「甲府まちなか社会実験」の結果を報告!

令和6年10月1日〜31日の1ヶ月間、甲府駅南側の3会場で実施した「甲府まちなか社会実験」。本記事では社会実験の検証レポート概要をご紹介します。検証レポート全文は巻末添付のPDFからもご覧いただけます。






社会実験の目的/実施内容は?


甲府まちなかに立地する、①舞鶴城公園南広場、②オリオン通り、③中央公園の3会場で実施した社会実験。

本実験は、「甲府まちなか未来ビジョン2024」に記載したリーディングプロジェクトが、「実現したい状態※」に向かう取り組みであるか、また、そもそものニーズはあるか?効果・課題は何か?を把握することを目的としています。


※「実現したい状態」=甲府まちなかの魅力的なライフスタイルが実現し、地元の人々が まちなかでの暮らしを大好きになりまちなかで過ごす時間が増えていること


何を目指し、どんな実験をしたのでしょう。まずは、会場ごとの狙い・実施内容をあらためて紹介します。


■舞鶴城公園南広場

<企画名称>甲府しろサイドテラス


場づくりのテーマは「甲府城が愛されるための居場所づくり」。

甲府城址を眺めて滞在できるよう、主に広場南東側に、既設ベンチ(移設)とともに仮設ベンチパラソルを多く設置。植栽も置くことで、居心地のよい空間に。また思い思いの場所で座れるよう、動かせるタイプの座椅子やハンモックを置いたり、近隣店舗に協力いただきピクニックシートの​貸し出しも行いました。さらに、広い芝生広場に大きな日陰を作るため、舞鶴通り側にロング東屋を設置しました。


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<舞鶴城公園南広場 社会実験用平面図>


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<舞鶴城公園南広場 社会実験時の空間>

内容詳細はこちらの記事もご覧ください。


■オリオン通り

<企画名称>FAV DAYS IN ORION ST.(ファブデイズ イン オリオンストリート)


場づくりのテーマは「山梨の個性が集まり輝く歩道づくり」。

山梨の個性的なコトやモノが楽しめるよう、まちなかの情報や人の想いを集めた手作りの掲示板を設置。通り全体には、APメンバーで製作した、いろんな形でいろんな使い方ができるストリートファニチャーも設置し、普段は休憩場所として、イベント時には什器として使える工夫をしました。またナイトマルシェやサンデーマルシェなどを開催し、つい寄り道したくなる通りを作りました。


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<オリオン通り 社会実験用平面図>


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<オリオン通り 社会実験時の空間>

内容詳細はこちらの記事もご覧ください。


■中央公園

<企画名称>KOFU ASOMANA CENTER PARK(コウフ アソマナ センターパーク)


場づくりのテーマは「人生を豊かにする 遊びの場づくり」。

企画名称のASOMANAとは「遊び」「学び」。かつて「徽典館(きてんかん)」と呼ばれる学びの地であったこの場所で、多様な年齢・立場の人たちが、身体を動かす学びを通して人生を豊かにできるよう、ストリートスポーツができるゾーンを作り、イベントや教室を開催。ただしこれまでの公園利用者を除外しないよう休憩・滞留しやすい空間にしたり、照明により明るくて見通しのよい空間にするなど配慮しました。


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<中央公園 社会実験用平面図>


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<中央公園 社会実験時の空間>

詳細はこちらの記事もご覧ください。



この実験によって何がわかったのか?検証結果はこちら!


「実現したい状態」に向かっていることを確認するため、今年の社会実験で検証する項目は、つぎの3つ。

①「甲府まちなかの魅力的なライフスタイルが実現するか!?」(行動変容)

②「地元の人々がまちなかでの暮らしを大好きになるか!?」(満足度)

③「まちなかで過ごす時間が増えているか!?」(来街/滞在)


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<検証する項目:ゴール・着眼点・方法>


本記事では、検証結果の概要を、各会場ごとに紹介します。



その1:舞鶴城公園南広場


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<社会実験中の様子:パラソルの下でくつろぐ親子連れ>


1-①「甲府まちなかの魅力的なライフスタイルが実現するか!?」(行動変容)

