
ふくやま健康ポイント事業(アプリ「健康マイレージ」)
この記事は、my grooveを運営する株式会社Groove DesignsがAIを活用し独自に調査・作成したものです。
福山市が2022年12月に始めたアプリ「健康マイレージ」。歩数記録や健診受診でポイントが貯まり電子マネー抽選に参加できる仕組みで、2026年4月には「けんこうマイレージ」へ全面リニューアルしAI搭載機能を追加した。
福山市は2022年12月から、市民の主体的な健康づくりを後押しするスマートフォンアプリ「健康マイレージ」の運用を開始した。ウォーキングによる歩数記録や健診受診など日常の健康行動に応じてポイントが貯まり、年4回の抽選で電子マネーが当たる仕組みで、個人利用に加えて企業・団体単位のチーム参加も可能にした「ふくやま健康ポイント事業」である。 (参考:福山市民が無料で参加できるアプリ「健康マイレージ」の運用が開始されました(号外NET 福山市)、ふくやま健康ポイント事業(広島県公式サイト))
運用開始から3年余りを経た2026年4月、アプリは「けんこうマイレージ」として全面リニューアルされた。新アプリでは、直近2週間の生活データをAIが分析してフレイル(心身の虚弱)リスクを推定し、個人に合わせたミッションを提案する「ヘルスチェックAI」機能などが新たに搭載され、既存ユーザーのポイント・歩数データは自動的に引き継がれる設計とした。 (参考:2026年(令和8年)4月からアプリ「けんこうマイレージ」にバージョンアップします(福山市公式サイト)、【けんこうマイレージ】アプリの機能(福山市公式サイト))
福山市は広島県東部に位置する人口約45万人(2026年7月末時点)の中核市で、「健康寿命の延伸」を基本目標に掲げる「福山市健康増進計画・フレイル予防推進計画」を含む「ふくやま健康プラン2024」(計画期間2024〜2029年度)を策定し、生活習慣病の予防やフレイル対策、健診受診の促進に取り組んでいる。市民一人ひとりの日常的な健康行動をどう後押しするかが、こうした計画を実効性あるものにする上での課題となっていた。 (参考:2026年 福山市世帯数及び人口(福山市公式サイト)、ふくやま健康プラン2024(福山市公式サイト))
福山市は2021年度、市独自の「実証実験まるごとサポート事業」(先端技術を活用した実証実験に補助金を交付する市の枠組み)を使い、東京の企業と連携し、4月から9月末までの期間限定で、歩いた歩数や睡眠の記録を基準にポイントが積み上がり、貯めたポイントを市内加盟店で使える割引特典に交換できる仕組みを試験的に導入した。健康行動を「見える化」してポイントという分かりやすい形でインセンティブを与える手法の有効性をこの実証実験で確認した上で、2022年12月に本格アプリ「健康マイレージ」の運用開始に至っている。 (参考:歩数・睡眠時間でポイント 健康増進へ福山市民対象アプリ、9月まで実験(中国新聞デジタル))
本格導入に先立つ実証実験では、東京の企業が開発・運営するシステムを用い、ウォーキングの歩数や睡眠時間などの生活記録をもとにポイントが加算され、市内の加盟店舗で使える割引特典と交換できる仕組みを半年間にわたり試験運用した。この実験は市の「実証実験まるごとサポート事業」の一環として位置づけられていた。 (参考:歩数・睡眠時間でポイント 健康増進へ福山市民対象アプリ、9月まで実験(中国新聞デジタル))
実証実験を経て、福山市は2022年12月に本格版アプリ「健康マイレージ」の運用を開始した。対象は福山市民および市内事業所の在勤者で、利用は無料。ウォーキングの歩数(1日の歩数に応じて段階的に1〜7ポイント)、体重入力、健診受診(50ポイント)、がん検診受診(50ポイント)、バランスの良い食事やストレッチなどのセルフチェック(各1ポイント)、イベント参加(5ポイント)、年間継続利用(50ポイント)など、多様な健康行動にポイントを付与する制度設計とした。 (参考:ふくやま健康ポイント事業(広島県公式サイト)、福山市民が無料で参加できるアプリ「健康マイレージ」の運用が開始されました(号外NET 福山市))
貯まったポイントは300ポイントを1口として、年4回(3月・6月・9月・12月)実施される抽選に自動的に参加でき、各回500人に2,000円分の電子マネー等が付与される。申込は不要で、保有ポイント数に応じて複数口の抽選に参加できる。 (参考:ふくやま健康ポイント事業(広島県公式サイト))
