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千歳烏山駅駅前広場・都市計画道路補助第216号線整備(交通結節点整備)
千歳烏山駅駅前広場・都市計画道路補助第216号線整備(交通結節点整備)

千歳烏山駅駅前広場・都市計画道路補助第216号線整備(交通結節点整備)

千歳烏山駅駅前広場・都市計画道路補助第216号線整備(交通結節点整備)

東京都
世田谷区
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京王線の連続立体交差事業(高架化)を契機に、東京都決定・世田谷区施行で進む千歳烏山駅の交通結節点整備。分散するバス乗り場を集約する交通広場、南北市街地をつなぐ補助第216号線、昭和41年に都市計画決定された道路がようやく動き出した過程と、高架化と歩調をそろえた事業の組み立てを整理する。

概要

千歳烏山駅駅前広場・都市計画道路補助第216号線整備は、東京都世田谷区の千歳烏山駅周辺で進められている交通結節点の再編事業である。京王線(笹塚駅〜仙川駅間)の連続立体交差事業(高架化)と歩調をそろえ、駅の東側に約4,000平方メートルの交通広場と約500平方メートルの東口広場を設けるとともに、駅東側を南北に貫く都市計画道路補助第216号線(幅員16メートル・延長370メートル)と、広場に接続する世田谷区画街路第14号線(幅員19.5メートル・延長31メートル)を整備する。都市計画道路である補助第216号線は都市計画決定に基づく路線、駅前広場(世田谷区画街路第14号線・東口広場)は世田谷区自身が都市計画決定した施設であり、いずれも施行は世田谷区が担う。(参考:都市計画道路補助第216号線(千歳烏山駅付近)・千歳烏山駅駅前広場(世田谷区)

事業の主眼は、駅周辺に分散しているバス乗り場を交通広場へ集約し、タクシー乗降場や障がい者用車両の停車スペースをあわせて設けることで、鉄道からバス・タクシー・徒歩への乗り換えを担う交通結節機能を高めることにある。補助第216号線の起点である千歳烏山駅付近の区間は昭和41年に都市計画決定されて以来長く未整備のままだったが、連続立体交差事業を契機に平成26年に事業認可を受け、令和13年3月末(2030年度末)を事業期間の終期として整備が進められている。(参考:都市計画道路補助第216号線(千歳烏山駅付近)・千歳烏山駅駅前広場(世田谷区)千歳烏山駅周辺地区(世田谷区)

背景・課題

千歳烏山駅周辺は、世田谷区の北西部で商業・サービスや交流の中心を担う「主要な地域生活拠点」に位置づけられている。1日の乗降人員は2025年度で約8万2千人に達し、2022年3月からは特急停車駅にもなっている。一方で、この拠点性に見合う駅前の交通基盤は十分に整っていなかった。(参考:千歳烏山駅周辺の街づくりについて(世田谷区)千歳烏山駅(Wikipedia)

象徴的な課題が、バス乗り場の分散である。千歳烏山駅には関東バス・小田急バス・京王バスの各路線が乗り入れているが、乗り場は北口・南口に分かれて点在し、鉄道との乗り換えや事業者間の乗り継ぎが分かりにくい状態にあった。まとまった駅前広場が存在しないため、タクシーや送迎車、歩行者の動線も駅前で錯綜しやすい構造だった。(参考:千歳烏山駅(Wikipedia)千歳烏山駅で計画中の再開発とは?(アットホーム タウンライブラリー)

もう一つの根深い課題が、駅の南北を分断する「開かずの踏切」だった。千歳烏山駅東側の芦花公園5号踏切は都内でも屈指の遮断時間の長さで知られ、日中は1時間あたり片道21本の列車が運行するため、遮断桿が連続して1分以上上がる時間はほとんど確保されない状態にある。歩行者・自転車・バイクが狭い踏切に集中し、南北の市街地を安全に行き来しにくい状況が続いていた。この南北分断こそが、駅前広場や南北道路の整備を阻んできた根本要因でもあった。(参考:京王線 千歳烏山付近 踏切の現状(日本の交通関連ニュース)「開かずの踏切」は本当に開かないのかを検証してみた(GetNavi web)

こうした課題は、駅を高架化しない限り抜本的には解けない性格のものだった。踏切が地平にある限り南北をつなぐ道路も駅前広場もつくる余地が生まれにくく、補助第216号線が昭和41年の都市計画決定から半世紀近く未整備のまま据え置かれてきた背景にも、この制約があった。2013年に本格化した京王線の連続立体交差事業(笹塚駅〜仙川駅間、約7.2キロメートル)は都市計画道路7か所を高架に合わせて立体交差化し、25か所の踏切を除却する事業であり、千歳烏山駅もこれにより地上の相対式2面2線から高架の島式2面4線へと生まれ変わる。この高架化が、長く止まっていた駅前の交通結節点整備を動かす契機となった。(参考:事業の概要(京王電鉄 連続立体交差事業)千歳烏山駅(Wikipedia)

