流する構図になっている。 (参考:みんなの公園愛護会(三井の森公園)

6. 落ち葉を1年サイクルで回す

園内にはクヌギやコナラなどのどんぐりの広葉樹が多く、毎年大量の落ち葉が出る。クラブはブロックで作った落ち葉溜めで腐葉土をつくるが、発酵を早めるため米ヌカを加え、年に一度、11月頃に堆肥を取り出して落ち葉溜めを空にし、そこから新しい落ち葉を溜め始める。翌春5〜6月に一度切り返してさらに発酵させ、また11月に仕上がるという年間サイクルを繰り返す。できた腐葉土は公園内での利用のほか、近隣の学校や清掃工場の花壇にも回されている。落ち葉そのものも、落ち葉プールとして子どもの遊びの材料になっている。 (参考:みんなの公園愛護会(三井の森公園)

7. 「整備していないように、整備する」保全

園内には、絶滅危惧II類(VU)に指定されているキンランが自生する。キンランは菌類と共生する特殊な植物で、単純に移植しても定着せず、樹木環境や土壌環境の条件が整った雑木林でしか見られない。希少な植物が見つかった場所では、その周辺だけをねらって下草を刈り取る「坪刈り」という手法で生育環境を壊さないよう配慮している。キンラン、ギンラン、オオハナワラビなどを守るためにアズマネザサを刈る林床整備も続けており、大きなクヌギやコナラについては世代交代を見据えて実生の苗木を保護している。保全エリアに入るのは基本的にクラブのメンバーと区職員に限られ、誤って刈らないように印もつけている。ロープ柵内は自然を残し、公園周辺部にはアジサイやユリを植えて来園者の目を楽しませる、という使い分けもある。代表の中村雅美さんはこの方針を「ここは自然の森に近いところが良いでしょう。整備していないように、整備しているんです」と表現している。 (参考:みんなの公園愛護会(三井の森公園)

8. 区職員が現場に入る

取材日には、保全エリアのロープ柵の木杭60本の入れ替えという大がかりな作業が行われ、杉並区みどり公園課の職員2名も参加している。経年劣化する木材ではなく朽ちない素材の杭を区が用意し、クラブのメンバーとみどりのボランティア杉並の参加者、区職員が一緒に古い杭を抜き、穴を掘り直し、新しい杭を打ち、ロープを張り替えた。資材の準備は区、施工は協働という分担である。 (参考:みんなの公園愛護会(三井の森公園)

9. 学校の授業と接続する

三井の森公園は近隣校の自然学習の場にもなっている。近隣校の環境学習にも組み込まれており、高井戸東小学校3年生の総合学習での自然観察(春・秋)に加え、高井戸中学校2年生や杉並総合高等学校の授業でも、同公園を教材に自然と循環について学ぶ機会が毎年設けられている。高井戸中学校は約40年前、生徒がアンネの日記の感想文をアンネ・フランクの父親に送ったことをきっかけに贈られた「アンネのバラ」を育て続けている学校で、当初3株ほどだったバラは現在200株以上に増えている。同校のアンネのバラ委員会に所属する生徒たちも三井の森公園での堆肥づくりに加わっており、そこで完成した堆肥を自校のバラの手入れに役立てている。堆肥の切り返しや袋詰めの作業では、生徒が大きな戦力になっている。 (参考:みんなの公園愛護会(三井の森公園)アンネのバラ|杉並区立高井戸中学校

10. 成果を記録し、配る

みどり公園課みどりの協働係では、花咲かせ隊の全花壇の春・秋・冬の様子を撮影し、1年分をまとめた写真集を制作して各団体に配付している。取材時点(2023年5月)で開始から4年ほど。撮影と編集は係の職員3人が手分けし、自転車で公園を回って撮る。区の担当者は「曇天が良いんですよ。天気を見ながら、その日に行ける人が、自転車で公園を回って写真を撮っています。みんなが見るであろう角度で、花壇全体をありのまま撮影することを心がけています」と撮影方針を説明している。区を北と南のエリアに分けて2冊を制作し、花咲かせ隊が活動する公園マップや活動場所の詳細、団体名一覧も掲載する。互いの花壇が参考になり、切磋琢磨する材料になっているという。 (参考:みんなの公園愛護会(杉並区インタビュー)

この事例の特徴

1. 「入口・活動・出口」を別々の制度として設計している

多くの自治体の公園ボランティア制度は、団体登録型か個人登録型のどちらか一方であることが多い。杉並区は、個人が気軽に試せる入門編(みどりのボランティア杉並)、5人集まれば持ち場を持てる団体制度(花咲かせ隊・すぎなみみどり育て組)、自立した保全団体を公認する認定制度(認定みどりのボランティア杉並)を並存させ、関与の深さに応じた受け皿を分けている。関心の入り口から自立までの段階が制度として言語化されている点が、この構成の特徴である。

