
グッドネイバーズスクール(リノベーションまちづくり土気・幕張エリア拡大)
千葉駅西口・裏チバで培われたリノベーションまちづくりの手法を、千葉市が2024年度から緑区土気・美浜区幕張エリアへ展開。ちば会議での人材発掘とグッドネイバーズスクールを通じ、実事業化より関係構築とライフスタイル提案に重心を置いた郊外エリアへの手法移転を進めている。
千葉市は、千葉駅西口エリア(通称「裏チバ」)で2013年の再開発ビル「WESTRIO」完成を契機に培ってきたリノベーションまちづくりの手法を、2024年度から緑区土気地区・美浜区幕張地区へと展開している。実施主体は千葉市都市局都市部まちづくり課と、リノベーションスクール事業を全国展開する株式会社リノベリングである。 (参考:千葉市:リノベーションまちづくり事業)
拡大にあたっては、まず市内の多様な担い手にスポットを当てるトークイベント「ちば会議」で各エリアのプレイヤーを発掘し、その人脈を核として短期集中型プログラム「グッドネイバーズスクール」(旧リノベーションスクール@ちば)を土気・幕張の両エリアで開催する、という二段階の手順を踏んでいる。2025年1月に第1弾(通算第6回)、2026年2月に第2弾(通算第7回)を実施し、いずれも「働く/遊ぶ/住まう」をテーマとした新しいライフスタイル提案を成果発表として公開してきた。 (参考:千葉市:リノベーションまちづくり事業、千葉市:第3回グッドネイバーズスクール@ちば)
千葉市のリノベーションまちづくりは、2013年の千葉駅西口再開発ビル「WESTRIO」完成を契機に、駅前スペースやビル内共用エリアを使った光の演出や物販イベントなどの取り組みから始まった。その機運の高まりを受け、2019年度から遊休不動産のオーナーと受講生が事業計画を組み立てる「リノベーションスクール@ちば」を千葉駅西エリア(裏チバ)で開始し、cafeハコニワ(裏チバ)、西口COLORS(千葉駅西口駅前)、RECORD to TOWN(そごう千葉店・センシティタワー周辺)といった具体的な取り組みが、裏チバを中心とする複数の関連エリアから生まれた。 (参考:千葉市:リノベーションまちづくり事業)
2023年度には、実事業化を主軸としたリノベーションスクールから、まちの新たな関係構築とライフスタイル提案に軸足を移した「グッドネイバーズスクール」へと名称・コンセプトを変更した。2024年6月には、裏チバでのリノベーションまちづくりの取り組みと実践者の声を集約した冊子『千葉市リノベーションまちづくり宣言書』を市が公開し、これまで積み重ねてきた手法を言語化している。市はこうした裏チバでの多様な主体による挑戦の連鎖を踏まえ、2024年度から対象エリアを土気・幕張へ拡大する方針を掲げた。背景には、若年層が進学・就職を機に市外へ流出する一方で、市内で満足できる働き方や暮らし方を実践できる場をつくり、「1,000のチャレンジ『挑千』が生まれる千葉」を目指すという都市経営上の課題意識がある。 (参考:千葉市:千葉市リノベーションまちづくり宣言書、千葉市:リノベーションまちづくり事業)
拡大先の選定にあたっては、複数エリアのリサーチを経て、あえて性格の異なる2エリアが選ばれた。土気地区は開発から約40年を迎えたニュータウンで、若い世代の流出という課題を抱えつつも、近年は海外からも関心を集める新たな事業の芽が育ちつつある地域である。幕張地区(JR幕張駅南口周辺)は、自分の関心を仕事や趣味として実践する大人たちのもとに、その姿を慕う若い世代が徐々に集まり始めている、地元密着型の生活文化が根付くエリアである。裏チバのような中心市街地とは異なる郊外・住宅地・駅前商業地という条件下で、同じ手法がどこまで機能するかという点が、拡大フェーズの実質的な課題であった。 (参考:【千葉市】まちの新たな兆しを発掘する「ちば会議」|リノベリング、【開催終了】第2回グッドネイバーズスクール@ちば|リノベリング)
1. 「ちば会議」による地域プレイヤーの発掘
市内で活動する人物とその個性を紹介し合う交流会形式のイベント「ちば会議」が、グッドネイバーズスクールにおける人材発掘の場として継続的に開催されてきた。2024年7月22日に千葉市役所で開かれた「ちば会議vol.1」では、カートスタンド経営者、幕張のラーメン店オーナー、ソーラーシェアリング事業者、裏チバの文化発信を行うレコードマルシェ企画者の4名が登壇し、参加者同士のネットワーク構築を図った。幕張エリアに絞った「出張ちば会議@幕張vol.2」は2026年3月23日に開催され、地元のアトリエ(美術・絵画教室)・書店・美容室の担い手3名によるトークライブと交流会が行われている。 (参考:千葉市:ちば会議vol.1、千葉市:出張ちば会議@幕張vol.2)