取り組みのプロセス

交通結節点整備の前提として、まず駅周辺の街づくりの方針が住民参加のもとで積み上げられてきた。地権者や住民による街づくり協議会の活動を経て、区は2011年10月に協議会からの計画原案の提案を受け、2014年5月に「千歳烏山駅周辺地区街づくり構想」を策定。ここで「駅前広場整備による交通結節機能の強化」が拠点づくりの柱の一つとして位置づけられた。さらに2021年6月には建物高さの上限などを規定する「千歳烏山駅周辺地区地区計画」を策定し、交通結節点の整備を受け止める都市計画上の枠組みが整えられた。(参考:千歳烏山駅周辺の街づくりについて(世田谷区)千歳烏山駅周辺地区(世田谷区)

インフラそのものの都市計画と事業化は、道路と広場で時期が異なる。南北道路である補助第216号線(千歳烏山駅付近区間)は1966年(昭和41年)7月に都市計画決定されていたが、長く事業に至らなかった。一方、駅前広場(世田谷区画街路第14号線・東口広場)は2012年(平成24年)10月に都市計画決定された。両者は連続立体交差事業の進展に合わせて2014年(平成26年)2月に一体で都市計画事業の認可を受け、その後2023年(令和5年)3月に事業認可が変更されて現在に至っている。長い時間軸を持つ道路計画と、比較的新しい広場計画とを、高架化のタイミングで束ねて事業化した点がプロセスの起点となっている。(参考:都市計画道路補助第216号線(千歳烏山駅付近)・千歳烏山駅駅前広場(世田谷区)

整備される空間の構成は、交通結節機能に焦点を合わせている。駅東側に設ける約4,000平方メートルの交通広場には、分散していたバス乗り場を集約し、タクシー乗降場や障がい者用車両の停車スペースを配置する。これに約500平方メートルの東口広場と、広場へ取り付く世田谷区画街路第14号線(幅員19.5メートル)が加わり、駅前でバス・タクシー・徒歩を束ねる乗り換え拠点を形づくる。南北方向には幅員16メートル・延長370メートルの補助第216号線を通し、踏切で分断されていた南烏山側の市街地を連続した道路ネットワークへとつなぎ直す。(参考:都市計画道路補助第216号線(千歳烏山駅付近)・千歳烏山駅駅前広場(世田谷区)

事業の推進体制は、複数の主体が役割を分担する形をとる。都市計画の決定主体は事業ごとに異なり、補助第216号線は都市計画決定に基づく路線である一方、駅前広場(世田谷区画街路第14号線・東口広場)は世田谷区自身が都市計画決定した施設である。施行はいずれも世田谷区、鉄道の高架化は東京都と京王電鉄が担い、それぞれが同じ駅周辺で時間軸をそろえて動く。物理的な工程としては、まず高架化によって地平の線路や踏切が撤去され、そこで生まれる用地や空間を活用して駅前広場・道路の整備が本格化する順序をたどる。2021年時点の現地確認では、道路・広場予定地の用地取得が部分的に進む一方で本格的な道路工事は着手前であり、高架化の進捗に沿って開通していく見通しとされていた。事業間の順序依存を織り込んで、長い事業期間(令和13年3月末=2030年度末まで)が設定されている。(参考:補助第216号線・千歳烏山駅前広場 進捗状況(俺の居場所-まち記録サイト)都市計画道路補助第216号線(千歳烏山駅付近)・千歳烏山駅駅前広場(世田谷区)

この事例の特徴

第一の特徴は、交通結節点を単独の広場整備としてではなく、高架化・バス集約・南北道路を一体化した「面」の交通再編として組み立てている点である。踏切の除却によって南北の連続性を回復し、その上で駅前に交通広場を設けてバス・タクシーを集約し、補助第216号線で市街地の道路ネットワークをつなぐ。個々に見れば別々の事業だが、駅を中心とした人と車の流れを一つの結節点に収れんさせる狙いのもとで束ねられている。(参考:千歳烏山。駅の高架化や駅前広場の整備を進めるなか(健美家)

第二に、半世紀にわたり動かなかった都市計画道路を、上位事業への「相乗り」によって実現へと向かわせている点である。補助第216号線の駅付近区間は1966年に都市計画決定されながら長く未整備だったが、連続立体交差事業という大きな契機に合わせて2014年に事業認可へこぎ着けた。長期未着手の都市計画道路が各地に残るなかで、鉄道立体化のタイミングを逃さず事業化した進め方は、契機の設計という観点で示唆的である。(参考:都市計画道路補助第216号線(千歳烏山駅付近)・千歳烏山駅駅前広場(世田谷区)

