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せたがやPay(区商連のデジタル地域通貨)と成城の商店街連携
せたがやPay(区商連のデジタル地域通貨)と成城の商店街連携

せたがやPay(区商連のデジタル地域通貨)と成城の商店街連携

せたがやPay(区商連のデジタル地域通貨)と成城の商店街連携

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世田谷区の支援のもと区商店街振興組合連合会が運営するデジタル地域通貨「せたがやPay」。約51万アカウント・加盟店約6,000店に成長し、経済波及効果の定量検証、現地決済型ふるさと納税、地域活動への担い手ポイント、成城さくらフェスティバルとの連動など、地域循環の基盤づくりを追う。

概要

「せたがやPay(せたペイ)」は、世田谷区の支援のもと世田谷区商店街振興組合連合会(区商連)が運営するスマートフォンアプリ型のデジタル地域通貨である。新型コロナ禍の緊急経済対策として2021年2月20日に運用を開始し、その後もチャージ手段の拡大や機能追加を重ねながら、累計ダウンロード数は約51万、月間アクティブ利用者は約10万人、加盟店は約6,000店にまで成長した。 (参考:せたがやPay公式サイト世田谷区 せたがやPay効果測定

特徴は、単なるキャッシュレス決済にとどまらない点にある。区が毎回の還元事業について経済波及効果を定量検証して公表し、2025年には区民税の区外流出に対抗する「現地決済型ふるさと納税」機能や、防災・清掃などの地域活動にポイントを付与する「地域コミュニティポイント(担い手ポイント)」を実装。成城商店街のように、共通基盤の上で各商店街が独自のプロモーション(成城さくらフェスティバルの「せたPayポイントプレゼント企画」など)を打つ二層構造も生まれている。運営主体を行政ではなく事業者団体に置き、消費・参加・寄付を一つの基盤に載せていく設計が、この事例の核心である。 (参考:せたがやPay公式サイトペイメントナビ「せたがやPay 2年間の成果」

背景・課題

世田谷区は人口約92万人を擁する東京都最大の区であり、区内には多数の中小個店と商店街が集積している。区商連はもともと紙の「プレミアム付区内共通商品券」を発行してきたが、新型コロナウイルスの感染拡大で区内の中小個店が大きな打撃を受けたことを受け、区の補助金による緊急経済対策の一環として、その電子版にあたる「せたがやPay」を2021年2月に立ち上げた。コロナ禍で疲弊した個店を下支えしつつ、この機会に立ち遅れていた店舗のキャッシュレス対応を一気に進める——この二つを同時に果たすことが狙いだった。 (参考:ペイメントナビ「せたがやPay 中小個店の活性化と決済デジタル化」

もっとも、区商連が目指したのは一過性の給付ではなかった。区商連は事業パートナーを公募し、岐阜県や千葉県でデジタル通貨の実績を持つフィノバレー(アイリッジ子会社)を選定。「長く地元商店街の活性化に貢献する」電子地域通貨に育てるという構想のもと、緊急対策を恒常的な地域基盤へと発展させる方針をとった。ここには、(1)紙の商品券にかかる印刷・換金の手間をなくす、(2)大手チェーンやオンラインに流れがちな消費を区内の個店に還流させる、(3)ふるさと納税による区民税の区外流出(区の試算で年約111億円)を食い止める、という複数の課題が重ねられている。 (参考:ペイメントナビ「せたがやPay 中小個店の活性化と決済デジタル化」アイリッジ「現地決済型ふるさと納税機能を公開」

取り組みのプロセス

立ち上げと拡大(2021〜)

2021年2月の運用開始後、区は繰り返しポイント還元事業を実施して利用を喚起した。加盟店は運用開始1年で2,000店を突破し、2周年時点で4,366店、その後約6,000店へと拡大。利用も、2周年時点で支払いを実施した人は約13.8万人だったが、2025年には累計ダウンロード数が約51万件に達した。 (参考:アイリッジ プレスリリース「加盟店2,000店舗を突破」ペイメントナビ「せたがやPay 2年間の成果」