2. 第2回グッドネイバーズスクール@ちば(2025年1月、土気・幕張への初展開)
2025年1月16日のオンラインホームルームを経て、1月24日〜26日の3日間、千葉市役所・土気あすみが丘プラザ・幕張公民館を会場にメインスクールが開催された。土気・幕張それぞれ6名程度、計約12名の受講生が2ユニットに分かれ、「働く/遊ぶ/住まう」を一体のものとして捉え直す、エリアならではの新しい暮らし方の提案づくりに挑んだ。参加費は市内在住・在勤・在学者8,000円、市外15,000円。スクールマスターには青木純氏(株式会社まめくらし代表)を迎え、ユニットマスターに坂本大祐氏・川口瞬氏、ローカルユニットマスターに馬上丈司氏・森猛氏が就いた。馬上氏と森氏はいずれも半年前の「ちば会議vol.1」に登壇したプレイヤーであり、発掘イベントで見出した人材がスクールの講師として実際に登用されるという、企画段階で想定された人材循環が機能したことが確認できる。最終プレゼンテーションは1月26日に千葉市役所で開催され、YouTubeでも配信された。 (参考:千葉市:第2回グッドネイバーズスクール@ちば、千葉市:ちば会議vol.1、【開催終了】第2回グッドネイバーズスクール@ちば|リノベリング)
3. 第3回グッドネイバーズスクール@ちば(2026年2月、同エリアでの継続実施)
2026年2月4日のオンラインホームルームを経て、2月21日〜23日にメインスクールが実施された。対象エリアは前回と同じ土気・幕張(JR幕張駅南口周辺)で、高校生以上50歳未満・全日程参加可能な受講生を対象に、約12名(各コース6名程度)を募集した。参加費は市内U29(29歳以下)5,000円、市内一般(30歳以上)10,000円、市外20,000円と、初めて若年層向けの割引区分が新設された。スクールマスターは引き続き青木純氏、ユニットマスターにはアリソン理恵氏(一級建築士事務所ara主宰)と日神山晃一氏(株式会社シーナタウン代表)が就任した。2月23日16時〜18時15分には千葉市役所1階市民ヴォイドで無料・定員100名のファイナルプレゼンテーションとクロージングトークセッションが公開開催され、模様はYouTubeで配信された。 (参考:千葉市:第3回グッドネイバーズスクール@ちば、【受講生募集中】「第3回グッドネイバーズスクール@ちば」|リノベリング)
1. 中心市街地モデルの言語化と意図的な移植
千葉駅西口・裏チバという中心市街地で10年以上かけて積み上げた手法を、『千葉市リノベーションまちづくり宣言書』としていったん言語化した上で、性格の異なる郊外エリアへ移植した点が特徴的である。属人的なノウハウを暗黙知のまま拡大するのではなく、ドキュメント化を挟むことで再現性を高めようとする設計になっている。 (参考:千葉市:千葉市リノベーションまちづくり宣言書)
2. 発掘イベントと実践プログラムを人材面で連結
「ちば会議」で発掘した地域プレイヤーを、その後のグッドネイバーズスクールの講師(ローカルユニットマスター)として起用する構造になっている。外部の著名な専門家だけに依存せず、地元で実際に事業を営む人材を講師として組み込むことで、エリアの文脈に即した指導と、発掘した人脈の定着を同時に狙う設計である。 (参考:千葉市:第2回グッドネイバーズスクール@ちば)
3. フェーズに応じてゴールを「実事業化」から「関係構築」へ切り替え
裏チバで実施してきたリノベーションスクールは、実在する遊休不動産のオーナーに対する事業化提案を主眼としていたのに対し、拡大フェーズのグッドネイバーズスクールでは、エリアの新しい日常やライフスタイルの提案自体をゴールに据えている。不動産オーナーとのマッチングが成立しやすい中心市街地と異なり、ニュータウンや郊外駅前では、まず人的ネットワークとビジョンの共有を優先する必要があるという判断がうかがえる。 (参考:【開催終了】第2回グッドネイバーズスクール@ちば|リノベリング)
4. 対照的な2エリアの同時展開
ニュータウン型の住宅市街地である土気と、駅前でローカルな生活文化が根付く幕張という、性格の異なる2エリアを同時並行で対象とした。単一エリアへの展開ではなく、条件の異なる2エリアを比較しながら手法の汎用性を検証する形になっている。 (参考:【千葉市】まちの新たな兆しを発掘する「ちば会議」|リノベリング)
1. 拡大後2回のスクールを実施し、継続実施が定着
2025年1月(第2回)、2026年2月(第3回)と、土気・幕張エリアでのグッドネイバーズスクールが2回にわたって実施され、単発の社会実験ではなく複数年度にわたる継続事業として定着していることが確認できる。 (参考:千葉市:第2回グッドネイバーズスクール@ちば、千葉市:第3回グッドネイバーズスクール@ちば)
