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京都市生物多様性プラン(2021-2030)
京都市生物多様性プラン(2021-2030)

京都市生物多様性プラン(2021-2030)

京都市生物多様性プラン(2021-2030)

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京都市が2021年に策定した10年計画で、チマキザサなど「京都らしさ」を支える生物資源の保全と自然共生社会の実現を目指す。府市連携のきょうと生物多様性センター設立など独自の推進体制が特徴。

京都市生物多様性プラン(2021-2030)

概要

京都市は2021年3月、「自然共生社会」の実現に向けて「京都市生物多様性プラン(2021-2030)」を策定した。本プランは2030年度までの目標と施策を定めるとともに、2050年のあるべき姿を見据えた長期ビジョンを示している。 (参考:京都市生物多様性プラン(2021-2030) - 京都市

プランは全7章で構成され、「知る」から「行動」へ、生物多様性の持続可能な利用の重点化、自然共生社会の実現に向けた変革、京都から世界への貢献という4つの方向性を掲げている。市域の自然環境の特性を踏まえ、「森」「里」「街・川」の3つのフィールドに加え、「京都らしさ」(伝統・文化・産業・景観)の継承という4つのテーマで施策を推進している。 (参考:京都市の取組 - 京・生きものミュージアム

背景・課題

京都市では2014年3月に初代の「京都市生物多様性プラン」を策定し、保全活動を進めてきた。しかし、生物多様性の危機は収まるどころか、複合的な要因により深刻化していた。

特に深刻なのがチマキザサの危機である。京都市北部山間地域に自生するチマキザサは、祇園祭の厄除け粽や京料理、京菓子などに利用され、その需要は年間約1,000万枚に達する。ところが2004年から2006年にかけて、数十年から百年に一度という一斉開花が発生し、群落のほぼ全てが枯死した。さらに追い打ちをかけるように、山間部で増加したニホンジカが再生しようとする新芽を食害し、チマキザサは絶滅の危機に瀕している。 (参考:チマキザサの再生 - 京・生きものミュージアム林野庁近畿中国森林管理局 資料

森林環境も大きく変化している。京都三山(東山・北山・西山)は1200年にわたり京都の文化と景観を支えてきたが、台風による風倒木、シカによる食害、ナラ枯れなどで荒廃が進行。人と森林の関係が疎遠になったことで森林植生の変化が加速し、歴史的な森林景観が失われつつある。 (参考:東山の森づくり - 京・生きものミュージアム

こうした状況を受け、京都市は新たな10年計画を策定し、「京都らしさ」を支える生物多様性の保全と持続可能な利用を本格的に推進することとなった。

取り組みのプロセス

計画策定と推進体制の構築

2021年3月に新プランを策定。4つの目標として、①京都らしさを支える生物多様性の持続可能な利用、②生息・生育地と種の多様性の保全・回復、③ライフスタイルの転換、④社会変革に向けた仕組みの構築を掲げた。 (参考:京都市生物多様性プラン(2021-2030) - 京都市

府市連携によるセンター設立

2023年3月、京都府と「生物多様性保全の推進に関する包括連携協定」を締結。同年4月に「きょうと生物多様性センター」を府市協働で設立した。名誉センター長に山極壽一氏(京都大学前総長)、センター長に湯本貴和氏が就任。学識経験者、保全団体、経済団体、大学等研究機関で構成される運営協議会により運営されている。 (参考:生物多様性センターについて - きょうと生物多様性センター

センターは京都府立植物園会館(本部オフィス)、左京区役所(交流オフィス)、京都府立大学(情報オフィス)の3拠点体制で、生物多様性情報のデータベース化、多様な主体のネットワーク構築、保全活動のコーディネート、人材育成などを担っている。

具体的な保全・再生活動

チマキザサ再生プロジェクト 2013年に地元住民、京都大学、京都市などの関係者が「チマキザサ再生委員会」を設立。シカの侵入を防ぐ耐雪性防鹿柵(総延長105m、総面積0.04ha)を設置し、チマキザサの保護面積を拡大した。2023年には「花脊別所チマキザサグループ」が設立され、採集・加工技術の継承にも取り組んでいる。花脊別所町の小中学生が育成した苗を京都市動物園や武田薬品工業京都薬用植物園へ移植する活動も行われている。 (参考:チマキザサの再生 - 京・生きものミュージアム環境省 生物多様性保全推進支援事業 実績報告書

東山の森づくり 2007年に設立された「京都伝統文化の森推進協議会」が、地域、学識者、寺社、企業、行政を結集して推進。多様な樹種(春の花木、夏の広葉樹、秋の落葉樹など)を植栽し、四季折々に表情を変える景観を創出しながら、生物多様性を高めている。定期的に自然観察会を開催し、市民の参加も促進している。 (参考:東山の森づくり - 京・生きものミュージアム

河川環境保全活動 鴨川の4か所の堰に魚道を設置し、魚類の生息地を拡大。桂川では堰で滞留する魚類の汲み上げ放流を実施。「京の川の恵みを活かす会」との協働でアユの生息環境構築にも取り組んでいる。 (参考:京都市の取組 - 京・生きものミュージアム

