
とうもろこし奨学金プロジェクト
この記事は、my grooveを運営する株式会社Groove DesignsがAIを活用し独自に調査・作成したものです。
福山市の法人わかいふぁーむと広島大学に学ぶインドネシア人留学生が始めた、白とうもろこしの販売代金の一部をインドネシアの高校生への奨学金に充てる取り組み。2024年度から福山市立大学の学生サークルも加わり、農業振興と国際教育支援を一つの仕組みで結び付けている。
「とうもろこし奨学金プロジェクト」は、広島県福山市箕島町の法人「わかいふぁーむ」(若井農園)と、広島大学に学ぶインドネシア人留学生でつくる在広島インドネシア留学生協会が中心となって運営する、白とうもろこしの限定販売事業である。1本の販売価格にあらかじめ奨学金分を上乗せし、その積立額をインドネシアの高校生への奨学金として届ける仕組みで、2023年に本格始動した。2024年度からは福山市立大学の学生サークル「GooHats」と国際協力団体「Liaison」が栽培・広報・販売の担い手として加わり、農業振興と国際教育支援、大学の地域連携教育を一つの経済循環でつなぐ事例となっている。2025年度は在広島インドネシア留学生協会全体で約1,600本を売り上げ、約25万円・30人分の奨学金を実現した。 (参考:本学の学生サークル「GooHats」と「Liaison」が、地元農家と連携して「とうもろこし奨学金プロジェクト」に取り組みました!|福山市立大学、在広島インドネシア留学生協会<とうもろこし奨学金プロジェクト>ご協力のお願い(2026年))
在広島インドネシア留学生協会は2015年から、経済的に就学が難しいインドネシアの高校生を支援する奨学金活動を独自に行ってきた。広島大学は日本国内でインドネシア人留学生数が最も多い大学と紹介されており、約150人が在籍するとされる。しかし募金活動だけでは目標額に届きにくく、とりわけ新型コロナウイルス流行下(2020年以降)は資金集めが停滞していた。 (参考:【福山市】インドネシアの高校生に奨学金を!わかいふぁーむ×学生の「とうもろこしプロジェクト」|山口ちゆき)
一方、若井農園では2011年に関西からUターン就農した代表・若井克司氏のもとで、2021年からインドネシア出身のカーエル・ファーミ氏とその妻・先家茉子氏が農園の仲間に加わった。福山市内に暮らす東南アジア出身者が母国の生鮮食材を入手しにくいという課題を知ったことがきっかけとなり、空心菜やレモンバジル、唐辛子、モリンガなど約20〜30品目のアジア野菜を栽培・販売する自社ブランド「ワカイファーミー」を立ち上げていた。 (参考:アジア野菜を通じたインドネシア・日本両地域の農業の発展と多文化共生活動|福山ブランド、日本人とインドネシア人が協働 福山市内でアジア野菜を栽培 若井農園 代表 若井克司さん|福山市ホームページ)
この二つの活動を結び付けたのが、先家氏による「とうもろこしの販売と合わせて実施すればおもしろくなるのでは」という発案だった。「留学生だけで固まるのではなく、留学生と日本人が交流し、地域と協力しながらインドネシアの教育に関わっていけたら」という考えのもと、2023年に単発の善意ではなく継続的な仕組みとしてプロジェクト化された。 (参考:【福山市】インドネシアの高校生に奨学金を!わかいふぁーむ×学生の「とうもろこしプロジェクト」|山口ちゆき)
価格に奨学金分を組み込んだ販売設計
このプロジェクトの中核は、とうもろこし1本の販売価格そのものに奨学金原資を組み込んでいる点にある。2023年・2024年は1本300円のうち150円(半額)を奨学金に充当し、2025年は方式を見直して利益の100%を奨学金に、2026年は1本350円のうち200円を奨学金に充てるという設計に変更している。購入者は農産物を買う行為を通じて、金額の内訳が明示された形で国際教育支援に参加できる。 (参考:インドネシア留学生会<トウモロコシ奨学金プロジェクト>ご協力のお願い(2023年)、インドネシア留学生協会<トウモロコシ奨学金プロジェクト>ご協力のお願い(2024年)、在広島インドネシア留学生協会<とうもろこし奨学金プロジェクト>ご協力のお願い(2025年)、同(2026年))
毎年同じサイクルで回す年間スケジュール
在広島インドネシア留学生協会が公式サイトやSNSで予約募集を開始し、収穫を待って6月中に発送するという流れを、2023年の開始以来毎年繰り返している。申込期限は2023〜2025年は5月末から6月上旬の先着順だったが、2026年は6月19日に設定されるなど年によって幅があり、その年の状況に応じて時期を調整しながら運営している。この定型化されたサイクルが、初年度以降の運営負担を抑え、継続を可能にしている一因とみられる。 (参考:在広島インドネシア留学生協会<とうもろこし奨学金プロジェクト>ご協力のお願い(2026年))
大学サークルの参画による運営体制の拡張(2024年度〜)
2024年度からは、福山市立大学の農業振興サークル「GooHats」と学生国際協力団体「Liaison」が加わった。両団体は前年からの若井農園との交流をきっかけに招かれる形で参加し、SNSでの情報発信、大学事務局や協力企業への周知、販売当日の会場運営・会計を担った。2025年は6月28日にマルシェ(27本)、29日にGooHats活動報告会(16本)、30日に協力企業・株式会社アスコンの敷地内での対面販売(105本、完売)と、3日間にわたる集中販売イベントを実施している。 (参考:本学の学生サークル「GooHats」が、福山市にある農園と連携してプロジェクトに取り組みました!|福山市立大学、本学の学生サークル「GooHats」と「Liaison」が、地元農家と連携して「とうもろこし奨学金プロジェクト」に取り組みました!|福山市立大学)