調査方法:アクティビティ(活動観察)調査

  • 女子学生を中心とした若者や親子連れ、特に女性が、社会実験前と比べて非常に多様な過ごし方ができる居場所に変化していた
  • 特に休日はアクティビティの量がほぼ倍増するとともに、種類がとても多様化した。
  • イベントの日は、その内容に応じたアクティビティに偏る傾向が見られた。


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<従前従後の1日(8-20時)あたりのアクティビティ量(単位:件)>

※イベントが開催されていない日のデータ


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<性別/年齢層ごとのアクティビティ量(単位:件)>

※イベントが開催されていない日(平日・休日合計)のデータ



1-②「地元の人々がまちなかでの暮らしを大好きになるか!?」(満足度)

調査方法:アンケート調査

  • 来場者のほぼ全員(99%)が社会実験でつくった場に満足し、社会実験会場の場づくりの仕掛けを好評価した。
  • 来場者の10割近く(96%)が「まちなかで過ごす時間がより魅力的になる」と考え、約9割が「知人に勧めたい」「甲府城やその歴史文化への愛着が深まる」と回答。
  • 場所の居心地・使い勝手向上、現地に出かけるきっかけづくりは課題。


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<本会場につくられた場について(来場者)>



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<今後もこのような空間が持続した場合の感想(来場者)>



1-③「まちなかで過ごす時間が増えているか!?」(来街/滞在)

調査方法:アンケート調査

  • 来場者も近隣生活者も、8-9割が「まちなかで過ごす時間が増えるきっかけになる」「誰かと一緒にまちなかに出かけるきっかけになる」と回答。


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<まちなかで過ごす時間がふえるきっかけになると思うか>



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<誰かと一緒にまちなかに出かけるきっかけになると思うか>


舞鶴城公園南広場 結果まとめ

  • 様々な方(特に女性や若者)がまちなかで思い思いの過ごし方ができる広場になり得ることが確認できた。
  • 来場/来街した方の高い満足度が確認でき、広場をきっかけにまちなかで過ごす時間が増える可能性がある。


その2:オリオン通り


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<社会実験中の様子:マルシェで賑わうオリオン通り>


2-①「甲府まちなかの魅力的なライフスタイルが実現するか!?」(行動変容)

調査方法:アクティビティ(活動観察)調査

  • イベントがない日については、社会実験前と比べて平日の滞留行動は微増程度である一方、休日では倍以上に増加していた。
  • イベントのある日は、すべてのイベントにおいて普段の約10倍以上にアクティビティ量が増え、イベントの効果が極めて顕著であった。
  • イベントは、道路上の椅子テーブルを使うことに慣れていない方に使ってもらう機会を提供していると言える。



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<従前従後の1日(8-20時)あたりのアクティビティ量(単位:件)>

※イベントが開催されていない日のデータ


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<滞留行動の内訳(単位:件)>

※イベントが開催されていない日のデータ



2-②「地元の人々がまちなかでの暮らしを大好きになるか!?」(満足度)

調査方法:アンケート調査

  • 来場者の10割近く(97%)が社会実験でつくった場に満足し、社会実験会場、特にファニチャーや掲示板などの場づくりの仕掛けを好評価した。
  • 来場者の10割近く(95%)が「まちなかで過ごす時間がより魅力的になる」と考え、9割が「知人に勧めたい」と考えていた。
  • ファニチャー類の改善による居心地の向上とともに、ファニチャー類の使いこなしが浸透していくような案内や、誰でも入りやすいオープンな雰囲気/運営が課題。



オリオン来場者1.jpg
<本会場につくられた場について(来場者)>



オリオン来場者2.jpg
<今後もこのような空間が持続した場合の感想(来場者)>



2-③「まちなかで過ごす時間が増えているか!?」(来街/滞在)