チャージ・決済基盤の強化(2024〜2025)

オンラインチャージの対応金融機関が、都市銀行から地方銀行・信用金庫・ネット銀行まで300行を超えるまでに広がったのに続き、2025年2月からは全国のローソン銀行ATMでも現金でチャージできるようになった。現金志向の利用者や高齢層でもチャージしやすくなり、間口が広がった。 (参考:アイリッジ「せたがやPay・いたばしPayのチャージ方法が拡大」

機能拡張:ふるさと納税とコミュニティポイント(2025)

同じく2025年2月には「現地決済型ふるさと納税」機能を公開した。従来のふるさと納税が外部ポータルを介するのに対し、この機能はアプリ上の申込だけで寄付が完了し、返礼はポイント形式で即座に手元に入る。付与された「せたがやPayふるさとポイント」は区内の対象店舗(約3,000店)で使え、外部サイトへの手数料も発生しない。さらに、防災・防犯・環境・福祉・子育て・健康など10テーマの地域活動に参加するとポイントが付与される「地域コミュニティポイント(担い手ポイント)」も展開。活動現場などで配られるカード等のQRコードをアプリで読み取ればその場でポイントが入り、加盟店では1pt=1円として支払いに使える。 (参考:アイリッジ「現地決済型ふるさと納税機能を公開」せたがやPay 地域コミュニティポイント特設ページ

効果検証のルーティン化

区は還元事業を実施するたびに、利用者・加盟店双方へのアンケートと利用実績データをもとに効果を検証し、結果を公表している。2025年7月の物価高騰対策(最大15%還元)では、利用者アンケートを約51万アカウントに配信して9,030件、加盟店約6,000事業者から511件の回答を集め、19の指標で「事業の進捗」「生活者支援」「区内経済活性化」を評価した。 (参考:世田谷区「せたがやPayポイント還元事業の効果検証」(2025年11月)世田谷区 せたがやPay効果測定

商店街との連動(成城の例)

共通基盤の上では、各商店街が独自の企画を載せられる。成城商店街振興組合が主催する成城さくらフェスティバル(2026年は4月4〜5日、約600mの桜並木沿道が会場)では、4月1〜10日に協賛店舗でせたPayを1,000円以上決済した人を対象に、賞品総額10万円相当のポイントを抽選で進呈する企画も用意された。 (参考:世田谷ガイド「成城さくらフェスティバル」成城商店街振興組合

この事例の特徴

第一に、運営主体が行政ではなく事業者団体(区商連)であること。区は財源・制度面の「支援」に徹し、実際の導入・運営は商店街連合会が担い、システムはフィノバレーが支える三者分業になっている。地域通貨が「行政の給付施策」ではなく「商店街自身の活性化ツール」として位置づけられるため、還元事業が終わっても基盤が残りやすい。 (参考:ペイメントナビ「せたがやPay 2年間の成果」

第二に、消費決済を超えた「非経済的な価値の循環」への拡張を明示していること。区は、施設整備(街づくり)や住民自治(まちづくり)にとどまらず、金銭に換算しにくい地域貢献までデジタル通貨上で循環させる——区がこう表現する「マチづくり」の具体策として担い手ポイントを導入した。決済アプリを、地域活動への参加や共助を促す「地域参加のインフラ」へ転用しようとする発想である。 (参考:ペイメントナビ「せたがやPay 2年間の成果」せたがやPay 地域コミュニティポイント特設ページ

第三に、税を原資とする事業に対する透明な効果検証である。区は毎回の還元事業について経済波及効果や区外流出防止効果を推計し、成果が伸びた指標だけでなく後退した指標も含めて公表している。EBPM(証拠に基づく政策形成)を地域通貨の運用に組み込んでいる点は、多くの自治体キャンペーンが「発行額」で語りがちなのと対照的である。 (参考:世田谷区「効果検証」(2025年11月)