第三に、複数主体の役割分担と事業間の順序が明確に設計されている点である。都市計画は東京都、広場・道路の施行は世田谷区、鉄道は東京都と京王電鉄という分担のもとで、高架化→用地・空間の転用→広場・道路の整備という物理的な順序に沿って工程が積み上がる。交通結節点の整備が単体で先行できず、鉄道事業の進捗に律速される構造を前提に、2030年度末までの長い事業期間を設定している点は、複合的な都市基盤整備の現実的な工程管理のあり方を映している。(参考:事業の概要(京王電鉄 連続立体交差事業)補助第216号線・千歳烏山駅前広場 進捗状況(俺の居場所-まち記録サイト)

第四に、抽象的な「にぎわい」ではなく、分散するバス乗り場の集約という具体的な結節課題に照準を合わせている点である。複数のバス事業者が北口・南口に分かれて乗り入れる状態を、交通広場への集約とタクシー・障がい者用スペースの併設によって解きほぐそうとしている。駅前広場整備が景観やイベント空間の議論に流れがちななかで、乗り換えのわかりやすさという交通結節点本来の機能に軸足を置いている。(参考:千歳烏山駅で計画中の再開発とは?(アットホーム タウンライブラリー)千歳烏山駅(Wikipedia)

調査時点の成果

本事業は2026年7月時点で事業期間の途上にあり、交通広場や補助第216号線はまだ完成していない。したがって、乗り換え利便の向上や南北回遊性の改善といった最終的な効果は、高架化の完了と一体で今後検証される段階にある。現時点で確認できるのは、主に計画・事業化と工程面の到達点である。

到達点として、1966年に都市計画決定されて以来長く動かなかった補助第216号線の駅付近区間が、2012年決定の駅前広場とあわせて2014年に事業認可され、2023年の変更認可を経て継続していることが挙げられる。約4,000平方メートルの交通広場、約500平方メートルの東口広場、幅員16メートル・延長370メートルの南北道路という具体的な整備像が定まり、高架化と歩調をそろえた2030年度末までの事業期間が設定された。長期未着手だった都市計画道路が、上位事業を契機に手続きの俎上に乗り、用地取得が進む段階まで到達したこと自体が一つの前進である。(参考:都市計画道路補助第216号線(千歳烏山駅付近)・千歳烏山駅駅前広場(世田谷区)補助第216号線・千歳烏山駅前広場 進捗状況(俺の居場所-まち記録サイト)

また、交通結節点整備の効果を左右する前提条件として、連続立体交差事業による踏切除却の見通しが立っている。芦花公園5号踏切に代表される開かずの踏切は、千歳烏山駅の高架化(地上2面2線から高架2面4線へ)によって解消される見込みであり、これにより南北の連続性が回復すれば、駅前広場と補助第216号線が交通結節点として機能する条件が整う。さらに、街づくり構想・地区計画という上位計画に「駅前広場整備による交通結節機能の強化」が明確に位置づけられ、隣接する市街地再開発と連動して駅前を更新する枠組みが用意されている点も、計画上の成果といえる。(参考:事業の概要(京王電鉄 連続立体交差事業)千歳烏山駅周辺の街づくりについて(世田谷区)

他地域への示唆

第一に、鉄道の高架化を交通結節点再編の「契機」として束ねる進め方は、連続立体交差事業を控える各地の駅前まちづくりに応用できる。踏切の除却で生まれる地平の空間を、駅前広場・バス集約・南北道路へと計画的に転用する組み立ては、高架化を単なる踏切対策で終わらせず、駅を中心とした交通結節機能の底上げへとつなげる。自地域で鉄道立体化が予定されている場合、それを交通広場や都市計画道路の整備機会としてどう束ねるかという発想は再現性が高い。

第二に、長期未着手の都市計画道路を動かす手がかりとして、上位事業への相乗りが有効であることを示している。補助第216号線のように、都市計画決定から数十年が経過しても事業に至らない道路は各地に残る。単独では合意や用地取得が進みにくいこうした路線を、高架化のような大規模事業のタイミングに合わせて事業化する進め方は、契機を待ち、逃さないという計画運営の視点を提供する。

第三に、複数主体の役割分担と事業間の順序を前提に、現実的な長期工程を組む重要性である。都市計画(都)・施行(区)・鉄道(都と鉄道事業者)が分担し、高架化の進捗に道路・広場の整備が律速される構造では、単年度的な完成を掲げるより、事業間の依存関係を織り込んだ工程管理が求められる。交通結節点が完成予定に近づくほど鉄道事業の進捗に左右される点は、複合的な都市基盤整備を担う自治体にとって参考になる。

第四に、駅前広場整備を「交通結節機能」という機能軸から具体化する視点である。分散するバス乗り場の集約、タクシー・障がい者用スペースの併設といった課題設定は、にぎわいや景観の議論に先立って、誰がどう乗り換えるかという駅の基礎的な役割に立ち返るものだ。ただし、いずれの示唆も本事業が整備途上にあることを踏まえ、実際の効果は高架化完了後の交通結節点の運用を通じて評価される必要がある。

参照元


2026年07月時点の調査内容に基づいて作成

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