個人利用に加え、福山市は市内に事業所を持つ企業や市内で活動する団体を対象に「企業・団体活用制度」を設け、1チーム5〜20人程度のチーム単位での参加を可能にした。チームメンバー全員分の歩数を合算し、所属人数で割った1人あたりの平均値が月次でランキングとして市ホームページに掲載され、同じ職場や仲間内での競い合いを通じて運動習慣の定着を後押しする狙いがある。2026年2月分(3月発表)のランキングには20チームが掲載され、上位チームは月間40万歩を超える平均歩数を記録した。 (参考:【健康マイレージ】企業・団体での活用(福山市公式サイト)、【健康マイレージ】企業・団体歩数ランキング発表(福山市公式サイト))
2024年5月には「ばらのある風景」をテーマにした第1回フォトコンテストを開催し、市内のバラの名所などで撮影した381件の写真投稿が集まった。アプリ内の「行きたい!」ボタンの獲得数で順位を決め、上位入選者にはポイントを付与する仕組みとした。歩数記録という単調になりがちな行動記録に加えて、こうしたイベントを織り交ぜることで継続的な利用を促している。 (参考:アプリ「健康マイレージ」第1回フォトコンテスト結果発表!(福山市公式サイト))
運用開始から3年余りが経過した2026年4月、福山市はアプリを「けんこうマイレージ」としてリニューアルした。既存ユーザーはアプリ起動時に表示される移行バナーから手続きすることで、ポイントや歩数データ、個人情報を自動的に新アプリへ引き継げる設計とし、移行期限を同年6月30日までとした。市はあわせて移行を後押しするための講習会や相談会も開催している。 (参考:2026年(令和8年)4月からアプリ「けんこうマイレージ」にバージョンアップします(福山市公式サイト)、アプリ「けんこうマイレージ」への移行について【android】(福山市公式サイト)、アプリ「健康マイレージ」のバージョンアップに伴う講習会について(福山市公式サイト)、アプリ「けんこうマイレージ」のバージョンアップに伴う相談会を開催します(福山市公式サイト))
新アプリでは、歩数・消費カロリー・体重・血圧などをグラフで一元管理する「マイグラフ」機能に加え、AIが直近2週間分の生活記録を解析してフレイルリスクを見積もり、一人ひとりの状態に応じたアドバイスや取り組むべきミッションを示す「ヘルスチェックAI」機能を新たに搭載した。ミッションには市が設定するものとAIが個別提案するものの2種類があり、達成によってポイントが得られるほか、体重・体脂肪率・睡眠時間・運動の記録(「マイデータ」)でも1日最大3ポイントを獲得できる。フレンド登録機能では、互いの歩数を確認しながら「エール」を送り合うなど、コミュニティ性を高める工夫も加えられている。 (参考:【けんこうマイレージ】アプリの機能(福山市公式サイト)、【健康マイレージ】ポイントの獲得(福山市公式サイト))
福山市は2022年の本格運用開始に先立ち、2021年4〜9月に市独自の「実証実験まるごとサポート事業」の枠組みで、東京の企業と連携したポイント制度の実証実験を実施していた。歩数や睡眠の記録に応じてポイントを積み上げ、市内の加盟店舗で使える割引特典と交換できる仕組みを半年間試験運用してから本格アプリへ移行しており、いきなり大規模な予算を投じて本格導入するのではなく、小規模な検証を経て制度設計を磨き込む段階的アプローチを取っている点が特徴である。 (参考:歩数・睡眠時間でポイント 健康増進へ福山市民対象アプリ、9月まで実験(中国新聞デジタル))
多くの健康ポイント事業が個人単位の利用にとどまる中、福山市は企業・団体活用制度によって、5〜20人のチーム単位での参加という経路を組み込んでいる。チーム対抗のランキングを可視化することで、個人の意思だけでは健康行動を続けにくい層、特に働く現役世代を、職場のつながりを通じて巻き込む狙いがある。 (参考:【健康マイレージ】企業・団体での活用(福山市公式サイト))
新アプリのダウンロードURLはNTTのドメイン上で提供されており、サポート窓口のメールアドレスもNTTドコモの「kenko-mileage」ドメインが使われている。福山市が採用した基盤は、NTTドコモが自治体向けに展開する健康増進サービスへ、2022年9月にAIでフレイルの兆候を推定する仕組みと高齢者の所在確認に使える見守り機能を新たに組み込んだ「健康マイレージ」プラットフォームと同一名称であり、同社サービスは現在NTTドコモビジネス(旧NTTコミュニケーションズ)に事業が承継されている。福山市はゼロから独自システムを開発するのではなく、全国の自治体に導入実績のある基盤を活用することで、フレイル推定AIのような高度な機能を実装したとみられる。 (参考:アプリ「けんこうマイレージ」を活用して、健康づくりに取り組もう!(福山市公式サイト)、報道発表資料:自治体向けに提供する住民の健康増進サービス「健康マイレージ」に健康支援機能や見守り機能を追加(NTTドコモ)、けんこうマイレージ(NTTドコモビジネス))
