左◆下休場　千秋さん（しもやすば　ちあき）

NPO法人ウォークラボ札幌　代表理事

大阪芸術大学で30年間、北海道大学観光学高等研究センターで5年間、教員としてエコツーリズム、地域計画、アフリカの民族文化に関する教育と研究にたずさわり3年前に定年退職。その後、札幌において「歩く」というアクティビティを通して、Well-Beingなまちづくりに貢献する活動をおこなうNPO法人「ウォークラボ札幌」の代表理事。趣味はウォーキングとサイクリング。

中央◆奥田萌さん（おくだ　めぐみ）

NPO法人ウォークラボ札幌　理事

「歩く」が好きになったのは、北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院の履修証明プログラム（DMO育成プログラム）で中標津の自然遊歩道を歩いた2019年から。自分と対話をしながら景色を楽しんだり、写真を撮りながらのんびり歩くことが好き。株式会社Moon・PROMOTION代表・一般社団法人北海道こどもホスピスプロジェクト代表理事。

右◆小川　浩一郎さん（おがわ　こういちろう）

『歩く』をテーマにイベントやツアー企画・実施、歩く道のプロデュースや広報活動など『フットパス』や『歩く道』をキーワードに札幌市内、北海道内、日本国内で活動し、ワールドウォーカーとして世界中を歩き回る。「歩く」専門の旅行会社経営。札幌を約140kmで結ぶ歩く道「さっぽろラウンドウォーク」設定に携わる。

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― まず始めに、皆さんの取り組みについて教えてください。

札幌において歩くことの楽しみを広げ、新たな交流を促進するという目的で、3年前にNPO法人ウォークラボ札幌を設立しました。

健康・環境・観光・交流・景観をテーマとした周遊歩道「さっぽろラウンドウォーク」を設定し、普及・発展させ、歩く文化を醸成していくことを目的として活動しています。

現在は、さっぽろラウンドウォークのアプリやガイドマップを作ったり、モニターツアーを実施したりしています。

― 「さっぽろラウンドウォーク」のコースの特徴を教えてください。

さっぽろラウンドウォークのコースは、札幌市が有する自然、歴史、文化などの魅力を余すことなく体感できる市街地を囲む約140kmのコースとなっております。それぞれの地域の特徴に合わせて「歴史と文化の田園エリア」「自然を楽しむ里山エリア」「街を望める山手エリア」という３つのエリアに分かれています。

このコースは新しく建設するものではなく誰もが自由に歩くことのできる既存の公道、都市公園、緑道、河川敷、自然歩道などをつなぎ合わせたものです。

さっぽろは大都市でありながら周辺には自然が豊かなところや、美味しいご飯屋があるという、とても魅力的な土地特性を持っているので、「歩く」というアクティビティを通じていろいろな人をつないでいくイベントなどを実施していきたいと思っています。

―日本国内だけでなく、インバウンド向けのマップもー

― では、宮の沢エリアの魅力はなんでしょうか？

宮の沢の魅力は、軽いハイキングのようなちょっとしたアップダウンや市街地や飲食店がとても近い位置にあることだと思います。実際に歩いていても、歩く場所として可能性を秘めている場所だなと感じます。

札幌市が観光地として人気がある理由も、都市とみどりの両方が身近に感じられて、さらには飲食店や美術館にアクセスしやすいことがあります。トイレにアクセスしやすいことも重要な要素です。（笑）

―このような取り組みを始めたきっかけと、皆さんの原動力はなんでしょうか？

私は幼い頃から父と一緒に札幌市内近郊を歩くイベントに参加をしていました。

歩く中で“札幌にもフットパス(※1)を作りたい”という思いが生まれてきて、現在はこの団体に出会い、考えていた構想を皆さんと一緒に形にする活動をしています。

これまで、フットパスやロングトレイルの取組で地域が元気になる姿を見てきたので、私の大好きな札幌でもこの取組を進めることでより元気にしていきたい！ということが私の原動力です！

※1 イギリスを発祥とする『森林や田園地帯、古い街並みなど地域に昔からあるありのままの風景を楽しみながら歩くことができる小径（こみち）』のこと。

小川さんとは違って、私は歩くことが好きではありませんでした。

しかし、北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院の履修証明プログラム（DMO育成プログラム）で、観光について学ぶ中で、歩くことの素晴らしさや札幌の良いところがわかってきました。でも実際に札幌に来られる観光客の方からは知られている場所が少なく、残念に思っていました。また、観光客の札幌市内の滞在は平均1.3泊ということを知り驚きました。

このような経験から札幌の魅力をもっと伝えたいと思うようになりました。

― そもそも皆さんにとって、「居心地がよく、歩きたくなるまち」ってどんなものでしょうか？

休憩場所がたくさんあるところは安心して歩けますね。気負って歩くのではなく、ちょっとあそこに寄るついでに歩いてみようなど軽い心意気で臨める要素が揃っていることが大事だと思います。