2. 入門制度に「卒業」の期限を設けている

みどりのボランティア杉並の登録は2年間・更新1回のみで、最大4年で終了する。ボランティア制度は通常、登録者を長く抱えるほど良いとされがちだが、杉並区は入門編を明示的に有期にすることで、参加者が入門段階に滞留せず自立した活動へ移ることを促している。入口の器を有限にする設計は、入門制度が受け皿として飽和しないための仕組みでもある。

3. 持ち場の大きさに上限を切っている

花咲かせ隊の花壇は公園の規模にかかわらず原則4平方メートルまで。これは1団体が大きな公園を占有することを防ぎ、人数が増えたら団体を分割して持ち場を増やすという増え方を導く。区が配る花苗も1平方メートルあたり25株と単価が固定されるため、支援の予算見通しが立ちやすい。制約が団体数の増加と行政の運用の両方を成り立たせている。

4. 入門者の実習先を、既存団体の活動日に重ねている

三井の森公園クラブの月2回の活動日のうち1回がみどりのボランティア杉並の定例活動日になっているように、入門者向けの体験メニューを行政が別途つくるのではなく、すでに動いている団体の現場に合流させている。入門者は本物の保全作業を見ながら学び、受け入れ側は人手を得る。行政の運営コストを増やさずに実習の場を確保する方法である。

5. 保全の方針が「見た目には何もしていない状態」を目標にしている

三井の森公園クラブの活動は、花壇づくりのように成果が目に見えるものではない。キンランの周囲だけを刈る坪刈り、アズマネザサの林床整備、実生の苗木の保護は、いずれも「自然のまま」に見える状態を人手で維持する作業である。成果が見えにくい活動を継続させるために、月2回の定例日、活動後のお茶会、学校との連携、堆肥という目に見える生産物といった要素が組み合わされている点は、樹林地保全のボランティアを組織するうえで参考になる。

調査時点の成果

1. 4制度あわせて192団体2,092人

2025年4月1日現在、区が把握する登録者は花咲かせ隊136団体1,099人、すぎなみみどり育て組43団体648人、みどりのボランティア杉並1団体56人、杉並区認定みどりのボランティア団体12団体289人の合計192団体2,092人。杉並区の人口は2026年7月1日現在で585,960人、面積は34.06平方キロメートルであり、公園・みどりの維持管理に定常的に関わる区民が2,000人規模で存在している計算になる。 (参考:杉並区みどりの基本計画 第2章杉並区のプロフィール|杉並区公式ホームページ

2. 団体数は伸びている一方、入門制度への新規流入は減っている

みどりの基本計画改定の検討委員会に示された素案資料編によれば、平成22年(2010年)当時と令和4年(2022年)の比較は、花咲かせ隊が123団体→136団体、すぎなみ公園育て組が41団体→47団体、認定ボランティアが7団体→12団体と、いずれも増加している。他方でみどりのボランティア杉並の新規登録者は73人→44人へと約4割減った。同資料は「ボランティアの高齢化に伴い休止、解散する団体が一定数あり、持続的な活動に懸念がある」とも記している。なお2025年4月1日現在の育て組は43団体で、令和4年の47団体からは減少している。総数の維持と新規流入の細りが同時に起きている状態と読める。 (参考:杉並区みどりの基本計画検討委員会(第5回)別紙1 素案資料編杉並区みどりの基本計画 第2章

3. 担い手の人数が計画の指標に採用された

令和8年(2026年)5月策定の改定「杉並区みどりの基本計画」(計画期間は令和8年度〜令和12年度)は、5つの指標のうちの一つに「みどりに関する登録団体に属している人数」を採用し、2,092人から2,300人への増加を目標に掲げた。緑被率や公園面積といった空間の量ではなく、関わる人の数を計画目標に据えた形である。実現に向けた取組としては、環境学習の充実、みどりの情報発信・イベント、みどりの相談所の運営、みどりのボランティア活動への支援、みどりに関する取組主体の形成の促進が紐づけられている。 (参考:杉並区みどりの基本計画 第3章杉並区みどりの基本計画(表紙〜第1章)

4. 認定団体とのマッチングが「拡充」施策に位置づけられた

改定計画では、みどりのボランティア活動への支援(Ⅲ-2-1)が〈継続〉、みどりに関する取組主体の形成の促進(Ⅲ-2-2)が〈拡充〉として整理された。後者は、認定団体の取り組みを広報媒体やSNSで発信することに加え、「すぎなみプラス」「すぎなみボイス」といったデジタル基盤を介して、活動に加わりたい区民と団体とを結びつける仕組みづくりを狙いとしている。人手の配分を紙のニュースだけでなくデジタル基盤に載せる方向である。 (参考:杉並区みどりの基本計画 第4章

5. 三井の森公園の状態変化と拠点としての位置づけ

三井の森公園クラブのメンバーは、地域住民の手が入るようになった結果、以前は薄暗く近寄りがたかった公園が、今では明るく心地よい森へと様変わりしたと振り返る。園内では最近ギンリョウソウが確認されるなど、希少な植生の記録も蓄積されている。改定計画では、生物多様性に配慮したみどりの保全(Ⅱ-2-1)の図版として「樹林を保全し開設した三井の森公園」が掲げられており、ボランティアが手を入れてきた樹林が区の生物多様性施策を代表する事例として扱われている。なお、改定の検討過程で示された素案では、高井戸地域の方針として三井の森公園・柏の宮公園・みどりの相談所の利点を活かした「自然体験の機会の創出、発信の拠点」としての活用が記されていたが、この地域別方針の章は最終的な計画には収録されていない。 (参考:みんなの公園愛護会(三井の森公園)杉並区みどりの基本計画 第4章杉並区みどりの基本計画検討委員会(第5回)別紙1 素案第5章〜第6章