調査方法:アンケート調査

  • 来場者も近隣生活者も、8-9割が「まちなかで過ごす時間が増えるきっかけになる」「誰かと一緒にまちなかに出かけるきっかけになる」と考えていた。

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<まちなかで過ごす時間がふえるきっかけになると思うか>


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<誰かと一緒にまちなかに出かけるきっかけになると思うか>

オリオン通り 結果まとめ

  • アンケートに協力いただいた方の8〜9割の方から肯定的な意見を得られ、非常に高い満足度を確認できた
  • まちなかで過ごすきっかけをつくりだすことができた。特にイベントがある時には、他会場以上にアクティビティの増加率がみられ、道であっても多様で豊かな過ごし方ができることが確認できた。
  • このような取り組みによって、まちなかで過ごす時間の増加につながる可能性が高いといえる。




その3:中央公園


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<社会実験中の様子:スケートボードの技を練習する姿>


3-①「甲府まちなかの魅力的なライフスタイルが実現するか!?」(行動変容)

調査方法:アクティビティ(活動観察)調査

  • 社会実験前と比べると、今まではなかった「遊び」のアクティビティが最多規模で発生していた。また友人や家族たちと平日から来られる居場所に変化していた。
  • スケボーやダンスをはじめ、遊びをきっかけに過ごせる場になっていたが、利用者は成人男性に大きく偏りがあることがわかった。
  • イベントの日は、少なくとも倍程度のアクティビティ量に増加していた。



中央公園アクティビティ1.jpg
<従前従後の1日(8-20時)あたりのアクティビティ量(単位:件)>

※イベントが開催されていない日のデータ


中央公園アクティビティ2.jpg
<性別/年齢層ごとのアクティビティ量(単位:件)>

※イベントが開催されていない日(平日・休日合計)のデータ



3-②「地元の人々がまちなかでの暮らしを大好きになるか!?」(満足度)

調査方法:アンケート調査

  • 来場者のほぼ全員(98%)が社会実験でつくった場に満足し、社会実験会場の場づくりの仕掛けを好評価した。
  • 来場者の全員が「まちなかで過ごす時間がより魅力的になる」と考え、約9割が「知人に勧めたい」と考えていた。一方で、一般アンケートでは、社会実験前と比べてよくなったと考える人は6割にとどまっていた
  • ストリートスポーツをきっかけに(近隣生活者以外の)広汎な利用者層を獲得しつつも、ストリートスポーツ特有の環境を、通常の公園利用者も含めた多様な人と共存できるようにつくることが課題。



中央公園来場者1.jpg
<本会場につくられた場について(来場者)>



中央公園来場者2.jpg
<今後もこのような空間が持続した場合の感想(来場者)>



3-③「まちなかで過ごす時間が増えているか!?」(来街/滞在)

調査方法:アンケート調査

  • 来場者も近隣生活者も、8-9割が「まちなかで過ごす時間が増えるきっかけになる」「誰かと一緒にまちなかに出かけるきっかけになる」と考えていた。
  • 一方、一般アンケートでは、いずれも6割程度にとどまっていた。



南広場3アンケート1.jpg
<まちなかで過ごす時間がふえるきっかけになると思うか>



南広場3アンケート2.jpg
<誰かと一緒にまちなかに出かけるきっかけになると思うか>


中央公園 結果まとめ

  • 社会実験前と比べると、今まではなかった「遊び」のアクティビティが特に増え、友人や家族たちと平日から来られる居場所に変化した。ストリートスポーツをきっかけに多様な活動が展開された。
  • 来場者、近隣生活者の方は特に高い満足度を感じていたことが確認できた。
  • 本取り組みを通じて、まちなかで過ごす時間の増加につながる可能性が高い



「検証レポート」の全文(PDF)は巻末をご覧ください。


また、オリオン通りの掲示板にも、検証レポート概要を貼り出しています

掲示板は12月末頃までの期間限定設置ですので、この機会にふたたびオリオン通りにも足をお運びください!


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<オリオン通りの掲示板に検証レポート概要を掲出中>



さらに、これらの検証結果を踏まえた、「甲府まちなか未来ビジョン2025」を令和6年度中に公表予定です。こちらもぜひチェックしてくださいね。

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