あとは車中心の街を歩くと、広い道路は渡るのが危ないなどの課題わかります。札幌は緑が多くて居心地の良い安全なところがとても多いです。

うんうん、本当にそう思います。私は環境だけではなく、心の状態も大事だと思っていて。

そこで初めてお会いした人とお話ししながら、自然と向き合っていると心身ともにとても健康になる気がするんです。忙しい中でも、あえて歩く時間を取れている自分を客観的に見ることができると幸福感があります。

ー 歩くことを文化として根付かせるには、どのようなことが必要なのでしょうか？

例えば、イギリスでは歩く人を歓迎する文化を指す、”Walkers are Welcome（※２）”という取組があります。具体的には、トイレを使っていいところはステッカーが貼ってあったり、歩いている人には飲み物が安くなる場所があったり…。

歩くだけでその街に歓迎されている、地域と繋がっている気分になれるという声が多いそうです。

札幌でもこのような文化を増やしていくことが大事だと思っています。

※２　異なる特色を持つ地域でウォーキングを開発・促進するための、イギリス全土のコミュニティ主導のネットワーク。歩行者に優しい場所の開発・宣伝などを行っている。

ー 今後（特に今年は）どのようなことに取り組んでいこうと考えているか教えてください

今後の取り組みについては、大きく分けて3つあります。

①「さっぽろラウンドウォーク」の認知度向上すること

現在は地域の方々を中心に徐々に取り組みを知っていただいている段階ですが、まだまだ認知が足りていません。情報発信やSNSを活用したプロモーション活動を行う必要があると感じていてます。

ウォーキングイベントを定期開催していきたいと思っています。地域の方々と協力して、歩くだけでなく、歩くことで何か付加価値を得られるようなイベントを開催していきます。

イギリスの”Walkers are Welcome“のように、歩く人と地域の接点を作っていきたいです。そうすることで、歩く人にも地域もwin-winの関係になっていくと思います。

ー 札幌市は冬の積雪が大きな障害となることもありますが、冬でも歩きたくなるまちづくりを進めるために必要なことはありますか？

「さっぽろラウンドウォーク」ではスノーシューで歩くコースもあるんです。

特に外国人観光客には雪景色が珍しいそうで、魅力的だと言ってもらうことが多いんですよ。なのでその辺りの魅力をアピールしていきたいですね。

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「居心地がよく歩きたくなる宮の沢」の実現に向けて、今回は札幌市内で歩くことをテーマに様々な活動をされている「NPO法人ウォークラボ札幌」の理事のみなさんにお話を伺いました。

ワークショップで出た意見を踏まえながら、実際にまちを歩いて体験してみる「まち歩き」を行います！冬でも歩きたくなるような宮の沢に向けて、どのようなことが課題か一緒に考えてみましょう！

歩きたくなるまちへ、体験してみよう！

【インタビュー】歩くことで人との繋がりを深め、札幌の魅力を伝えたい！

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「居心地よく歩きたくなる宮の沢」をみんなで考えよう！

札幌市ではウォーカブルシティの実現に向けて取り組んでおり、宮の沢駅周辺をモデル地区の一つとして検討してきました。
2023年度は「歩行者にとって居心地がよく、歩きたくなるまちづくり」をテーマに、意見交換をしながら“居心地がよく歩きたくなる”「宮の沢未来ビジョン」を整理しました。
今年度からは、 「宮の沢未来ビジョン」も踏まえ、宮の沢エリア全体のまちづくりを進めるための『まちづくり指針づくり』をはじめます。

今年度も皆さんと一緒に体験を通して考え、まちづくりに活かせる宮の沢の特性や課題解決のアイディアなどを整理します。

そこに参加できない方も、本サイト上で声・思いを届ける機会を設けていきます。取組み状況も発信しますので、ぜひご覧ください！

歩いて楽しい宮の沢へ。まちを体験してみんなで考えよう！

札幌市

北海道

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宮の沢におけるまちづくりの現状と、これからのまちづくりでキーワードとなる「ウォーカブル」について紹介します！

宮の沢地区のまちづくりの現状は？

あなたにとって居心地がよく、歩いて楽しいと感じるのはどんなまちでしょうか？あなたの考え、思いを教えてください！また、ワークショップも開催します。様々な取り組みを通じて一緒に考えてみませんか？

あなたにとって居心地のよいまちとは？

みなさんからこれまでいただいた意見を踏まえ、「"居心地がよく歩きたくなる"宮の沢未来ビジョン」が完成しました！
検討の過程で出た意見ももとに、道路の歩行者天国化の実証なども行いました。

歩きたくなるまちに向けたビジョンを共有！

歩きたくなるまちへのビジョンも踏まえ、地域の皆さんが連携し、ともに宮の沢エリアのまちづくりを進めるための指針づくりをはじめます！

宮の沢まちづくり指針策定検討を行います！

まちづくり指針策定に向けて、ワークショップなどを通じて皆さんと一緒に考えます。

【インタビュー】歩くことで人との繋がりを深め、札幌の魅力を伝えたい！

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