認定制度と市民参加の仕組み

京の生きもの・文化協働再生プロジェクト認定制度 2014年9月に創設。京都らしさを支えてきた生きものの保全、再生、持続可能な利用に取り組む団体・個人を認定し、専門家派遣などの支援を行う制度である。認定審査は学識経験者が担当する。 (参考:「京の生きもの・文化協働再生プロジェクト認定制度」について - 京都市

きょうと生物多様性パートナーシップ協定制度 民間資金を活用して生物多様性保全を推進する制度。きょうと生物多様性センターが企業と保全団体をマッチングし、協定を締結。企業が活動資材や資金を寄付し、保全団体が活動・報告する仕組みである。日新電機グループ社会貢献基金、京都環境保全公社、京都中央信用金庫、GSユアサなど5組織が協定を締結している。 (参考:きょうと生物多様性パートナーシップ協定制度について - 京都市

京の生きもの生息調査 2019年度から開始した市民参加型の生息調査。ツバメ、ハグロトンボ、セミ(5種)、ウグイス、ミナミメダカを対象に、市民からの目撃情報を収集。写真がなくても鳴き声を聞いただけでも報告可能で、参加のハードルを下げている。結果は「京・生きものミュージアム」で公開され、保全施策に活用されている。 (参考:京の生きもの生息調査 - 京・生きものミュージアム

この事例の特徴

「京都らしさ」を軸にした保全アプローチ

一般的な生物多様性プランが生態系保全を主軸とするのに対し、本プランは「京都らしさ」—伝統・文化・産業・景観—を支える生物資源の保全を前面に打ち出している。チマキザサと祇園祭、葵祭とフタバアオイなど、京都の祭事・文化と生物多様性の関係性を可視化し、市民や事業者の当事者意識を高める戦略をとっている。

府市協働による広域的な推進体制

都道府県と政令指定都市が共同で生物多様性センターを設立した事例は全国的にも珍しい。京都府立植物園、京都府立大学、左京区役所という既存施設を活用した3拠点体制により、コストを抑えながら府域全体と市域の両方をカバーする推進体制を構築した。

多様な主体を巻き込む認定・協定制度

「京の生きもの・文化協働再生プロジェクト認定制度」では、企業(京都水族館、武田薬品工業、日新電機など)、地域コミュニティ(松尾学区自治連合会、桃山地域女性会など)、学校(京都文教中学高等学校探究ゼミ)、NPOなど、多様な主体の参画を促進。2025年時点で40件の認定を達成している。 (参考:京の生きもの・文化協働再生プロジェクト認定制度一覧 - 京・生きものミュージアム

環境省の自然共生サイト認定への積極的な取り組み

2023年7月に「生物多様性のための30by30アライアンス」に参加し、自然共生サイトへの認定を積極的に推進。市域で10か所が認定されており、梅小路公園「朱雀の庭」「いのちの森」、花脊チマキザサ保護区、東本願寺渉成園、城南宮、松尾大社、三千院など、寺社や都市公園も含まれている。 (参考:本市域における「自然共生サイト」への認定について - 京都市

調査時点の成果

認定・協定の実績

チマキザサ再生の進捗

防鹿柵内のチマキザサは人の胸の高さほどにまで成長し、収穫が可能な状態に回復。京都市内の菓子業界から「再生したら是非使いたい」という需要が確認されており、伝統産業への供給再開に向けた展望が開けている。 (参考:チマキザサの再生 - 京・生きものミュージアム

生物多様性の情報基盤整備

ポータルサイト「京・生きものミュージアム」を運営し、市民への情報発信と調査結果の共有を実施。京の生きもの生息調査は2019年度から継続しており、5年分のデータが蓄積されている。 (参考:京・生きものミュージアム

企業連携の深化

2023年度から武田薬品工業京都薬用植物園との連携を開始し、市民協働による希少植物(ヒオウギ、ノカンゾウ、フタバアオイ、ノハナショウブ)の生息域外保全に取り組んでいる。同植物園は「市民の庭」として一般市民も保全活動に参加できる場を提供している。 (参考:京都市の取組 - 京・生きものミュージアム

他地域への示唆

地域文化と生物多様性の接続

生物多様性保全を「自然保護」の文脈だけでなく、地域の伝統・文化・産業の持続という文脈で語ることで、より幅広い市民・事業者の参画を引き出せる可能性がある。特に歴史的な祭事や伝統工芸を持つ地域では、それらを支える生物資源を可視化することが有効である。

広域連携による推進体制

生物多様性は行政区域を越えて連続する。都道府県と基礎自治体の協働、既存施設の活用による低コストな推進体制の構築は、他地域でも参考になる。特に政令指定都市を抱える府県では、府県と市の役割分担と連携が重要である。

認定制度による民間活動の可視化と支援

認定制度は直接的な財政支援がなくても、活動の「お墨付き」を与えることで参加者のモチベーション向上や社会的認知度向上につながる。専門家派遣という技術的支援と組み合わせることで、活動の質と持続性を高められる。

市民参加型調査の設計

「写真がなくても、鳴き声を聞いただけでも報告可能」という参加ハードルの低さは、データ収集と市民の関心喚起を両立させる工夫である。継続的なデータ蓄積により、生物分布の変化を追跡できる基盤となる。

参照元


2026年3月時点の調査内容に基づいて作成

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この記事は公開情報に基づき、AIを用いた詳細調査により作成されました。記事内容への修正依頼、お問合せ等は以下までお寄せください。

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よくあるご質問(FAQ)もあわせてご確認ください。


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