調査時点の成果

規模の成長

加盟店は運用開始1年で2,000店→2周年で4,366店→約6,000店へと拡大した。利用面では、2周年時点で支払いを実施した人が約13.8万人、累計ダウンロード数は2025年に約51万件へと伸びた。2周年時点の累計決済額は約108億円に達し、2025年時点の月間決済額は約19億円、月間アクティブ利用者は約10.6万人にのぼる。 (参考:ペイメントナビ「せたがやPay 2年間の成果」世田谷区「効果検証」(2025年11月)

還元事業の経済効果

2025年7月の物価高騰対策(最大15%還元)では、区の推計で消費喚起効果が約6.31億円(ポイント原資の2.54倍)、区外流出防止効果が約4.96億円(同2.00倍)、経済波及効果が約12.26億円(同4.94倍)とされた。国の重点支援地方交付金を原資とする事業で、投じた原資を上回る波及効果が推計された形である。低還元でも「継続して利用する」とした利用者は77.7%で、還元頼みにとどまらない定着の兆しもみえる。 (参考:世田谷区「効果検証」(2025年11月)

フラットな視点での課題

一方で、同じ検証では「地元店舗への誘導効果」が前回の66.0%から51.9%へ低下(前回比−22%)し、1か月あたりのダウンロード数も前回比−15%となった。還元率を下げると新規獲得や誘導効果が弱まりやすいことを示しており、税財源(重点支援地方交付金など)に支えられた消費喚起をどう自立させるかは引き続き課題である。担い手ポイントや現地決済型ふるさと納税は、この「還元依存からの脱却」を志向する機能だが、本格的な効果測定はこれからの段階にある。 (参考:世田谷区「効果検証」(2025年11月)アイリッジ「現地決済型ふるさと納税機能を公開」

他地域への示唆

運営の分業設計

自治体が財源・制度支援に回り、事業者団体(商店街連合会)が運営主体、事業者がシステムを担うという役割分担は、単発の給付を恒常的な地域基盤へ育てるうえで参考になる。事業終了とともに消えるキャンペーンではなく、商店街が「自分たちの道具」として持ち続けられる構造をつくることが、持続性の鍵になる。

「共通基盤×地域自律」の二層構造

全区共通の決済基盤の上に、成城さくらフェスティバルのように各商店街が独自企画を載せられる余地を残すと、地域ごとの個性やイベントを活かしたプロモーションが草の根で生まれる。中央集権的に一律のキャンペーンを配るより、現場の主体性を引き出しやすい。

「消費喚起」に閉じないこと

最も再現価値が高いのは、地域通貨を決済に限定せず、参加・共助(担い手ポイント)や域内税還流(現地決済型ふるさと納税)を同じレールに載せるという発想である。還元原資への依存を下げる出口を機能設計として組み込むことは、多くのプレミアム商品券・還元事業が抱える「補助金が切れると失速する」問題への一つの回答になりうる。

透明な効果検証の常設

成果が後退した指標まで公表し、19指標で継続的に検証する姿勢は、税を原資とする事業の説明責任を果たす取り組みであり、規模を問わず他自治体が取り入れやすい運用作法である。

再現性の留意点

ただし世田谷区は人口約92万人・加盟店約6,000店という大きな母数を持ち、利用者密度・加盟店密度の面で規模の経済が働きやすい。小規模自治体では、まずアプリを使う意味を感じられる利用者数・加盟店数の閾値をどう確保するかが最初の壁になる点は割り引いて考える必要がある。 (参考:ペイメントナビ「せたがやPay 2年間の成果」世田谷区「効果検証」(2025年11月)

参照元


2026年07月時点の調査内容に基づいて作成

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この記事は公開情報に基づき、AIを用いた詳細調査により作成されました。記事内容への修正依頼、お問合せ等は以下までお寄せください。

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