2022年12月の運用開始から2026年4月のリニューアルまでの間、市は利用者の平均歩数が5,401歩から6,969歩に増加したという成果を確認しつつ、「使いやすさ」の観点から大幅なUI刷新に踏み切った。既存データを自動的に引き継ぐ移行設計により、リニューアルに伴う利用者離脱のハードルを抑えている点も、長期運用を前提とした事業設計の工夫といえる。 (参考:2026年(令和8年)4月からアプリ「けんこうマイレージ」にバージョンアップします(福山市公式サイト))
福山市の発表によれば、アプリ利用者の平均歩数は運用開始時にあたる2022年12月の1日5,401歩から2025年12月には6,969歩へと増加した。歩数にして約1,568歩、割合にして約29%の増加であり、日常的な運動習慣の定着を裏付ける定量的な成果として示されている。 (参考:2026年(令和8年)4月からアプリ「けんこうマイレージ」にバージョンアップします(福山市公式サイト))
2024年5月に開催した第1回フォトコンテストには381件の写真投稿が寄せられ、歩数記録という日常的な健康行動の可視化にとどまらず、風景写真の共有やコミュニティ交流にもアプリの活用が広がっていることを示している。 (参考:アプリ「健康マイレージ」第1回フォトコンテスト結果発表!(福山市公式サイト))
2026年2月分(3月発表)の企業・団体歩数ランキングには20チームが掲載されており、上位チーム(新屋カイロ)は月間41万歩超を記録するなど、複数の企業・団体が継続的にランキングへ参加している状況が確認できる。 (参考:【健康マイレージ】企業・団体歩数ランキング発表(福山市公式サイト))
市民からは「ポイントがたまっていくので、楽しみながら健康づくりに取り組んでいます」との声が寄せられており、ポイント制度によるゲーミフィケーションが行動継続の動機づけとして機能していることがうかがえる。 (参考:2026年(令和8年)4月からアプリ「けんこうマイレージ」にバージョンアップします(福山市公式サイト))
福山市の事例は、健康ポイント制度のような住民の行動変容を促す施策において、いきなり全市展開するのではなく、期間と対象を絞った実証実験を先行させることの有効性を示している。半年程度の実証を経てから本格アプリへ移行したプロセスは、初期投資のリスクを抑えながら制度設計を検証したい他の自治体にとって参考になる。 (参考:歩数・睡眠時間でポイント 健康増進へ福山市民対象アプリ、9月まで実験(中国新聞デジタル))
健康ポイント事業は個人の自発的な参加に依存しがちだが、福山市はチーム単位のランキングという仕組みを加えることで、企業・団体を通じた参加経路を作った。特定の担当者の熱意に頼らず、チーム対抗という分かりやすい動機づけの型を用いている点は、属人性を排して他地域でも再現しやすい設計といえる。 (参考:【健康マイレージ】企業・団体での活用(福山市公式サイト))
フレイル推定AIのような高度な機能を独自開発しようとすると、多くの自治体にとって技術的・予算的なハードルが高い。福山市が採用したのは全国の自治体に導入実績のある事業者のプラットフォームであり、自治体が個別にゼロから開発するのではなく、実績のある基盤を選択・活用するという発想は、限られた予算・体制の中でDXを進めたい他地域にとっても現実的な選択肢となる。 (参考:報道発表資料:自治体向けに提供する住民の健康増進サービス「健康マイレージ」に健康支援機能や見守り機能を追加(NTTドコモ))
福山市は運用開始から約3年で、蓄積された利用データや利用者の声をもとに大幅なUIリニューアルに踏み切った。一度導入して終わりにせず、利用実績を踏まえて定期的に仕組みを見直す姿勢は、住民サービスとしてのアプリを長期的に運用する上で他地域にも共通する示唆となる。 (参考:2026年(令和8年)4月からアプリ「けんこうマイレージ」にバージョンアップします(福山市公式サイト))
2026年9月時点の調査内容に基づいて作成
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