6. 落ち葉のリサイクルが区全体のイベントに接続している

区は毎年11月下旬から12月上旬に「落ち葉感謝祭『目指せ一万人の落ち葉掃き』」を区民有志と協働で開催し、前後1カ月を落ち葉感謝月間として落ち葉掃きを呼びかけている。当日は中杉通りや管理事務所のある公園で落ち葉掃きが行われ、井草森公園では落ち葉プールや工作も実施される。改定計画の「みどりのリサイクルの推進」(Ⅱ-1-4、〈拡充〉)のページには、落ち葉感謝祭で区民が三井の森公園にて落ち葉を掃き集めている場面の写真が掲載されており、個別公園のボランティア活動と区全体のリサイクル施策が同じ物質循環の枠組みで結ばれていることがわかる。 (参考:おもな公園イベント|杉並区公式ホームページ杉並区みどりの基本計画 第4章

他地域への示唆

1. ボランティア制度は「一つ」ではなく「層」で設計する

公園ボランティア制度を新設する際、団体登録型か個人登録型かの二者択一になりやすい。杉並区の構成は、個人で試す→団体で持ち場を持つ→自立団体として認定される、という段階を別々の制度として持ち、それぞれに固有の支援メニュー(用具支給、保険、ニュース、広報、行事参加)を割り当てている。既存制度が一つしかない自治体でも、既存制度の「手前」に個人参加できる入門枠を足すだけで、関心層の受け皿は増やせる。

2. 入門制度に期限を切ることは、参加者を減らす施策ではない

登録期間を2年・更新1回に限る設計は一見すると参加のハードルを上げるように見えるが、実際には入門枠を常に空けておくための仕組みである。永続登録の制度は、活動の実態がない登録者が枠を占め続け、新規募集の効果が薄れていく。有期化は、入門と自立を混在させないための整理として応用できる。ただし杉並区でも入門制度の新規登録者は減っており、有期化それ自体が流入を保証するわけではない点は前提として押さえておく必要がある。

3. 持ち場の面積上限は、団体数を増やすための装置になりうる

「公園の大きさによらず1団体4平方メートルまで」という制約は、支援物量を予測可能にすると同時に、人が増えたら団体を分けるという成長の型を作る。1団体が公園全体を抱え込むと、その団体の高齢化がそのまま公園の管理停止に直結する。持ち場を小さく切って数を増やす設計は、担い手の高齢化リスクを分散する意味を持つ。

4. 入門者の実習は、既存団体の活動日に相乗りさせる

行政が入門者向けの体験プログラムを独自に組むと、企画・運営の負担が担当課に集中する。三井の森公園のように、既存団体の定例活動日の一部を入門制度の活動日として位置づければ、実習の場は既存の運営に乗る。受け入れ側の団体にとっても人手が増える利点がある。ただし成立には、受け入れ団体の側が入門者を迎える体制を持つことが前提となるため、どの団体を実習先にするかの見極めは必要になる。

5. 「成果の記録を作って配る」という低コストの横つなぎ

花壇の写真集は、職員3人が自転車で回って撮影・編集するという、外注を伴わない運用で成立している。それでいて、団体は自分たちの1年の成果が形に残り、他団体の花壇を参考にできる。ボランティア施策では研修会や交流会が定番だが、日程調整と参加率という制約がある。記録物の配付は非同期に届き、参加できない人にも行き渡る。デジタルであればさらに安く実装できる。

6. 担い手の「総数」と「新規流入」を分けて計測する

杉並区の数字は、団体数が微増している一方で入門制度の新規登録者が73人から44人へ減っているという二層の動きを示している。総登録者数だけを見ていると入口の細りは見えない。担い手政策の指標は、総数(ストック)と新規参入(フロー)、そして休止・解散の発生を分けて追う必要がある。改定計画が「登録団体に属している人数」を2,092人→2,300人という指標に採用したことは前進だが、フローの指標が併記されるかどうかは、施策の効き目を判断するうえで重要になる。

7. 樹林地の保全は、成果が見えないことを前提に設計する

花壇づくりは成果が目に見えるが、樹林地保全は「何もしていないように見える状態」を維持する作業である。三井の森公園クラブでは、堆肥という目に見える生産物、学校との連携という社会的な意味づけ、活動後のお茶会という場の楽しさが、成果の見えにくさを補っている。樹林地や里山の保全ボランティアを立ち上げる際には、作業そのものとは別に「成果が形になる回路」を意図的に組み込むことが継続の条件になる。

参照元

2026年8月時点の調査内容に基づいて作成

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杉並区
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