小松崎明子さん（NPO法人ゆるゆるma～ma理事長）

――ゆるゆるma～maの取り組みについて教えていただけますか？

ゆるゆるma～maは家族が安心して暮らせる街になるように、多世代の交流も取り入れながら地域の『子どもを見守る目を増やしていくこと』を目指しているNPO法人です。

当初子育て支援を目的として活動を始めましたが、現在では支援の枠を決めずに幅広い分野で活動をしています。

具体的には、子どもの送迎/一時保育、産前産後を含む子どもサポート、子ども食堂運営といった取り組みから、「ゆうゆう館」「コミュニティふらっと」といったシニアの方々にもご利用いただく交流施設の運営まで、幅広く取り組んでいます。

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子ども食堂は食後は子ども達の居場所に

――なぜそのような活動に行き着いたのでしょうか？

第一には、目の前の子どもやシニアの方々が楽しく活き活き暮らせるようになるために、私たちにできることを積み重ねていった結果です。

第二には、私たち自身のためでもあります。私もいずれ年を重ねたら地域の中で孤立するリスクがありますし、支える側から支えられる側に移る時がきます。これは全ての人に共通している話ですが、意外と見落とされがちです。

人が日々を活き活き暮らすためには、「居場所」だけでなく「出番」が必要なのだと強く感じています。

その意味で、これからの地域は支援/居場所づくりを「循環」させていく必要があると考えています。かつて支えていた側が、支えられる側へ。しかし支えられると同時に、自分にできる形で地域を支えていく。

そのような支え合いの形を、家庭の中だけでなく地域全体で作っていくことが求められるのではないでしょうか。それが個人にとってはセーフティネットになりますし、中長期的には地域の持続的発展/課題解決を支える土台になると思います。

地域の商店主の方と子どもたちの交流

―地域内のコラボレーションを進める上でどのような課題と可能性を感じていますか？

この10年ちょっとの間に、2011年の東日本大震災、2020年のコロナ禍といった大きな困難を通じて、地域の中のつながりの必要性はより多くの人たちが実感するようになったと思います。

実際、ボランティアや社会貢献活動の数自体は増えました。一方、それと逆行する形で世の中の仕組みや環境は人と人のつながりを希薄にする方向にも進んでいる印象を受けます。杉並区が長年大切にしてきた「協働」という言葉も、人によってかなり解釈にばらつきがあるのが現状です。

ゆるゆるma～maが考える協働/コラボレーションとは、単に公的な事業を行政から委託することではなく、「共通の目的に向けて立場を超えて協力し合うこと」です。

必ずしも大掛かりな取り組みである必要はなく、一人一人が自分の関心や得意領域をもとに共通の目的に動き出すことができれば、それは立派な協働/コラボレーションだと思います。

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コロナ禍に子ども食堂で開催したお楽しみ会

そして、そのような関わりの間口を持ちながら、実際に意味のあるコラボレーションを増やしていくためには、「リアルな場」とそれを活かして「つなぐ人」がますます大きな役割を果たすようになると思います。

こういった考え方を言葉で伝えることも大事ですが、私たちは何よりも「手触り感」を大切にしています。

百聞は一見に如かず。地域にもう少し関わってみたい住民の方も、企業としてできることを探している方も、普段は役所で働いている方も、まずはご自身の身の回りにある「現場」につながる中で、何が起こっているのかをぜひ体感してみてほしいです。

子ども食堂_食材配布ボランティア__.jpg

子ども食堂での食材配布ボランティア

―すぎなみプラス/公民連携プラットフォームにはどのような期待をしていますか？

一口に杉並区と言っても様々な特色を持ったエリアがあるので、それぞれ課題感もテーマも異なります。とはいえ、その中でも共通する要素はありますし、区内の面白い取り組み/担い手が発掘・共有されるだけでも、長い目で見ると地域内のコラボレーションを後押しする効果があるのではないでしょうか。

また、杉並区役所には地域に対して熱い思いを持った職員の方がたくさんいらっしゃいます。

所属部署は様々ですが、公民連携の取り組みが進む中でこういった方々が横でもつながるきっかけになるかもしれないですし、若い職員さんの現場経験も含めて、役所と地域の距離がどんどん近づいていくきっかけになることを期待しています。今回、公民連携担当の皆さんとじっくりお話できたことも個人的にはとてもうれしく思っています。

あとは一見矛盾するようですが、良い意味で「行政に期待しすぎない」ことも大事だと考えています。かつての右肩上がりの時代と違って行政だけでできることには限界があり、そこに頼ってばかりいると私たち地域プレイヤー側も自立できないからです。

行政も民間もお互いの強み/弱みを理解した上で、歩み寄ることでしか建設的なコラボレーションは生まれないと考えています。その意味では、すぎなみプラス自体も、私たち関係者が歩み寄りを進める中で一緒に徐々に育てていくプラットフォームなのかもしれません。

―最後に、これから地域活動に関わりたいと思っている方や、既に取り組まれている担い手の方々に一言メッセージをお願いします。

どんな取り組みも最終的には人と人のつながりで生まれるものだと思いますし、何か一緒にやったという手応えがあると、さらにコラボレーションの輪が拡がっていくことを実感しています。

ゆるゆるma～maとしてはこれからも様々な担い手の皆さんと協力しながら活動していきたいと考えていますので、何か一緒にやれそうだと思って下さった方はぜひご連絡ください。

ゆるゆるma〜maさんのHPはこちらです！ご興味、ご関心のある方はぜひご覧ください。

活動での連携についてご関心のある企業、団体などの皆さまは、ぜひすぎなみプラスにご登録いただき、問い合わせをいただけますと幸いです。

特定非営利活動法人ゆるゆるma〜ma

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杉並区では、様々な方が様々な形で地域に関わり、日々どこかで垣根を超えたコラボレーションが生まれています。このインタビュー連載では、そんな協働の実践者たちにお話を伺い、これからの地域活動のヒントを得たいと思います。
今回は、NPO法人ゆるゆるma～ma理事長の小松崎明子さんにお話を伺いました！

すぎなみプラスを運営する中でのお知らせに加え、すぎなみプラスへ参加されている方々や、地域で既に様々な活動をされている方々からの声などを発信します！

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インタビューvol.1 小松崎明子さん（NPO法人ゆるゆるma～ma）

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