2. 発掘した人材の講師登用という人材循環の実証
「ちば会議vol.1」(2024年7月)に登壇したプレイヤー2名が、半年後の「第2回グッドネイバーズスクール」(2025年1月)でローカルユニットマスターを務めたことが、両イベントの公式ページの記載から確認できる。発掘イベントが実際に次段階の担い手供給につながった具体的な事例といえる。 (参考:千葉市:ちば会議vol.1、千葉市:第2回グッドネイバーズスクール@ちば)
3. ライフスタイル提案の継続的な発表と公開
両回とも、土気・幕張それぞれのユニットが「働く/遊ぶ/住まう」をテーマとした新しいライフスタイル提案をまとめ、市役所でのファイナルプレゼンテーションとYouTube配信を通じて公開してきた。第3回では定員100名の公開の場を設け、透明性を高めている。 (参考:千葉市:第3回グッドネイバーズスクール@ちば)
なお、今回の調査で確認できたのは、スクールの継続実施と成果発表の公開状況、および発掘人材の講師登用という人材循環プロセスまでであり、土気・幕張エリアで提案されたライフスタイル案がその後どの程度実店舗の開業や継続的な事業として結実したかについては、公開情報からは確認できなかった。これは実事業化よりも関係構築・提案自体を目的とする拡大フェーズの設計とも整合的だが、事業としての定量的な成果を測る上では今後の追跡情報が必要な段階にある。
1. 「実践→言語化→横展開」という段階的モデル
中心市街地での実践を先行させ、その手法を宣言書等で言語化してから他エリアへ展開するという順序は、単一エリアでの成功体験を組織知として扱い、属人性を減らして再現可能な形に変換する取り組みとして、他地域のリノベーションまちづくり事業にも応用しやすい構造である。
2. エリアの条件に応じてプログラムのゴールを再設計する発想
不動産オーナーとの事業化マッチングが成立しやすい中心市街地の手法をそのまま郊外や住宅地に持ち込むのではなく、「実事業化」から「関係構築・ライフスタイル提案」へと目的そのものを切り替えた点は、拡大時に陥りやすい「同じ型を無理に当てはめる」失敗を避ける工夫として参考になる。エリア特性に応じてプログラムの成功指標自体を変える発想は、他の自治体が中心市街地モデルを郊外や周辺市街地に展開する際にも転用可能である。
3. 発掘イベントと実践講座を人材面で連結させる設計
「ちば会議」の登壇者が後続のスクールで講師を務めたという事実は、単発のトークイベントで終わらせず、発掘した人材を次のプログラムに組み込む仕組みを事前に設計しておくことの有効性を示している。外部講師への依存を減らしつつ地域文脈に根ざした指導体制を築く手法として、他地域でも人材発掘イベントと実践プログラムをセットで設計する際の参考になる。
4. 性格の異なる複数エリアを比較しながら拡大する進め方
単一の後継エリアに絞るのではなく、ニュータウン(土気)と駅前生活圏(幕張)という異なる条件のエリアを同時に走らせることで、手法の適用範囲や限界を比較的早い段階で把握できる。エリア特性の違いを前提に複数の実験を並走させるアプローチは、対象エリアの選定に悩む他地域にとっても、拡大戦略を考える上での参考材料となる。
2026年8月時点の調査内容に基づいて作成
この記事は公開情報に基づき、AIを用いた詳細調査により作成されました。記事内容への修正依頼、お問合せ等は以下までお寄せください。
問い合わせ:support@groove-designs.com
よくあるご質問(FAQ)もあわせてご確認ください。
#
総合計画
#
まちづくり指針
#
エリアビジョン
#
景観計画
#
緑の基本計画
#
公共空間活用
#
ウォーカブル
#
公園活用
#
防災・減災
#
空き家活用
#
エリアプラットフォーム
#
公民連携プラットフォーム
#
公民連携
#
地域コミュニティ
#
地域交流拠点
#
多文化共生
#
子育て支援
#
文化芸術
#
自動運転バス
#
モビリティマネジメント
#
モビリティハブ
#
関係人口
#
移住促進
#
探究学習
#
グリーンインフラ
#
生物多様性
#
参加型予算
#
都市整備
#
まちなか
#
駅前広場
#
協働のまちづくり
#
リノベーションまちづくり
#
フューチャーセンター
#
スマートシティ
#
AI
#
リビングラボ
#
空きスペース活用
#
居場所づくり
#
子ども食堂
#
沿線まちづくり
#
健康
#
社会教育
#
持続可能な都市
#
計画策定
#
まちづくり
#
コミュニティ形成
#
ワークショップ
#
社会実験
#
市民参加
#
子ども・若者
#
子育て世代
#
シニア