教育機関を巻き込んだ栽培・収穫体験
福山市立福山高等学校もグローカル人材育成事業の一環として栽培・収穫体験を受け入れており、大学生だけでなく高校生も生産の現場に関わる機会を得ている。 (参考:アジア野菜を通じたインドネシア・日本両地域の農業の発展と多文化共生活動|福山ブランド)
このプロジェクトの独自性は、購入代金の内訳に奨学金充当額を明示することで、通常の農産物販売を国際教育支援の手段へと転換している点にある。単なる「収益の一部を寄付する」という抽象的な説明ではなく、1本あたり何円が奨学金に充てられるかを毎年具体的に示すことで、購入者にとって参加の意味が明確になる仕組みになっている。 (参考:在広島インドネシア留学生協会<とうもろこし奨学金プロジェクト>ご協力のお願い(2026年))
もう一つの特徴は、法人・大学生サークル・在住外国人団体という、本来は接点の薄い三者が、それぞれの主目的を損なわずに役割分担している構造である。わかいふぁーむは栽培と販路拡大の機会を得て、GooHats・Liaisonは実践的な地域連携活動の場を得て、在広島インドネシア留学生協会は資金集めの持続的な手段を得るという、三者それぞれにメリットのある設計になっている。 (参考:アジア野菜を通じたインドネシア・日本両地域の農業の発展と多文化共生活動|福山ブランド、本学の学生サークル「GooHats」と「Liaison」が、地元農家と連携して「とうもろこし奨学金プロジェクト」に取り組みました!|福山市立大学)
さらに、価格設計を毎年見直す柔軟性も特徴的である。2023〜2024年の「半額方式」から2025年の「利益全額方式」、2026年の「定額200円方式」へと、その年の状況に応じて仕組み自体を微調整しながら運営を続けている。 (参考:インドネシア留学生協会<トウモロコシ奨学金プロジェクト>ご協力のお願い(2024年)、在広島インドネシア留学生協会<とうもろこし奨学金プロジェクト>ご協力のお願い(2025年)、同(2026年))
販売実績と奨学金額の推移
在広島インドネシア留学生協会の公表によれば、2023年は約820本を販売し奨学金相当額は約12万3千円、2024年は約1,400本の売上で約18万7千円、2025年は約1,600本の売上で奨学金総額は約25万円に達し、30人の高校生を支援対象とした。2026年は予約可能本数約550本が募集開始から4日程度で完売する好調な滑り出しとなったが、台風被害により約380本(奨学金相当額で約7万6千円分)が失われ、原資が不足する事態となり、追加の寄付を呼びかけている。 (参考:インドネシア留学生協会<トウモロコシ奨学金プロジェクト>ご協力のお願い(2024年)、在広島インドネシア留学生協会<とうもろこし奨学金プロジェクト>ご協力のお願い(2025年)、同(2026年))
大学サークルの活動実績
福山市立大学のGooHats・Liaisonは、2025年6月28日から30日の3日間で計148本を売り上げたことを大学公式サイトで発表している。両サークルは2024年度からの継続参加を通じて、地域の農家と大学をつなぐ広報・販売の担い手としての実績を積み重ねている。 (参考:本学の学生サークル「GooHats」と「Liaison」が、地元農家と連携して「とうもろこし奨学金プロジェクト」に取り組みました!|福山市立大学)
わかいふぁーむの対外的評価
わかいふぁーむは2025年1月、中国四国農政局の「ディスカバー農山漁村(むら)の宝」地方奨励賞を受賞した。インドネシア出身のスタッフから母国では手に入りにくい野菜があると聞いたことを機に始めたアジア野菜栽培が、国籍を超えた共生のあり方として評価されたもので、とうもろこし奨学金プロジェクトもその活動実績の一つに位置づけられている。 (参考:フォトレポート(広島県)令和6年度|中国四国農政局)
農産物の販売価格に社会的目的をあらかじめ組み込む「アドオン型」の仕組みは、とうもろこしに限らず米や果物、加工品など他の地域資源にも応用できる余地がある。ポイントは、寄付先の使途や支援人数を年ごとに具体的に開示し、購入者が「自分の買い物が誰の役に立ったか」を実感できる設計にしていることであり、この透明性が継続的な参加を支える基盤になっていると考えられる。 (参考:在広島インドネシア留学生協会<とうもろこし奨学金プロジェクト>ご協力のお願い(2026年))
大学の地域連携サークルが担っている役割が、資金提供や専門技術ではなく、SNS発信・広報・当日の販売運営といった「運営リソースの補完」に徹している点も、他地域での再現性を考えるうえで参考になる。人手不足に悩む小規模な社会貢献プロジェクトにとって、学生団体との連携は大きな設備投資や専門人材の確保を必要とせずに実行できる選択肢となりうる。 (参考:本学の学生サークル「GooHats」と「Liaison」が、地元農家と連携して「とうもろこし奨学金プロジェクト」に取り組みました!|福山市立大学)
一方で、2026年に発生した台風被害による奨学金原資の不足は、単一産品・単一年の収穫に依存する仕組みが抱える構造的な脆弱性を浮き彫りにした。同様のモデルを他地域で検討する際は、複数年での積立や予備費の確保、天候リスクを踏まえた品目の複線化など、資金源の安定性を高める工夫も併せて設計する必要がある。 (参考:在広島インドネシア留学生協会<とうもろこし奨学金プロジェクト>ご協力のお願い(2026年))
2026年09月時点の調査内容に基づいて作成
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